オーガスタスの間合いに入るのに
一苦労。と言ってた、通りですね…。
オーガスタスは戦いの本能で、間合いに敵を入れない
戦いを、きっと身に付けてきているんでしょうね。

流麗なローランデの素早さに、オーガスタスは引けを取ってないように、見える。
だが確かに、荒っぽい技を封じ、戦ってるように見える程、オーガスタスもその高い背を前に倒しその足運びも、喧嘩と言うより完全に踊りに近い。
床を滑り一瞬で、ローランデに振り向き、が、牙剥く。
びゅんっ!
真上から振り下ろされる剣は鋭く早い。
オーガスタスの赤毛が宙に舞うと、皆そのライオンがどれ程獰猛か、思い知った気がした。
小柄とさえ見えるローランデは、ライオンが激しくかざす前足のような剣を、瞬時に剣をぶつけ弾きその身を倒し尚もオーガスタスの間合いからは引くまいと、身を滑らせ攻撃の機会を伺う。
もう二度…。
ローランデはオーガスタスの懐に入り込み、退けられそれでも間を開けず果敢に隙を見つけては斬りかかる。
時にはその勇敢な風が大きな猛獣を、嬲るように翻弄して見せるのに、猛獣はその激しい牙を風にぶつけ、勢いを削ぐ。
びゅんっ!
オーガスタスの左が思い切り、風を斬って振り下ろされ、ローランデはその速さにそれでも咄嗟に後ろに肩引き避けた。