『麗しのサブリナ』....これを語らずして.... 1954年度 | 吐夢の映画日記と日々の雑感

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懐かしい名画、最近の気になる映画のことを
日記形式で書いています。
戦前のフランス映画が大好きです。
基本、鑑賞後の感想ですのでネタバレが殆どです。
ご了承くださりませ。

 

    『麗しのサブリナ』

 

     

 

 

どうして、今まで取り上げなかったのかしらん。

 

この作品はもう、

 

ファンが大勢いらっしゃるし、

 

たくさんの方がすばらしいレビューを

書いていらっしゃると

思うのですね。

 

ストックしている手書きの

映画のうち、未投稿のサブリナを

整理して書きますね。

 

映画ブログを持つ者として   

避けてはならないと思う作品。

 

 

ビリー.ワイルダーと言えば

以前紹介したように

話術の名手である。

 

お熱いのがお好き、アパートの鍵貸ますと

いった名作は

全て話術の名作と言っても良いでしょう。

 

この作品もおしゃれなラブ.ストーリーには

違いないんだけれども

所々に人情の機微に触れるセリフが

散りばめられた映画です。

だから,

少女が見れば 

夢見るシンデレラ.ストーリーだけれども、

 

年配者にはワイルダー作品の妙味を

味わえる作品となっています。

 

オードリーの魅力に溢れた映画であると共に

ワイルダーの腕の冴えを観たいものです。

 

ストーリーはいわゆる

 

シンデレラストーリーであるが

ふたりの兄弟の粋な間柄、

 

父親は一見頑固そうに見えて、

酒とタバコを夫人に隠れてたしなみ、

兄弟の恋愛を内心、結構楽しんでいる。

ウオルター.ハムデンが演じています。

 

不器用な兄にボギーを据え、プレイボーイの弟に

ウイリアム.ホールデンを。

(第十七捕虜収容所でワイルダーと組む)

 

サブリナの父親に”ダイヤルMを回せ”の名刑事役の

名優.ジョン.ウイリアムスを。

 

これだけのセッテイングに守られての

オードリー=サブリナである。

 

夢見るサブリナ映画ならずとも

 

面白くないはずは無いのである。

 

もちろんオードリーは息を呑むほどに美しい。

モード雑誌から抜け出たような....

 

簡単なストーリーを書きますと、

 

 

財閥のララビー家のお抱え運転手の娘サブリナは

幼い頃からプレイボーイの弟、デヴイッドに

憧れていた。

 

 

彼の仕草、行動と一部始終を見て育った。

 

 

 

サブリナの存在など気にならない兄と弟。

 

 

父親は娘をパリの料理学校へ二年間送り込む。

その間に忘れるだろうと。

忘れるどころかサブリナは

 

見違えるほど洗練されて

戻ってくる。

デヴイッドに見てもらいたくて、わくわくとして。

 

  

 

 

 

案の定、デヴイッドは見違えるほど

美しくなった彼女に一目ぼれした。

 

 

 

 

 

が、彼は中米一のさとうきび農園の娘と交際していた。

兄ライナスはその農園王と手を組んで

新らしい事業計画を進めていた。

 

そのため、何が何でもサブリナとの恋を

壊さねばならない。

 

そして、サブリナをき傷つけずに。

 

デヴイッドにわざと怪我をさせ、代わりにライナスが

当分サブリナのお相手をすることになった。

 

 

 

彼女をひとりパリへ追い払うつもりの計画が、

ライナスもサブリナに惚れてしまった。

不器用な彼ではあったが、

サブリナもこの兄のライナスの誠実さに

段々惹かれていくのだ。

 

 

そしてひとりパリへ行くことになったサブリナを

後からタグボートで追っかけるというストーリーである。

 

ここで紹介したいのは、★数々の名セリフ★である。

 

★料理学校に行ったサブリナが定期的に送ってくる

父への手紙をララビー家の料理長や、

メイドたちと一緒に読むのだ。

 

 

”なんて書いてある?デヴイッドのことは?”

と聞くメイドのジェニー。、

 

  父は読む。

 

  ”デヴイッドのことはもう考えません”(サブリナ)

     ”夜以外は”ときた。

           

    ”まずい!”と料理長。

 

 ”彼の写真は破きました”  

 

   良かった”と父。

 

 ”セロテープを送って"

 

  ”???”(困った顔)

 

★ライナスはどうしてもデビットを

 

とうきび農園王の娘と結婚させたい・

 

デヴイッドに見せますね。

さとうきびを使ったプラステイックが

如何に素晴らしいか・・・

 

ライナスは誇らしげに喋り捲る・・

 

 

 ”このプラスティックが

 弾力性に富んでいて強い、

  銃で撃ってもびくともしない。

  燃えない焦げない,溶けない。”

     とデヴイッドに舐めさせた・

 

    ”甘い、??  読めた!”

 

    とデヴイッド。

 

 ”よって中米一の、とうきび農園の娘と

 

   結婚しろ!”とライナス.

  

  ”まだ彼女に求婚もしちゃあいない!” とデイヴ。

 

   ” 私が求婚し、彼女の父が承諾したよ。”と

     ライナス・

     

  ”じゃあ、彼とキスを?”とデイヴ

 

 ”ホットドッグ屋の息子と菓子屋の娘の

 

   結婚じゃあない。

 

 今度は 家族が全面的に

 賛成する唯一の結婚だぞお。”

   

秋の収穫の前に式を挙げたい”とライナル。

 

このあたりの運びは上手いですねえワイルダー監督 

 

★パリの料理学校では

デヴイッドのことばかり考えて失敗ばかり。

学校で知り合った男爵に言われましたね。

 

スフレを焼いた時に...

 ”幸福な恋をしているものは焦がす、

 

恋に破れたものはスイッチを(オーブン)

 

   入れ忘れる”と・

 

★そしてパリから帰ってきたサブリナに

 

   父は

 

  ”月には手は届かん”と言いますね。

 

  サブリナは

 

 ”違うわ!月が手を差し伸べたのよ” と言うんですね。

 もちろん月はデヴイッドのこと。。。

 

パリからつれて帰ったワンちゃんの名は

 

デヴイッドでしたね。

 

 

★そしてサブリナの心がライナスに傾き始めたころの

食事のシーン。

 

ライナスがひとりでパリ行きを

 決心したように見せるくだりですね・

 

  ”パリでは最初の日が一番大切よ。

    雨を降らせるの。ドシャ降りの雨よ。

     パリ娘とブローニュの森をドライヴするのよ。

     雨の日のパリが一番いい匂いがするわ・

      クリの木の匂いよ。

   あなたなら雨ぐらいすぐに降らせられるわ”とサブリナ・

 

  ”雨なら降らせられるし、タクシーも拾える。

 だが可愛い娘が見つかるかな。”  と

    暗に サブリナへの思いをさり気なく振りましたね・

  

   ラビアン.ローズの曲に合わせて踊るふたり。

 

ここで決定的にサブリナはライナスの虜になっていった。

だからもう会うのが怖くなる..サブリナ。

自分の心を覗くのがこわい。

 

 

 

書きたいセリフは山とあるのですが、切りがありませんので

このくらいに。

 

🌠🌠

1.最初は男性どもは彼女の存在を恋の対象として見ていません。

ーー今回もそうでしたね、二人とも。---

 

2.途中でお守りをさせられている事に気付きます。

ーーーライナスはしっかりとお守りをしましたねーーーー

 

3.最後に気付いたらすっかり彼女の虜になっていた。

  ---ライナスも最後の最後にみとめましたね!---

 

 

ローマの休日も、昼下がりの情事も、

麗しのサブリナも、パリの恋人も

パリで一緒にも、シャレードも、全部そうなんですね。

 

親娘ほど年の離れた相手役..これが当時、若い人にも

年配者にも(男性側に感情移入してた)受けた理由でしょう.

 

★オードリーは言っていました。

 

共演した男優ではゲーリー.クーパーが

 一番印象が強かったそうです。

シンプルで、人柄が良くて,彼が演じると何でも良くなる。。。

そんな人でしたと。

 

 

ケーリー.グランドもそうでした。(このひと二番目)ハハハ。

 

あのふたりは映画の旧いお殿様みたいでした。真の紳士でした。

すぐに成功する事ばかり考えている人たちが多い中で

あのふたりは特別に真面目で紳士だったそうです。

 

デビュー第二作目の麗しのサブリナ...

さあーますます美しくファッショナブルになっていく

   オードリー。

<パリの恋人>で、初めてジバンシーのデザインを

身にまとうのですね。

 

それからですね、

世界のファッションを本格的にリードしてゆくのです。

 

 

 

 

 

1950年代から1960年代の映画雑誌の

オードリー関係の切り抜きは私も

漏れずやっていました。

 

私たちの若い頃はまだ,通勤にはスーツという

 

ご時世でしたから、

 

お洋服は

仕立ててもらってる時代でした。だから、

その写真のデザインを真似て

あつらえてもらっていました。

 

私もやせっぽちで,

 

チョンギスという渾名でした。(キリギリスのこと)

 

すぐに卒業しましたけれどね。

 

その後、少し大人になると、

ローレン.バコールに

移行しましたけれど。

 

リアルタイムの頃はハリウッドでは

それまで、

肉感的な女優さんが比重を占めていたから

観客にとっては彼女の出現は新鮮であったし、

 

同じ女優達にはやせぎすの彼女はライバルとしての

対象にならなかったこともラッキーであったようです。

 

それ以降、今に続く彼女の人気は

性の解放によって,つつしみの無い映画が氾濫しだした中、

彼女の清純さが珍重されるのだろう。

 

そういう意味では最初で、最後の女優であると思う。

 

★日本で小津映画が見直されているのと同じように、

つつしみのある映画が恋しいのかもしれない。★

 

原作 サミュエル・テイラー

監督 ビリー.ワイルダー

衣装 イデス.ヘッド  

   (アカデミー衣裳デザイン賞受賞)