22 王者の威風 21 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

多分、オーガスタスにとってもここ迄

真剣に戦うのは、ディアヴォロス以来なんでしょう。


$「アースルーリンドの騎士」


そう…今思えばあの時オーガスタスの脳裏にあったのは、対戦していたローランデで無く最高峰ディアヴォロス。

が、好敵手と今は認めた、ローランデに対する攻撃は少しも手抜き無く、ローランデは時折牙を剥く早く激しい襲い来る剣に、必ず左を突き入れ弾き、オーガスタスの気鋭を削いだ。

互いが互いの、波に乗るのを阻み合い、自分の勢いで相手を圧そうと、激しくぶつかり合う。

がっ!がっ!がっ!!!

ローランデが突っ込むと、互いの左右の剣が激しく軌道を変え幾度もぶつかり合い、どちらかが入れた一撃でどちらかが引き、そしてまた始まる。

オーガスタスはびゅんっ!と唸る剣を頬間近に感じ、完全に頭に血が、昇る自分を自覚する。
こんな対戦は…奴隷の見世物試合以降だった。
どの相手も自分より、大きかった。

試合だ。と言っても、相手を殺すのは仕方ない。
相手が弱いせいで、殺される方が悪い。
そう言う試合だったからこそ、オーガスタスはその剣が戯言なんかで無く、自分を仕留めようと襲い来るのをひしひしと、感じていた。

その時同様、この“風”には、殺気があった。
本当に試合で、寸止め出来るのか?
と言う程の剣だったから、オーガスタスもきっちり、忘れた。
寸止めする。なんて決着を。