登場人物紹介
イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)テテュスは良く見ると、アイリスも肩や腕、頬に傷を作り、血を流しているのを見つける。
「アイリス。痛い?」
アイリスはそう尋ねる愛しい息子が、震えながら心配げな表情を向けるのに、「大丈夫」と微笑んで見せた。
ローフィスがそっと寄る。
「闇の傷か?
どんな敵だ?」
アイリスがささやく。
「アースルーリンドの外に通じた空間で、襲って来たのは結構でかい猿の集団だ」
ローフィスは俯くと、オーガスタスの姿を念頭に思い浮かべ、唸る様にささやいた。
「…おまけに闇の結界で回路を閉じられ、護符も威力を発揮しない中でか…」
ゼイブンもつぶやく。
「障気にどっぷり浸かって、化け物化してたか?」
アイリスが、『そうだ』と頷く。
「最悪に、厄介だな………」
ゼイブンは身震いして呻き、オーガスタスが血塗れに成る筈だ。と青冷めて俯く。
ローフィスがアイリスの上着の襟に手を掛けると、アイリスは微笑む。
「大丈夫だから…」
「いいから脱げ。
闇の傷は手当てが悪いと厄介だと、お前も知ってる筈だ」
「神聖騎士団の護符なんて、大層なものを付けてるのに?」
ローフィスは吐息を、吐く。
「だがオーガスタスを癒すのに、大半以上の力を使ってるんだろう?」
アイリスは思い出したように、頷いた。
そして上着を肩から滑り落とし、シャツを脱ぐ。
ディンダーデンは、背に垂れる長い焦げ茶の艶やかな髪を、手を後ろに回して掻き上げ、首筋の傷を見せるアイリスを見た。
「今思い出したが、あの男に女を取られて寝室に割り込んだ事が、ある」
ギュンターの、眉が寄る。
「どうしてあれを見て、今思い出すんだ?」
「スカした美男なのに妙に色気があって、だが逞しい肩と胸をしていたからかな?」
ギュンターは、上半身裸のアイリスが髪を掻き上げうなじを見せ、優美な顔立ちの割、しっかりした長い首と、逞しいその肩と胸を曝す様子に、頷く。
「なる程」
ディングレーが吐息を吐く。
「服を着てると、凄く上品なやさ男に見えてるしな」
ゼイブンも呻いた。
「奴は確かに、着痩せする」
ローフィスに薬草を塗られながら、アイリスがぼやく。
「昨夜一緒に湯に浸かったのに、今頃?」
ギュンターにじっと見つめられ、ディンダーデンは怒鳴った。
「くつろいでる最中に、男の裸をマジマジ見るか?」
ギュンターが成る程。と頷き、アイリスも俯いて言った。
「君のそういう性格を、綺麗に忘れてた」
つづく。

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