愛は言葉の壁を越えるのか -197ページ目

ホワイト・デー

以前、バレンタインの話をした折に

日本のホワイトデーについて説明してみました

彼は日本の伝統にのっとって(?)

バレンタインデーの1ヵ月後に

お返しをしたいとのことでした


数日後、彼はインターネットのショッピングサイトのうち

ダイヤモンドのリングがたくさん並んだページを見せて

興奮した様子で申し出てくれました


When you will have decided which one you like most

and also when you will be sure about the size,

I will only have to buy it!


…って

でもホラ、そこにはもちろん値段も提示されているわけだし

ダイヤのグレードも記載されているし

わたしは前職のせいでそのあたりについてやたら詳しいので

SI3 だなんてうさんくさいモノを見るとちょっと眉根が寄ってしまうし

ううーん、選べない

というか正直言ってこれといって欲しいものがナイ


そもそもわたしにとっては

贈り物って相手が選んでくれる、という点が嬉しいと思うし

自分の気に入ったものは自分で買うからいいや、という気分


一方彼にとっては

「わたしが気に入ったもの」を買う、というただ1点が非常に大事だそうです

いわく


only one thing is important to me : you must love it


いちおう自分の希望については

言葉を尽くして説明してはみたものの

そこはお互いに大事と思うポイントが違うわけですから

仕方がないですね


それであれこれ考えた末

別のアプローチをしてみることに


「ダイヤモンドのエンゲージリングではなくて

誕生石のリングが欲しいといったら、どう思う?」


エンゲージリングを辞退したと受け取って

気を悪くするかな?とちょっと心配していましたが

予想に反して大賛成


I prefer that.

Not because it is less expensive but because it is more personalized.

It is more a ring for you, according to your birth,

It is far more personal. I love that idea!


わたしの誕生石はガーネット

かねてより自分の誕生石のリングをひとつほしいと思っていたのでした


この石はいろいろな色のものがあるけれど

色もデザインも地金もなんでも構わない、と話して

サンプルの映像をひとつ貼り付けました


そこで彼はまたその画像を見て


The ring you showed me on website is the one you want?

I love it! I will buy it online!


そうきたか…

そうじゃなくて

何度言ったら伝わるかしら?


ウェブサイトでわたしが選んでアナタがお金を払う、のではなく

できればあなたの街であなたが良いと思うものを

選んでもらいたいんですけど


同じ話を繰り返してもイマイチうまく伝わらない気がしたので

今度は

「開けてみてビックリしたいからどんな物を選ぶか言わないで」

と言ってみました


わかったかなあ?

でもまあいいか


ところが最後に


this year, March 14th is a sunday so I cannot mail it at that date.


と言われるに至り

あれっ?14日に届くように送ってくれるわけじゃないの?

とここでもまた見解の相違に気づいたのですが

もう説明するのが面倒くさくなり

いつでもいいや~、となりました



ウェブカメラ

バレンタインデーの2日前の2月12日

ちょうどチャットをしている最中でした

彼は少し席をはずして戻ってくると


Sorry, I was answering the door
The postman
I received mail from Japan


わたしが2週間前に送った荷物が届いたとのこと


割れ物を送ったので心配していたわたしは

すぐに開けて中身を確かめてほしかったのですが

彼は14日まで開けない、と言い

結局14日の夜(あちらでは朝)に、ウェブカメラを使って

一緒に(?)開けることになりました


ウェブカメラというものは

彼とチャットをするまでは知りもしなかったのですが

なるほど便利です


お互いの表情が見えるのはもちろんですが

わたしはそれよりも

カメラの向こう側に

彼が生活している様子を垣間見ることができるのが

ちょっといいな、と思っています


ときどき彼の息子がカメラの前を横切って

手を振ってくれたり

窓のカーテンが風にゆれるのが見えたり


相手がちょっとカメラを動かすと

部屋のほかの部分が見えて

ソファや机や本棚なんかが見えたり


そういう小さなことって

14時間の時差を越えて

相手を近く感じることができます


ただし、こちらのカメラを起動している場合には

同様に相手からこちらの部屋も見えるわけですから

背後に干してある洗濯物を(冬はどうしても部屋干しが増えます…)

あわてて片付けたり、なんてこともありますが

オヤスミ

チャットをするのはたいてい夜です

時差は冬時間でマイナス14時間


わたしが夕食とお風呂を済ませて

パソコンの前に座る午後10時頃は

あちらでは同じ日の午前8時


1時間くらい話をして

じゃあおやすみなさい、というときに

あっ、そうだ あちらは朝だから

今日も一日気をつけて、よい一日を、となります


彼はというと good night とは言わずに

いつもきまって


have a beautiful night


といってくれます

それだけなんですけど

とても気分良く布団に入れるから不思議です


日本語で言うとせいぜい 「良い夢を」 といったところでしょうか

それでも実際の日常会話でそんなふうに言うことは

カップルの間でもまれだと思いますから

そこは外国語でのコミュニケーションならではの

利点かな?