《夏の嵐》


裏切った恋人への仕打ちーー女の怨念は怖いーー

 



こんばんは。
 

いつもご訪問いただきましてありがとうございます。
 

スカパーでルキノ・ビスコンティ特集をやっています。
 

そこで、叶夢でも
 

ルキノ.ヴイスコンテイ監督作品を2,3本取り上げてみましょう・・
 

叶夢のページで過去に取り上げた作品は、
 

(山猫)、(若者のすべて)、(ベニスに死す)ですね。

ヴイスコンテイ・・・
 

父親が貴族という由緒ある家柄の出でありながら、
 

それに反発してか、小さいころから演劇が好きだった彼は、
 

フランスに行ってジャン.ルノワールの元でしっかりと勉強したようです。

イタリアの歴史劇といいますか、これぞイタリア精神だというような魂の映画を
 

作りますね。
 

で・・・とっても怖い。
 

だけど、好きな人はのめり込む何か・・魅力があるんですね。

1942年、36歳という遅咲きのデビューですが、
 

作るたびにどんどん怖くなってきます。
 

怖いといってもホラーの怖さではなく、魂、さが、心、
 

こういったものをエグル怖さなのです。

映画としての格調から言えば、この人の作品を観ずして
 

映画を語ることはできないといっても良いと思います.

ヴイスコンテイーはこの≪夏の嵐≫によって世界に注目されたといって
 

良いでしょう。

この作品には、以前紹介した≪第三の男≫ーー英国、
             ≪かくも長き不在≫ーーフランス
             ≪パラデイン夫人の恋≫‐‐米
 

に出演、主演したアリダ.バリがアメリカの
 

フアーリー.グレンジャー《見知らぬ乗客やロープに出演》と共演しています。

イタリア、本拠地での映画参加なのですね。

この映画では脚色にもヴイスコンテイが加わっていますが、
 

手直しをした人はなんとあのアメリカのテネシー.ウイリアムズ
 

なのです.

だから観ていてテネシー.ウイリアムズの映画の怖さも
 

感じられるのですね。
 

この組み合わせがまた、不思議であり、魅力的でもある。

 

《山猫》にも負けない豪華絢爛のすばらしいセットである。

さあーどんな怖さなのでしょうね。

ストーリー

1866年,その頃、イタリーはオーストリア軍が
 

侵入していてベニスを占領していました。

しかし町にはオペラも上演されれば、
 

レストランも営業していました

リビアという綺麗な女性がいました。バリが扮しています.

良人と一緒にオペラ鑑賞に来ていましたが、
 

良人は自分の営利の為にオーストリア軍と手を組んでおりました。

リビアはイタリア人としての誇りからそのことを
 

快く思っていませんでした。

上演後三幕目。”剣を取れ,剣を取れ”という場面があるのですが
 

 ちょうどそのセリフが語られた時に客席最上階のほうから
 

ビラが舞って落ちてきます。

オーストリアに反抗するレジスタンスの仕業です。
 

そのリーダーはリビア伯爵夫人のいとこでした.

一方、オーストリア軍の若い美男子の中尉フランツという人物が、
 

来ておりました。フアーリー.グレンジャーが扮しています。




”イタリア人なんか紙の兵隊みたいなもんだ”と言ったところ
 

レジスタンスのリーダーはフランツに決闘を申し込みます。



それを止めたのがリビア夫人でした.
 

そのことがきっかけで二人..。リビアとフランツは急速に
 

親しくなるのです。



フランツを忘れられなくなったリビアは彼の兵舎まで
 

押しかけて会いに行きます。

フランツという男のなんとも言えない不思議な魅力、情熱に
 

段々想いはエスカレートしていきます。

フランツもリビアに魅かれ始めます。

さあーここまではどこにでもあり得るような恋の始まりですが..

この夫人はフランツに逢って初めて恋の喜びを知り、
 

無我夢中になります.ある日彼女は自分の髪の毛を挟みで切って
 

胸のロケットに入れて
 

”これは私の命、フランツ、これをあなたにあげます”と
 

告げます.

それから、ふたりのロマンスは進み、話を飛ばします。
 

やがて、フランツはリビアの家までやってきました。
 

彼女も兵舎へ通いました。他の軍人たちが影で噂をしているのも
 

かまわずに.

 



そして何度目かに兵舎を訪ねるとノックをしても返事がない。
 

ドアをあけるとテーブルの上には
 

ロケットが捨てられ、髪の毛も散らばっていました。
 

”フランツがわたしの命を捨てたままどこかに行った?
 

そんな筈は無いわ.”...

男は女からお金を絞れるだけ絞って逃げました。

フランツはそんなに悪い男なのか?
 

彼もリビアの介在しない所でなにかと
 

闘っているようにも見えるのですよね.

オーストリアの軍人がイタリアの貴族の女に肌を許した。
 

男の恥だ。だがリビアがいないと俺は生きていけないのか?
 

煩悶する彼の姿が伝わってきます。

置手紙を見たリビアは男の元へ馬車を走らせます。
 

道中は弾丸が行き交い、道はがたがた、なりふり構わず進む彼女.
 

服はボロボロになり、泥まみれで彼を探し当てます。
 

汗と疲れで化粧も崩れ、それでも会いたい一心のリビア。

彼がわたしの訪ねて来たのを見てどんなに喜ぶだろう!と
 

胸を弾ませてドアをあけました。

部屋の奥のベッドに寝ていたフランツは驚いたような
 

困ったような顔をしました。
 

”フランツ!”と抱き付こうとするリビアに
 

彼は不敵な笑いを投げかけました。

”あんたのお金でこの家を買いましたよ。今、あんたのお金で
 

楽に暮しています。軍隊はあんたのおかげで
 

居辛くなってとうとう脱走しましたよ。もうオーストリアも
 

軍もどうでもいい.見つかったら大変なんだ。”

そして隣の部屋から可愛い女のこが出てきました。
 

”この女も奥さんの金で買ったんです。”リビアは絶望のあまり
 

声も出ず、倒れないのがやっとの思いで、部屋を出ていきました。

どこをどう歩いたか気がついた時は軍司令部に来ていました。
 

フランツの居場所を密告しましたねえ.

 

司令官は”あなたが彼の居場所を教えたということは・・
 

その男を殺すということなのですよ。””密告は恥ずかしい行為だということも
 

お分かりですね??”
 

リビアは ”分かっています。”

リビアは城壁の塀の下を歩いていました。
 

その塀は...。兵士の処刑される刑場の塀でした。
 

刑場の中・・・・松明も持ったたくさんの兵士たちが罪人のフリッツと共に
 

進んでいく。銃殺刑が執行されるというのになんと並んだ松明の美しいことか!!

呆然として歩くリビアの耳に届いたかどうか
 

  その時、遠くで銃声がバーンと2度ほど響きました。

フランツが処刑された音でした。
 

彼女はそれを知ってか知らずか

本当にすごい幕切れでした。

はじめて観たときの衝撃は忘れられません。
 

ヴイスコンテイーのすごさを感じましたね。

怖いですね.女の執念も、おとこのずるさも.
 

伯爵夫人のひきむしられるような哀しい恋を描いて、
 

リビアを演じたアリダ.バリはものすごい美しさです。

すべてのヴイスコンテイータッチが生かされた見事な作品でした・

 

1954年度作品

 

ランキングに参加しています・

よろしかったらポチッと押してくださいませ。

    ↓

にほんブログ村 映画ブログ 名作・なつかし映画へ
にほんブログ村