昔の上司が職場に来た。
私の顔みると、
「おー、久しぶりやなー!元気やったか?」と言ったあとすぐに
「そういえば、どうしてるのかずっと気になってる人がおるんやけど。」
と言い出した。
その上司と仕事をしたのはもう20年近く前にになるので、その間ずっと気になっているのは、あの時仕事を辞めたOさん?それとも病気で休みがちだったGさん?と色々名前を出すが一向にヒットしない。
上司が
「違う違う!ほらアルバイトに来てた綺麗な子。」
と言ってやっと色々蘇ってきた。
そのアルバイトさんは、本当に綺麗な人で、たまたまその人と同じ苗字だった私はその上司からややこしいからAとBって呼ぼうかなと言われ、当然後からきたアルバイトさんがBなのかと思っていると私がBなのだった。
私がなんでやねん!と怒っていると、周囲までもが
「仕方ないよ、彼女ほんまに可愛いもん。よかったやん!Dじゃなくて」とさらに私の傷口をえぐり、私は可愛いって無敵だと思い知らされた。
その上司は失言が多かったのだが、結婚式でプロに化粧を施された私を見て開口一番
「おー!見間違えたぞ!」と言った事を私は一生忘れない。
私は、「ありがとうございます」と笑いながら
心の中で『見間違ってどーすんだ⁉️それを言うなら見違えただろー‼️』と毒づいていた。
あの当時、怒鳴り散らしていた上司は今では孫の話を目を細めてする好好爺となっており別人のようだったが、今でも交流のある美しいアルバイトのAさんは相変わらず綺麗なままである。
それにしても、いまだに気になっているのが苦楽を共にした私達ではなく美しいアルバイトさんというところに、可愛いって無敵だなという事を改めて思い知らされた私だ。