アースルーリンド『ファントレイユとの出会い』地方護衛連隊長会議11 | 「アースルーリンドの騎士」

「アースルーリンドの騎士」

オリジナル  で ファンタジー の BL系小説。
そしてオリジナルのイラストブログ。
ストーリーは完全オリジナルのキャラ突っ走り型冒険ファンタジーです。
時折下ネタ、BLネタ入るので、年少の方はお控え願います。

ギデオンが自分を見つめてるのに気づき、マリーエルはつい、
「よぉ。仔ライオン」
と声を、掛けた。
ギデオンは何か言おうとして、言葉が無い事に気づいた。
マリーエルも気づいたようにつぶやいた。
「ああ・・・もう、右将軍だったな」
ギデオンは顔を上げて告げた。
「それはどうだっていい」
そして、自分を見つめ続けるかつての教え子に、疑問の視線を、向けた。
「何だ?」
ギデオンはそれは、躊躇した。
「・・・つまり、腕が痣だらけだろう?」
マリーエルは思い切り、ため息を付いた。
「多分な」
「やっぱり、強いな」
ギデオンがあまりに素直にそう言うので、ついマリーエルはつぶやいた。
「勝てると、思ってなかったがな」
ギデオンが呆れたように、顔を上げた。
「相手を仕留める気で、戦ってたんだろう?」
マリーエルは肩をすくめた。
「いや?・・・ギュンターの事を思い出した途端、猛烈に腹が立ち、気づいたら拳が、入ってた」
アイリスは戻って来て、それを聞いて呻いた。
「・・・ギュンターだと思って、殴ったんだな?」
マリーエルはぶっきら棒に告げた。
「そうかもな」
アイリスは、頷いた。
「ドーディンは、自分が受ける筈じゃない殺気を受けて訳も解らず敗北した。とても同情出来る状態だと思う」
マリーエルが、アイリスを見上げた。
「同情?」
アイリスは肩を、すくめた。
「だってギュンターなら、君の視線の理由は解った筈だ。ドーディンに解らなくて固まっても、無理は無い」
マリーエルは思い切り、憤慨した。
「この決闘は無効だと、言い出すなよ!」
アイリスはまた肩をすくめた。
「君が勝ったのは、こっちに都合が、いいからな」
マリーエルはそれを聞いて、調子のいいアイリスに肩をすくめた。

つづく。