アースルーリンド外伝。テテュス編。『幼い頃』 12 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

アイリスはテテュスと、客室を訪れ、デニーが母親と食事をしているのを見、お休みを告げてその部屋を、出た。
「テテュス。私と一緒の寝台に眠らないかい?」
テテュスは変な、顔をした。
「だってアイリスは、怖いものは、無いでしょう?
とても勇敢な、騎士だもの」
アイリスは俯いた。
「でも、暗い窓が、怖いんだ。人間は怖く無いけど」
「カーテンを、閉めても駄目なの?」
「だらしないけど。何か得たいのしれない者が、やって来るかもしれないし、私はそういう者と戦った事が、無いんだ・・・・・・・・・」
テテュスは困ったように、言った。
「・・・じゃあいつも、どうしてるの?」
「神様に必死で祈って眠る」
「・・・なら僕が居る時は、一緒に、寝てあげる」
アイリスがその時、あんまりチャーミングに微笑むのでテテュスも、笑った。
彼のその笑顔は自分だけで無く大抵の人が向けられるとうきうきしたし、彼もとてもうきうきしたからだった。
アイリスはテテュスをやっと、思い切り抱きしめられた。
そういう嘘でも言わない限り、とっくに自立してしまった彼の幼い息子の、温もりすら感じる事が出来なくて、アイリスはつくづく自分が不出来な父親だと、嘆いた。
テテュスはだってその時まるで、アイリスを、抱き、護るような表情で、眠っていたから。
つづく。