分譲、仲介を問わず、不動産業者さんと話していると、ここ1年くらい皆さんが同じことをおっしゃる。
同じこととは、何かと言うと・・・・・、
「家を買うお客様が完全に2極化してきましたね。中間層のお客様がいない・・・・。」
TVのニュースなどでも「格差社会がどうの・・・・。」と、よく言われていますが、
間違いなく、日本は、格差社会になってきている気がします。
私達、分譲会社の世界で言えば、
「お客様に選んでいただけるよい家がつくれるかどうか?」
ではなく、
「家が買える(住宅ローンが組める)お客様に出会えるかどうか?」
という次元になってきているのです・・・・・。
せっかくお問い合わせをいただき、「欲しいんです!」とまで、おっしゃっていただいても、
自己資金をお聞きすると、「・・・・実は、ほとんどありません。」というお答え。
自己資金は、住宅ローンの審査に、実は、最も重要で、たとえ年収が高くても、自己資金のない方は、
「浪費家」という判断になって、金融機関から厳しい審査結果が出てきます。
「返済比率」を下げるためにも、自己資金はある程度なければならないのですが、
車のローンは残っていても、自己資金無し・・・・という方がとにかく多いのです。
それに加え、最近多いのが、勤続年数が2年未満・・・・というお客様。
また、正社員でない派遣社員のお客様。
金融機関のローン審査にとって苦しい条件のお客様は、どんなに私達が努力しても、
こればかりはいかんともしがたい・・・・のです。
お客様の気持ちとしては、
「このエリアに住みたい。」
とか、
「こんな住宅が建てたい。」
などと、夢のあるお話がしたいと思うのですが、それ以前に、
「そもそも、ローンが組めるのかどうか?」
という、大問題があるため、私達は、仕事柄、どうしても自己資金や年収をはじめにお聞きする
のですが、この段階で、とても前に進めない!という状態のお客様と、その後、「夢のマイホーム」の
打ち合わせを進めるわけにいかないこの哀しさ・・・・。
厳しい現実を「夢見るお客様」にどうお話すればいいのか・・・・本当につらい瞬間であります。
昔、ある分譲会社さんで打ち合わせをしていたら、お客様からのお問い合わせらしき電話が
こちらの分譲会社さんにかかってきて、その会社の女性スタッフが電話に出るなり
お客様にこう言ったのです。
「・・・はい。・・・・の物件ですね。あの、お客様のご予算は?・・・・はあ、無理ですね、ガチャン!」
なんというそっけなさ!
なんちゅうー無愛想な受け答え!
当時の私は、あっけにとられましたが、この話を別の不動産会社さんに話すと、
「でもね、Gさん。
たしかにそっけないかもしれないけど、不動産の世界は買ってくれる人だけがお客様なんだよ。
買えない人は、お問い合わせのあった、ただの人でしょ。」
たしかにそうかもしれませんが・・・・私は、お断りするの・・・・しんどいです。
お問い合わせくださるお客様が、予算に余裕のある方であってほしい・・・・と、毎回願いながら、
電話にでる日々です。