邦題「ブリティッシュ・ロック誕生の地下室」を観た。
1960年代初頭、西ロンドンのフェリー・アスガリ（イラン人）が経営する
ライブハウス「イーリング・クラブ」からイギリスのブルースの大ブームが始まる
イギリスのブルースの父であるアレクシス・コーナーがその店のオーナーとの
話し合いからこの店での若者のライヴ演奏が始まる。
そこからストーンズを始めアニマルズ、ジョン・メイオール、クリーム、ザ・フーetcが育っていった。

内容はこのドキュメンタリー映画を観てもらいたい。

私の世代だとロンドンのライヴ・スポットと言えばマーキークラブしか

知らなかった。
60年代初頭からイギリスの若者にブルースの大ブームが起こったことは知っていた。
私の世代だとアニマルズ、ストーンズ、クリーム、ザ・フー、
ジョン・メイオール & ザ・ブルースブレイカーズなどのグループはリアルタイム
で聴いてきた。
イギリスのロックバンドは殆どが初期はブルースバンドだった。
ピンクフロイド、ムーディーブルース、ジェスロタール、ディープパープル等々
後のプログレやハードロック、アートロック、ニューロックと言われたバンドの
全身はブルースバンドだった。

私は当然ながら小学生の頃からベンチャーズ、ビートルズ、ストーンズはラジオから
流れてくる物は聴いていた。
中学に入る頃には初めてギターを手にする。
だけど酷い楽器で、クラシックギターにスチール弦を張ってある代物で
ネックは剃りまくり弾けたものでは無かった。
中学3年の頃に兄が持っていたスグレモノのフォークギターがあった。
弦高を調整できるギブソンのJ-160Eの真似をした春日のギターだった。
兄貴が留守の時を見計らって弾いてみたところ音が簡単に出た。
「なんだギターって弾けるんじゃないか！」
兄に見つからないように隠れながら弾いていたので集中力が違ったｗ
直ぐに兄貴のレベルぐらいは弾けるようになった。
当然ながら弾いていたのはアメリカンフォークと言われるもの、要するに
ブラザース・フォアとかＰＰＭのことです。

それと並行してラジオから流れる洋楽のベスト10に夢中になると
当然ながらロックミュージックが自分にとっても好きな音楽になっていく。
当時は私より少しばかり上の世代にベンチャーズのブームがあってテスコや

グヤトーンのエレキを持っている少数だが不良達がいた。
ただブームも去り物置に眠っていた物も多かった。
少し年の離れた兄が持っていた物置に眠っていたエレキギターを弟に引っ張り出して
もらい、それを使えるように修理して手製の真空管アンプで鳴らしたのが
私のロックギターの始まりだった。
当時はライトゲージでも3弦が巻き弦だったためにロックギターのように3弦の
チョーキングが出来なかった。
そこでヘビーゲージの2弦をライトゲージの3弦の代用にして弾いていた。
何の情報もない中で自分なりに中々のアイデアだと思った。
中3から高1になる頃にはクリームやツェッペリンをコピーしてすでに教則本など
無い中でペンタトニックのスケールには気がついていたのでコピーと合わせて
アドリブらしきものも弾いていた。

ブリティッシュロックに夢中になっていたが、奴らは結局アメリカの黒人音楽の
パクリから始まったことに気付き、その本物を聴き出したのが私のブルースギターの
始まりだった。
そこから並行して本格的に黒人ブルースやＲ＆Ｂ、アメリカンロック、
アメリカのホワイトブルース、ジャズを聴くようになっていったわけです。

だから今回のドキュメンタリー映画は非常に身近に感じる作品で、
観るべくして観た作品でした。
色々な音楽ドキュメンタリー映画を観てきましたが、これも面白い作品でした。
私の世代で知った1960年代中盤以降のブリティッシュロック、
それ以前の知らなかった創世記の話は自分の少年時代と重なるところもあって
興味深かったです。
私の生まれがもっと都会だったら人生が変わっていたかもしれなかった…

原題のジャケット

邦題のジャケット

British Rock - Born In Basement