グーデン。
これで一騒動始まります…。

アイリスは同情をその声に滲ませ、囁く。
「そう。騙している。
…君はその男性を…父のように慕ってる?」
アスランが首を思い切り横に振った時、その場の大貴族達から一斉に、安堵の吐息が漏れる。
「…なら、君のすべき事は教練を止めて実家に帰り、その男性を家から追い払い、本来君が進むべき道に、進む事だ」
アイリスに言われ、がアスランは不安そうにアイリスを見つめた。
「でも…どうやって?
相手は大人だし…それに父は僕に文官に進めとそう…言ったけど、馬車の事故は突然で………。
…父を失った僕に、今どうやって文官に進む道が出来ますか?」
アイリスが、口を開いた時だった。
背後から声が、した。
「…そう。
一度入った教練をそう簡単に、止める事は出来ない」
アイリスが異論を唱えようと振り向き、アスランはもうその声に聞き覚えあって深く首を垂れて俯き、マレー迄もがガタガタと震った。
背後に居たのは、グーデンだった。
彼はアスランの椅子の後ろに付き、丸で自分の獲物のように、震えるアスランを見下ろしている。