昨日、上海で投資会社を経営している友人が、大変衝撃的なニュースがあると知らせてきた。つい最近も、四川大地震の数々のニュースやスナップに涙したが、これは今年に入り、2回目の悲しくも感動的な涙に咽ぶ出来事であった。
このニュースは河南商報という新聞に掲載されたものだが、ある中年の女性がスーパーマーケットの豚肉を万引きし、あっけなく捕まるという事件だ。しかしその後、そんな彼女の内情に警察とマスコミは言葉を失うことになる。
彼女が豚肉を万引きした理由は、2カ月も肉を口にしていない息子に肉を食べさせたいという一心からであったというのだ。その母親は息子に恥をかかせることを恐れるあまり、始終マスコミを回避し、盗みの現場を押さえられたという恥ずかしさとショックのあまり、頭を地と壁に打ちつけたという。
マスコミも、そのうち事件に関する取材を諦め、警察は彼女を無罪釈放とした。事件現場のスーパーマーケットはこの件につきこれ以上追求しないとし、社会は同情の目を向けた。報道によれば、彼女は南陽出身であり、子供の高校進学のため鄭州に来たという。しかし、学費などにより逼迫した家計は肉の値上がりに追いつけず、やむなく2カ月の間肉を買えずにいた。そこで彼女は、母親としての息子に対する後ろめたさ、あるいは申し訳なさから、肉を盗んででも食べさせてやりたいという思いに駆られ、実行に移してしまったのだ。ただ、彼女は常習犯ではなく、素人のために簡単に発覚、派出所に連行された。
一人の不幸な、絶望の淵にある、そして愛に溢れた母親は、たった少しの肉を盗んだがために盗人になり、捕らえられ、自らの理性を逸した行為に代価を支払う羽目となった。恥ずかしさのあまり死を選ぼうとしたこの母親が、頭を地や壁に打ち付けた際の音と衝撃が、まるで私の心に突き刺さるようであった。このニュースを目にした人々の良心にもその痛みを含んだ振動は伝わっているはずだ。
私たちはこのような母親に対し、あるいはこのような盗人に対し、金を稼ぐ能力の無さを責められるだろうか? それとも肉の値上がりがあまりにも急激であることに原因を見出すのか? 社会保障の整備が行き届いていないことを責めるべきなのだろうか?
さらに深刻なことは、彼女のような肉を盗むほど生活が困窮している人は、一体どれくらいいるのであろうか? 将来的に増加傾向を辿ってしまうのか? 株価の暴落により、中産階級の人々の財布の紐が緩むことはない。また、急激なインフレのため、北京の野菜の価格は7月初めの一晩の間に50%も膨張した。
国家発展・改革委員会(発改委)が年始めに発表したところによると、今年のCPI(消費者物価指数)は4.8%を目処とするということだった。現実はそれほど甘くなかったことは今年の今までのCPI数値を見れば一目瞭然。インフレなど何処吹く風という金持ちがいる一方、ある母親は、人間の尊厳を失ってまで盗人にならざるを得ない社会がここにある。
確かに、この母親に対して十分同情はするし、今の急激な物価上昇に対して一般人は指をくわえて
見ているだけしかない状況に憤りさえ覚える!
反省している母親を、無罪釈放にするのも納得する。しかし、この話が感動的な話だろうか?
2ケ月豚肉食べていないと言うけど、毎日魚食べていないやろうな~。卵とか。
アフリカの人達で、肉が食べられない人よ~けおるんと違うん!
子供に豚肉を食べさせたいと思っている、他の貧しい親は盗みをしているのか?貧しければ、盗んでも
いいのかと思ってしまう・・・。
今の厳しい社会状況の中、こういうニュースがありましただけでいいと思うんですが。