都会の人混み

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こんにちは、もしくはこんばんは。


皐月 玲です。




先日僕は買い物をするために街へ繰り出したのですが、


大都会・東京は地元とは違い、
ずいぶん歩行者の数が多いため、


気をつけてはいても、肩や腕などが人にぶつかってしまう事があります。


先日、このような事がありました。


僕が人混みの中を歩いていると。


「ドンッ」という音と共に、


サラリーマンが後ろから思いっきりぶつかって来ました。


僕は吹っ飛びました。


まるで、【黒ひげ危機一髪】のようにボョヨヨーンとです。


思わぬ衝撃に体制を崩した僕は、

そのまま地面に転んでしまいました。


手をつきながら、
そのサラリーマンを目で追いかけると、


よっぽど急いでいたのか、
僕にぶつかった事すら気づかない様子で、
立ち去ろうとしていました。


若い頃なら、


『ちょっと待った!』と、


ねるとんパーティの番組のように挙手して、

その男性に熱烈なアピールをしたでしょう。

そして、文句の一つでも言ってやったでしょうが、


ワシもいい大人ですから。

追いかけることはしません。


そのかわり、心の中で『おのれ~!』とキリキリ歯軋りをたてていたのです。


そんな時です。


『大丈夫かい?』と突然声が聞こえました。

振り返ると、そこには年配の紳士が立っていました。

ダーク・グレーのハットをかぶり、
 
蓄えた黒いひげがとても似合う、

英国紳士風のその男性は、

優しい眼差しで僕に手を差しのべ。


グイッと手を引いて、立ち上がらせてくれたのです。


僕がお礼を述べようとすると、

彼はノンノンと言わんばかりに、
人差し指を立て、

左右にそっと動かし、


『 それでは、アディオス☆ 』と笑顔でつぶやき、


足早に去ってしまいました。

イッツ・アメージング!


なんてカッコイイ人なのでしょうか。


紳士のおかげで、

僕は都会の冷たい地面の感触を忘れて、
安らぎを取り戻すことができました。


そして、気をとりなおして買い物へ向かうことができたのです。







その後、街をウロウロとしていましたら、

帽子の専門店がありました。


普段でしたら気にも止めません。
ほとんど帽子はかぶらない僕ですから。


しかし、紳士のことを思い出して、

(ハットのひとつでも買ってみるか。)

と、そういう気分になったのです。


早速、店の自動ドアを通ると。
たくさんの帽子が並んでいました。


ハットのコーナーへ向かうと、
 

女性の店員が、男性と会話している姿が見えました。


その男性はどこか見覚えのある姿だったので、

目をこすり、まじまじと確認すると、


なんと!


あの紳士だったのです。


イッツ・アメージング!

この奇跡的な再会に、僕は思わず肩を震わせました。

どうしても先程のお礼を言いたくて、


紳士の方へと近づいて行きました。


すると、、


紳士『分かった!赤だ。』
 

店員『……。』


紳士『うーん、白かな。』


店員『イイ加減にして下さい。』

??

なんの話?帽子の話?

ワイン?それとも紅白歌合戦?

僕は首をかしげました。


紳士『教えてよー。イイじゃない。減るものじゃゃないしさ。』


店員『……。』


減るものじゃない?なんだ?

赤と白?

減る?減らない?

 

白血球?




紳士『何色なの!お姉さんの下着!』

 店員『警察呼びますよ。』



えええええええええええええ!!

はぁん!?

下着?

アンダーウェア?

赤か白かの二択までは辿り着いたの?

お赤飯!?


ハリケーンのような衝撃が僕の脳内で流れたのち、

辺り一面はシーンと静まり返ったのです。

そして、僕が驚くのが先か、

【警察】というワードに、

紳士が驚いたのが先か、分かりませんが。

まずいと思ったのでしょう。



紳士は慌てて、きびつをかえし。

一目散に逃げようとしました。

逃げる途中、「ドンッ」と僕と肩がぶつかりました。
 

またもや僕は吹っ飛びました。  


ボョヨヨーン。


そう。黒ひげ危機一髪のように。
 






その時。ハッキリと理解しました。

僕のような183㎝もあるデカブツは、

やはり、ぶつかりやすいのだなー。と。


なるほど。真実とは、かくもシンプルなものです。


僕は再び地面に叩きつけられました。

彼はもう手を差し伸べてはくれません。


慌てていて、僕にぶつかったことすら気づいてないでしょう。


警察を呼ばれる前に、そのままお店の外へ脱走してしまいました。

まさに、黒ひげ紳士・危機一髪です。




人間の優美に満ちたスマートな面と、

血湧き肉躍る漢(男)らしさ。


そんな二面性を、短時間で目の当たりにした僕は、

茫然としてしまい。
魂の抜けた人形のようになってしまいました。


その後、その人形(僕)は店員に勧められるまま、


ロシア帽のような物を買わされました。

お店を出ると、


いつもと変わらぬ街並みが、そこにはありました。

 


ロシア帽をかぶった人形(僕)は、

この一連の流れを府に落とせないまま、

虚ろな目でトボトボ歩いていると、

昔の友人にたまたま出くわしました。



『久しぶり!てか、メーテルじゃん!』
と言われました。




僕は思いました。
 

メーテルじゃないよ。。


気が、滅入ってるよ。。
 

僕と友人は、

その後、一緒に【ロシア料理店】へ行ったのは、

言うまでもありません。

おしまい。






※皆様も、人混みの中を歩く時は十分お気をつけください。

(哲郎も気をつけるのよ。)

二面性がある。

だからこそ人間って生き物は、

面白いのかもしれませんね。

僕達も生きてる中で

様々な自分を、

どれもこれも楽しんでいけたら素晴らしいですね。


引き続き12月も楽しんでまいりましょう。

それでは、アディオス☆