シュトレンは、ドイツの菓子パン。これを俺はドイツ在住時から大好きだった。
キリスト教でクリスマスイブまでの4週間をアドベントと呼び、イエス・キリストの降誕を待ち望む期間として過ごす。
その期間に薄くスライスして少しずつ食べる保存食がシュトレンだ。
通常のパンは焼きたてが最も美味しいのだが、シュトレンは時間がたつほど味わいが豊かになる不思議なパンだ。
「私のシュトレンには、パン生地にドライフルーツを混ぜこんで最後に”愛”を少々加えるの」(真夜中のパン屋さん: 大沼紀子)
その"愛"とは「キャラウェー」。恋人たちの心を引きつけて、愛情を永続させるロマンチックな魔力があると信じられていたスパイス。
人だけじゃなく、物も引き留めておく力があって、大事な物にキャラウェーを入れておけば盗られないという言い伝えもある。
恋人たちの心を引きつけて、愛を永続させ、熟成するほど味わいが豊かになる。
なんてロマンチックなパンなのだ!
そういう男に、俺はなりたい!
そういう男に、俺はなりたい!
街でシュトレンを見かけ、買ってみた。
今宵は一切れ食べてみる。
甘酸っぱい味わいは、恋の味。
噛むほどに、味が深く豊潤になる。
噛むほどに、味が深く豊潤になる。
W不倫の五十路人妻さんを想う。
噛むほどに熟成の味わいがある。
噛むほどに熟成の味わいがある。
ロマンチックな気分で、今宵はおやすみなさい。