アースルーリンドの騎士外伝。『幼い頃』冒険の旅 208 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

$「アースルーリンドの騎士」
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王冠2 登場人物紹介
王冠2 イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)



 ディングレーはアイリスの前へ飛び込み様、その男に斜めから剣を振り下ろす。
ずばっ!
「ぅぎゃっ!」
メーダフォーテの部下は仰け反って倒れ、ディングレーは直ぐ横に振り向き、隣のゼイブンに襲いかかるノルンディルの部下騎士の横っ腹に、剣を振り入れる。
びゅっ!
「ぎゃっ!」
テテュスはアイリスの傷ついた左肩に手を添え、膝を付きながら顔を歪めるアイリスを必死で支え、でも駆け付けてくれたディングレーの背に、斜め上から下に真っ直ぐ斬られた血の滴る傷を見て泣きそうに眉を寄せる。
騎士を相手に戦うゼイブンですら、左の二の腕に衣服が切れ、布が垂れて傷口が覗き、裸の腕を伝って血が、滴り落ちていた。
ギュンターは尚も周囲から隙を狙う騎士の一人を斬り殺し、胸を狙い飛び来る矢を、一瞬身を捻り避けている。
が避けた隙に再び襲い来る敵と剣を合わせながら、飛び来る矢を、身を捻って必死でかわしてた。
ローフィスは…大きな赤毛の騎士に翻弄されるように身を左右に飛ばして大振りの剣を避け…でもとても、苦戦していた。
シェイルは銀髪の大柄な騎士に、静かに剣を構え相対して睨み合い…レイファスが泣き出したいのを必死で我慢するような瞳で震えて、シェイルを見つめている。
ディンダーデンは相変わらずあちこちに掠り傷を負っていたが、同様あちこち傷だらけの黒髪の狼のような俊敏な男を仕留めようと、豪快に剣を、振っている。
ローランデだけは足場を瞬時に変え、大きな敵に襲いかかっては相手に傷を作り続け、騎士は怒って剣をぶん回すものの、その凄まじい剣は空を裂くだけだった。
アイリスの生暖かい血が僅かに胸に伝い行くのを見、テテュスは泣き出しそうになりながらも突然感じた。
居る筈だった…大きな頼れる男の存在の、欠落に…。
誰も口に、したりはしない…。
だって彼も今、“死に神”と戦ってる。
彼が欲しいと…必要だとは誰も…口に出来たりはしない…!
けど……。
けど!
ファントレイユがゼイブンの、衣服が破れ、血の滴る生腕を見つめ、そっと言った。
「…オーガスタスが居たら…こんなに苦戦しなかった…?」
テテュスはその言葉に顔を上げた。
ゼイブンは無言でそのブルー・グレーの瞳を、そうつぶやく泣き出しそうな息子に、静かに向けただけだった。

つづく。

宝石赤宝石緑 この連載を、始めから読む星


ベル携帯でこの連載を始めから読む
 『野獣の初な恋心』『幼い頃』
の2008/6/11から
宝石赤

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