現段階の私の構想していることを転載します。以下は、「第60回全国レクリエーション大会inおあもり」の「公募セッション」で提案したことです。


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読書へのアニマシオン・読書プレイフェア・読書プレイアロング
   ~ 競争しないで 本・お話・ことば で遊ぶ ワークショップ ~(1)


 九州大谷短期大学

  表現学科情報司書フィールド助教授


  穴見 嘉秀


 1 レクリエーションとしての読書


 余暇・自由時間をどう過ごすか、―――これは今日的テーマです。さまざまな過ごし方があります。読書もそのひとつです。
 読書といえば、気晴らし・娯楽・リフレッシュという意味でのレクリエーション(rec-re-a-tion)としての読書が一般的ですが、レクリエーションのもうひとつの意味、再創造(re-criacion)とも関係します。読書は、紙に活字が印刷された単なる物体である本に命を吹き込みます。読み手の想像力で物語が再び創られます。あるいは自分の声で、体で、本に命があたえられ、再創造されます。それに加え、自己の再創造も行います。本を読むことにより、自分自身を新たに創造し、自分の精神を創造するのです。


 個人で再創造(re-criacion)する一般的な読書に対し、今回、ここで提案する「読書へのアニマシオン」・「読書プレイフェア」・「読書プレイアロング」 は、集団で、遊び(rec-re-a-tionし)ながら、再創造(re-criacion)する読書です。今までになかった形の楽しい読書会、楽しい言葉遊び・絵本遊びという点で読書レクリエーションともいうべきもの、文化・学習分野でのレクリエーションの新たな一領域として位置づけていいのではないかと思っています。

 

2 読書へのアニマシオン


 スペイン語のAnimación a la lectura (アニマシオン・ア・ラ・レクツーラ)。これは「読書へのアニマシオン」と訳され、今、日本でも、学校関係者、図書館関係者の間ですこしずつ広がっています。Animación(アニマシオン)は、「元気づける」という意味を表す動詞animar(アニマール)の名詞形で、「元気づけ」「活性化」という意味です。 aは、英語でいえばtoにあたる前置詞です。laは、 冠詞。女性単数形の名詞につきます。lecturaは、女性単数名詞で「読書」と訳されます。したがって、Animación a la lectura(読書へのアニマシオン)とは、あえて詳細に訳せば、「読書という行為に向かっての元気づけ」ということになります。参加者がコミュニケーションを楽しみながら、アニマドールという指導者のもと、遊びの感覚で、本の世界を発見する(理解し、楽しみ、深く考える)手助けをする活動です。


 読書離れ、活字離れが進む中、20数年ほど前、スペインで生まれた手法であり、スペインでの推進グループのひとつに、1993年、子どもの本の普及に尽くした団体に贈られるIBBY朝日国際児童図書普及賞が授与されています。そのグループの代表の本が1997年に『読書で遊ぼうアニマシオン』、2001年に『読書へのアニマシオン 75の作戦』という書名で翻訳出版され、2000年、国立教育政策研究所がその著者を日本に招いて、講演や読書へのアニマシオンの実演をされ、さまざまな実践書がでていることから、すこしずつ日本でも注目されてきているところです。


 私は、2001年12月、縁あって、スペインのマドリードに行き、このグループのアニマシオンセミナーを受講してきました。また、スペインの本屋で、このグループ以外で、日本でまだ紹介されていない読書へのアニマシオンの本を購入してきて、その後5年間、読書へのアニマシオンの日本でのありかたを研究しています。また、5年前から、九州を中心に全国各地でワークショップや研修会の講師をしてきました。

 読書へのアニマシオンについては、今、日本ではいろいろな立場で、いろんな実践が広がっています。しかし、まず読書へのアニマシオンの本質を正しく理解した上で、日本での読書へのアニマシオンを考えていくべきではないかと私は思っています。


(つづく)

(文責:穴見嘉秀(あなみ よしひで)@九州大谷短期大学表現学科情報司書フィールド助教授  a73@nifty.com )