アースルーリンドの騎士外伝。『幼い頃』冒険の旅 104 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

王冠2 登場人物紹介
王冠2 イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)


6 緑の中の休息


 皆、背後を振り切るように、無言で駆け続ける。
オーガスタスは後方の自分へ幾度も振り向く、ファントレイユの紅潮した頬の尊敬の眼差しを受け取ったし、ローフィスの馬に跨るレイファスに、弾んだ声で褒められた。
「オーガスタスって、本当に凄いや!」
テテュスは背後のアイリスの、いつもの落ち着いた温もりに安堵し、ファントレイユがあんな化け物に喰われなくて本当に良かった。とほっとした。
レイファスは夢中で、ローフィスに振り向くとしゃべり続ける。
「みんなも凄い!誰も怪我してないし!
オーガスタスがもし縄を緩めてたら、ローフィス本当に、危なかったよね?
それにローランデも凄く、勇敢だった!
ギュンターとディングレーは素早くて、あんな化け物でも怖がらずに近寄っていくんだもの!二人共本当に肝が据わってる!
勿論、ローフィスも!
どうしてみんな、怖く無いの?」
ローフィスは夢中でしゃべり続けるレイファスに視線を振り、継いでシェイルに視線を送る。
「ずっと抱いていたのか?」
馬上のシェイルは前を向いたまま、憮然と告げる。
「しがみついて離れなかったしな!」
その厳しい言い様に、レイファスはつい、視線を下げる。
隣を走るオーガスタスが、いつもの親しみやすい笑みを浮かべて顔を向ける。
「怖かったか?」
聞かれてレイファスは途端に顔を上げた。
「当たり前だ!
馬鹿みたいにでっかいんだもの!
オーガスタスよりも、ずっともっと!」
ローフィスは肩をすくめた。
「オーガスタスは仲間を傷付けるような真似はしない。
皆が怪我しないように、気を配ってる。
だから全員安心して動けるんだ」
やっぱりレイファスに尊敬の眼差しで見つめられ、オーガスタスはつい、照れくさそうに笑った。
「やっぱり、オーガスタスがボス?」
振り向くレイファスに、ローフィスは頷く。
「皆自然と奴を頼る。
ボスだと、名乗らなくてもいつの間にか、ボスに成ってる」
レイファスは感心したようにつぶやいた。
「初めからボスの器なんだね?」
ローフィスは頷くが、オーガスタスはもうそれ位にしてくれ。と言う様に、首を横に振って、シェイルに思い切り笑われた。



つづく。

宝石赤宝石緑 この連載を、始めから読む星


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 『野獣の初な恋心』『幼い頃』
の2008/6/11から
宝石赤

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