ホストのりょうの家に、
わたしは、月の半分以上は住むようになりました。

ある日。
掃除をしていたら、
りょうと女の子がキスをしてるプリクラを発見しました。

なんだかな…。
もう…

ホストだから仕方ないだろうけど、
イライラしてきて、
だんだんと腹が立ちました。

仕事から帰って来た、りょうに。 

(これ、なに?)と、プリクラを見せました。 

(太客…)
(は?客とキスするとか気持ち悪いんだけど?
しかも、ちゃんと隠せないわけ?)
(忘れてた)
(もう、みず出てくから)
(みず、待って)
(無理、もう知らない。
りょうなんか、好きにすればいい)
(ほんとに、ごめん)
(なんか、もう無理、まじで。)
(ほんとに、ごめんなさい)
と、
りょうは土下座をしました。

(お前が居ないと、俺ほんとにダメなんだよ…)
(ねぇ。
もしかして、その女から薬もらってる?)
(……)
(なんで何も言わないの?
もう、その女と暮らせば?
あんたなんか人間止めたらいいよ)
(なんだよ、それ)
(今の、りょうはカッコ良くない)
(そーやって、俺を見下すなよ)
(見下してない、ただ昔の方が良かった)
(どーゆう意味だよ)
(まあ、わたしじゃなくてもいいんだから、好きに生きていって)と、
部屋から出ようとしたら、

腕を捕まれ、ベッドに投げ飛ばされました。

(ヤラせろよ)
(嫌に決まってるじゃん!バカじゃないの?)
(お前が悪いんだよ)
(ハイハイ)
(好き!て言えよ?)
(なんでよ?)
(お前は、俺から離れるなよ)
(…)
(俺を一人にすんなよ…)
(泣いてるの?)
(俺だって、しんどいんだって…)
(うん、わかってるよ…)
(分かってないよ)
(分かるよ…)
(死にたい…)
(うん…。
りょう、大丈夫だよ。
りょうなら、また上がれるから)
(みず、一緒に死のう?)
(なに言ってるの?)
(遠くに逝こう)
(みずは息子がいるから…、
それは無理だよ)
(嘘だよ。冗談だよ。)
(うん)
(お前は、いい親だよな)
(そんなことないよ)


そのまま、
その日は眠りにつきました。

どうすればいいんだろう…。

どうすれば、
りょうは、
薬を止めてくれるんだろう。

わたしには、
その方法が分かりませんでした。


黒服の彼氏には、
りょうとの関係はバレていましたが…
りょうには、
バレていませんでした。

バレたら殺されそうです。
というよりも…
りょうを傷つけたくないような気持ちもありました…。

黒服の彼氏よりも、
りょうのことの方が、きっと好きだったのかもしれないです。

それか、
ただの母性愛だったのかも知れません。