「空母いぶき」を観て | 堀野 たかしの社会ブログ

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先週の金曜日の午前、「空母いぶき」を観た。観客は20人ほど。あまりヒットしていないのかなぁ。
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今の日本の安全保障の実状をよく表現している映画だと思った。
第二次世界大戦による死亡者は約3600万人、戦傷者の数はそれ以上。
我が国に限っても戦死、戦災死者数は約300万人、被災者は約1000万人。国土は極度に荒廃し、多くの都市は廃墟と化した。
日本国民は平和を切実に願い、非戦の誓いたる憲法9条に諸手を挙げて賛成した。
しかし、GDP世界第三位の日本が、自国の防衛を他国に依存するのはおかしいのではないか、我が国が安全保障を委ねた「平和を愛する諸国民」はいずこにいるのか?などという疑問が生じた。
そこで憲法9条が禁止しているのは侵略戦争であり、防衛戦争は禁止されていないと政府の見解も変更され今に至っている。
つまり、現在の日本の安全保障は「非戦の誓い」と「防衛戦争肯定」のはざまで揺れ動いているといえよう。
「空母いぶき」はこのような状況の下、日本が侵略されたらどう対応すべきかをシュミレーションした映画であるといえる。
東亜連邦なる架空の国に侵略された我が国は、自衛隊を出動させる。これはまさに防衛戦争であり、できるだけ多数の兵力により敵を殲滅すべきであると考えるのが当然である。
しかし、自衛隊は妙な戦い方をする。
①政府から「今後の外交交渉に影響する戦闘は極力回避されたい」という命令が戦闘部隊に与えられる。極めてあいまい不明確な命令であり、現場としては、どういう戦い方をすればいいか悩んでしまう。
②自衛隊の潜水艦が、敵潜水艦を撃沈できたのに、体当たり攻撃をし、結果、魚雷が発射され護衛艦「はつゆき」に命中。多数の人命が犠牲になる。
③いぶきにミサイルを発射した敵駆逐艦を撃沈せず、護衛艦「いそかぜ」の主砲で無力化するにとどめる。あやうく「いそかぜ」に敵弾が当たりそうになるがぎりぎりで回避される。
これらは、第二次世界大戦終結時の「非戦の誓い」に縛られたせいである。こんな手足を縛られたような戦い方を強いられたら、相手が「やるかやられるか」で来る以上、勝てないであろう。映画だからこそ日本は救われたが、現実には、侵略を許すことになり、自衛官のみならず国民の身体・生命・財産にも危険が降りかかってくることになる。
さらに、映画では最終的には国際連合が介入し、戦火の拡大が防がれた。しかし、国連が介入して侵略が防がれた例は現実には存在しない。国連が仲裁してくれるというのは幻想である。集団的自衛権は使いつつ、基本的には自分の国は自分で守るというのが国際的常識・現実である。
世界の軍隊が解散し、国連軍が創設され国連による安全保障が確立されたら、喜んで「非戦の誓い」を遵守できるが、「平和を愛する諸国民」が存在しない現状では防衛戦争をする心構えは必要であるといえるだろう。
その意味で、この映画は危険でさえある。なぜなら、「侵略されても、日本は敵に決定的なダメージを与えるような戦闘はせず、国連の救済を待つ国です」というメッセージを発信し、日本に対する侵略を誘発する危険すらあるからだ。
この映画の国際的評価を知りたいものだ。おそらく、世界は日本人をファンタジーの世界で生きる人種だと評価するだろう。
 
 
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