こんにちは、もしくはこんばんは。



皐月 玲です。



10月度応援してくれた方々。


そして、ハロウィンイベント参加してくださった皆様ありがとうございました!


皆様の大いなる優しさに感謝です。




先日のイベントの仮装に関しましては、


わたくしめ「何に化けるか?」と、


妖怪へんげも驚くほど、深く考え込みました。



そして、考え抜いた末、

誰もが分かる王道の仮装をしようと決めたのです。




しかし、王道に決定したら、したで。


気にしい皐月の心の虫が騒ぎはじめ、


〈底浅男と思われたくない…。〉


といった、それこそ底の浅い自意識過剰な想いが、ダムの水が崩壊したかの如く溢れ出てきました。



その為、かねてより。


松田優作、

渡哲也、

石原裕次郎

(昭和の熱き男 三賢台)


を理想の男像として崇拝してきたわたくしめも、



己の殻を破り捨て、


「よっしゃ!思い切って女装をするぞ!」と決意することになったのです。




しかし、女装とギャンブルとヒ◯ポンはハマると危険であるという言葉があるように──。




根がチキンなわたくしめは心中で、

壮絶な戦いがありました。



イベントの画像提出日が近づくにつれ、

女装をすることに対する、

なんともいえない妙な不安感が高まってきたのです。



それでも、意を決してメイクスタジオへ行くと、



迎えたのは意外にもガタイのいい男性スタッフ。



(最近は男性のメイクアップアーティストが増えているんだな。)



と思うや否や、



こなれた感じで早速、わたくしめを捕らえて、


未だ心の準備もできてないうちに、


強引に背中を押され、


鏡の前の椅子に座らせようとするじゃありませんか。


わたくしめは、まるで囚われの受刑者のような気持ちで、


観念して椅子に座りました。



緊張のあまり、

心の中で(なんみょうほうれんげっきょう)をぶつぶつ唱え始めているわたしめに向かって、



スタッフは

「気合いいれてやらせてもらいますね!」と、


無情にもスポコンのような圧の強〜い

挨拶を交わしてくるものですから、



とうとうわたくしめは、


まな板の上をぴちぴち跳ねてる鯉の心境から、


ようやく腹をくくり、覚悟を決めたのです。


そして、故郷(くに)の母を思い浮かべたのです。



今頃、母は。


息子は東京で営業マンとして華々しく活躍しているなどと、


純朴にもわたくしめの法螺話を信じ、


夜なべで手袋でも編んでいることでしょう。



「母上様。ご堪忍を。」



心の声でそう呟くと、


わたくしめは、だんだん涙が出そうになりました。



(さようなら、男として生きてきた日々よ。)




そのまま、


わたくしめのノスタルジックな思いはとどまること知らず、


さらには故郷の雪國の大地が、


パノラマ風景のように鮮やかに蘇ってきました。



──あの少年時代。


粉雪が舞いあがる白銀の世界。


無垢なゴンギツネ達が嬉々として駆け回り。


汽笛の音が辺りにこだまして。


立ち昇る汽車の黒煙。



(注※皐月は名古屋出身)




そんなわたくしめの、


望郷の念に駆られた困惑の表情に、


微塵も気付かないスポコン(ポンコツ)スタッフは、


「はい、はい、はーい!」


とあらゆるメイク道具を駆使して、


あれよあれよという間も無く



強引にわたくしめを、



ムーンプリズムパワー・メイクアップしてしまったのです!!



しかし、わたくしめ。先程までの気持ちとは変わり、


妙な安堵感を感じていました。



はて。



これは一体全体どうしたことでしょう。



抵抗する気持ちは完全に消え失せて。


完成が近づくにつれ、


心の底から少しずつ、

湧き上がる謎の昂揚感に包まれていました。



そして、硬直していた全身の筋肉は緩んでいき、


ロングヘアーのウィッグを被せられた、


その最期の瞬間には、、。



わたくしめの全細胞が歓喜の喜びに包まれていたのであります!!(まさに宇宙!)






…こうして、宇宙(女装)と一体化となった。


わたくしめは。



一介の中年男から、


〝花の子ルンルン″いや、


〝花の子レイレイ″へと生まれ変わったのです。





姿見に映ったその女形(おんながた)は、


故郷の純粋そうなゴンギツネとはかけ離れた、


〝ケバい女狐″のような形相をしていましたが。。。




しかし、良いのです。


わたくしめに悔いはありません。


だって天下のハロウィンですもの。



とにかく。わたくしめは。


こうして、新しい扉を開くことになったのです。





スポコンスタッフは、メイクを済ませると。


鏡越しのわたくしめと目を合わせて、

ニコリと笑い。


花の子レイレイである、わたくしめが、

一番聞きたかった言葉は言わずに、



「お会計はこちらでお願いしまーす。」


と、サラッと言いのけて、




入り口の扉の方へ

颯爽と消えてゆきました。






わたくしめと、伝票だけを残して。



コーーン(女狐の叫び)



おしまい。