こんにちは。いつもご訪問いただきましてありがとうございます。
 

私にとっての新しい作品が続きます。
 

1988年度作品  (存在の耐えられない軽さ)。

  (存在の耐えられない軽さ)  とは
 

自分自身の思うままの生き方を選択する人間の姿勢のことではないかな。

"私にとって人生は重いものなのに、あなたにとっては軽い。
 

      私はその軽さに耐えられない"とテレーザはトマシュに告げる・・・
 

今夜の作品は先日紹介した(眺めのいい部屋)に出演していた
 

ダニエル・デイ・ルイスと
 

(イングリッシュ・ペイジェント)に出演していたジュリエット・ピノシュ共演の
 

(存在の耐えられない軽さ)です。
 

ダニエルさんは引退こそしましたが、
 

現在の映画界最高の役者さんと言っていいでしょうね。
 

彼の作品はそんなに多くは見ていません。
 

たくさんの名作、力作がありますが、
 

鑑賞したのは
 

(マイ・レフトフット)(父の祈りを)(リンカーン)、(眺めのいい部屋)
 

(ゼア・ウイルビー・ブラッド)そして、(存在の耐えられない軽さ)位ですか。
 

ひとつひとつの作品に関わるときの打ち込みようがものすごいということは
 

聴いていましたが、実際、どの作品を見ても、どれが素顔に近いのか?と思う位の
 

怪演ぶりは驚きです。
 

英国貴公子俳優の先駈けとなった彼ですが、
 

(存在の耐えられない軽さ)のトーマスは現在のダニエルからすると
 

マキシミリアン・シェルにも似た若くていい男である。

単なる男女の三角関係、もしくは女遊びが病気か?と思う位
 

節操の無い脳外科医の役である。
 

あまり期待せずに見たのだが、ずしっと心にしみたものは軽さではなくて

 

心地よい重さでした。
 

  キャスト

ダニエル・デイ=ルイス=  トマシュ
 

ジュリエット・ビノシュ=  テレーザ 
 

レナ・オリン=       サビーナ
 

デレク・デ・リント=    フランツ
 

ステラン・スカルスガルド= エンジニア

 

 

 


      ストーリー


1960年ののチェコスロヴァキアのプラハに
 

トマシュと言う脳外科医がいました。
 

何人もの女性と簡単に交際ができるプレイボーイである。
 

いつでもどこでも目に留まった女性は間単に陥落させてしまう。
 

だが、
 

彼を一番理解したのは
 

画家のサビーナでした。
 

通俗とは正反対の人ーーだから好き!・・・と。

2人が会うときには、
 

サビーナが大切に持っている黒い帽子と鏡が近くに置かれていました。
 

サビーナは帽子の重要さを理解してくれるトマシュを、
 

同じように愛していました。



ある日トマシュは、手術で執刀するため車で出張した。
 

小さな村の温泉施設だった。かわいい女性に眼をつけた
 

トマシュは彼女の後を追うと
 

彼女は
 

そこのカフェのウェイトレスをしていました。
 

名前はテレーザ。
 

仕事以外のときはいつも女性を物色しているような男なんですが
 

これがチャラチャラした男に見えないから不思議だ・

テレサは文学少女で、いつもベンチに座ってトルストイを愛読していました。
 

この街に自分を理解してくれる人間はいないと思っていたテレーザは、
 

都会から来たハンサムな男トマシュにみるみるうちに惹かれていき、
 

彼を追ってプラハに出てきます。

トマシュは無垢なテレサの情熱にほだされ、彼女と同棲生活を送ります。
 

そして  まもなく結婚します。
 

結婚式の立会人は、トマシュの手術で一命を取り留めた農夫のパベルで、
 

メフィストという子豚を可愛がっていました。
 

メフイストもブラック・タイを首につけて参加します。


 

トマシュのためならいつでも一肌脱ぐイイ男だ。
 

居酒屋でみんなで祝杯をあげます。パベルの甥っ子も駆けつけました。
 

そこで2人はワンコをもらうんですね。
 

カレニンと名づけました・


 

子豚のメフイストが仲良しになるんですね。

しかし、
 

2人の幸福な結婚生活は長くは続きませんでした。
 

トマシュは相変わらず外に女をつくり、
 

孤独に苛まれたテレーザは妄想にうなされるようになります。
 

ある時、テレーザが「なぜたくさんの女と関係をもつのか」と問い詰めると、
 

トマシュはわからないと答えます。


うちを飛び出したテレーザを追おうとしたときに電話が鳴り、それは
 

ソ連軍によるチェコスロヴァキア侵攻の
 

  報せでした。
 

トマシュはカレニンを抱いてテレーザを追います。
 

1968年のことです・

ソ連軍の大きな怪獣のような戦車と
 

市民の糾弾の声の波に紛れて、
 

テレーザは無心にカメラのシャッターを切り続けます。


 

トマシュは彼女を守りながらスローガンを叫びますが、民衆の声は弾圧されます。

目の前をサビーナの車が通ります。
 

”スイスへ行くわ”とこちらに手を振った。
 

やがてトマシュとテレサはサビーナを頼って、
 

スイスのジュネーブに逃れます。
 

国境へ向かう道路は逃れる人たちの大移動で埋め尽くされ
 

長い旅路となりました。

一方、
 

サビーナは既婚者の大学教授ハンスと出会います。それは
 

祖国を失った亡命者の集いに参加した時のことでした・
 

罪悪感と罪のなすりあいをしゃべるだけの人たちにうんざりして
 

”国へ帰って戦えば・・・他人に武器を持たせて自分は何もせずに理想論だけを
 

喋るのは楽よね!!”
 

と吐き捨ててその場を去ったサビーナに
 

傍聴に来てたハンスが興味を持ったからでした。
 

後を追ったハンスはサビーナと昼食をとりました。
 

サビーナとハンスは学生の頃メーデーやデモ行進に興奮して参加していたと話し、
 

チェコをを失ったサビーナに同情した。
 

サビーナは画を描く人間として、
 

”今、美を発見できる唯一の場所は  迫害者が見逃したところだけ  それが
 

   真理よ!”とハンスに言った。”でも我慢できない。”とも。
 

そしてなぜか惹かれあったふたりはそのままハンスが今から出張すると言う
 

トリノ行きの列車に乗り込んだのでした。


一方、テレーザとトマシュは何とかジュネーブにたどり着きました。
 

テレーザはサビーナの影響を受けて、
 

写真家になろうと決意し、
 

スイスの雑誌社に、
 

危険を冒して撮影したソ連軍の弾圧の写真を見せます。

ところが、スイス人にはプラハの事件は飽きられているので、

 

いい写真なんだが、もう 時期が遅いんだよ。
 

ヌード写真を持ってくるように言われます。

トマシュはまたサビーナを訪ねます。
 

ハンスの話を聞かされますが、再びふたりはあの頃に戻ります。

そしてテレサはヌード写真のモデルにサビーナを選びます。
 

互いの裸の写真を撮り合ったことで、2人の間に不思議な絆が生まれるのでした。


 

一方、サビーナの恋人ハンスは妻と離婚して
 

サビーナに結婚を申し込みます。
 

サビーナはハンスの誠意に涙を流しますが、トマシュと再会した彼女は・・・・


翌日ハンスがサビーナの家に居候よろしく荷を持って来ると
 

部屋は空っぽでした。
 

彼女は行き先を告げずに姿を消しました。
 

そしてサビーナはあるホテルでトマシュを待ちました。
 

いい彼だったのに、留まるべきかもしれないけど逃げたの・・・・
パリかアメリカへ発つわ。これが最後かもしれない・・・・

テレーザは


トマシュが浮気をする気持ちを知りたくて
 

カフェの客で自称技師の男性と不器用にも
 

関係を持ってしまいますが、、結果自身を傷つけることにしかならなかった。

テレーザは自分がトマシュやサビーナのように強くしたたかに
 

生きていける人間でないことに苦しみます悩みます。そして、

”私にとって人生はとても重いものなのに、あなたにとっては軽い。
 

     私はその軽さに耐えられない。
 

       プラハでは愛だけがあればよかった。スイスでは
 

     すべてをあなたに頼るだけ。もしあなたに捨てられたら
 

                  どうなるかしら?わたしは
 

      弱いわ・だから弱い者の国へ戻るわ。”と書き残して
 

   カレニンを連れて又、プラハへと帰っていきます。

トマシュはサビーナのいるスイスに留まるか、テレサがいるプラハに帰るかという
 

選択に迫られます。
 

トマシュは危険を承知でプラハに戻ることを決意しますが、
 

再入国のときの検閲でパスポートを取り上げられてしまいます。

以前プラハにいた時に
 

ソ連を批判する記事を雑誌に投稿したトマシュは、自己批判書 への
 

サインを強要されます。
 

これを拒否すると医師免許を剥奪されてしまいます。
 

トマシュは拒否しました。
 

仕方なくペンキ塗りの職に就くのでした。
 

自分の主義を曲げないトマシュを見て、テレーザは
 

心を動かされ、ふたりの結婚の立会人になってくれたパベルのいる田舎に行こうと
 

提案します
 

二人は歓迎され、毎日農作業に明け暮れて、
 

仕事が終わるとパベルの甥っ子も交えて
 

酒やおしゃべりを楽しむ穏やかな日々を送るようになります。
 

豚のメフイストと愛犬のカレニンはすぐに仲良しになりました。しかし、
 

そんな幸福な生活に不安な影が忍び寄ります。
 

カレニンが癌にかかりトマシュは安楽死を決意。
 

この時にテレーザはカレニンを抱きしめて、
 

      ”わたしはあなたよりもカレニンを
 

     愛してるかもしれない。自然な愛しかたなのよ。
 

         なんの注文もしないし、嫉妬もしないし、
 

      一途だし、裏切らないし、お返しも求めないし・・・・
 

      メフイストもじきに逝くから待っててね。”
 

そしてトマシュは注射器を用意するのでした。
 

パベルは2人を元気付けるために夜、ダンスに誘います。
 

残った相棒の豚のメフイストもパベルの甥っ子も
 

一緒に農業用のトラックに乗り
 

みんなで飲みに行きます。飲み、踊り楽しい夜でした、
 

メフイストも一緒で、赤いタイをつけて。
 

女主人が一杯飲まないと入店お断りだよと言う言葉に
 

”たった一杯でいいってさ。メフイストよ””

トマシュは車の運転があるからとお酒を一度は断ったのですが
     
今夜は2人でここへ泊まっていけ!!とおやじはワインを注ぎました・・・・

数日経ったある日、
 

アメリカで暮らすサビーナの元に、手紙が届きました。
 

手紙を読んだサビーナは驚きで言葉が出てきませんでした。
 

その手紙には
 

かけがえのない二人の事故死が書かれていたのでした。
 

ホテルに一泊した朝、大雨の中を車を走らせていてブレーキが利かなくなっ
 

て・・・・即死だった。

サビーナがひとり涙を流す・・・・

夕べのシーン・・・
 

バンドネオンのタンゴに合わせて見詰め合って抱きしめ踊るふたりは
 

本当の愛に目覚めとても幸せそうでした。

その日の雨の朝・・・・
 

トラックの中で交わす会話。
 

”トマシュ!!何を考えているの?”と
 

トマシュの肩に頭を乗せて微笑むテレーザ。
 

”なんと幸せか!!と”トマシュ。
 

トラックは雨の長い道を走ってゆく・・・・

カレニンは2人がこの世を去るのを知っていて先に逝ったのでしょうね・
 

一人残されて寂しくないように・・・・




男女の恋愛と人間の生き方を教えてくれる教訓的な作品と言ってしまえば
 

そうなのですが、
 

やっぱり違った。三人の俳優のすばらしさで単なるトライアングル・ラブとはならなかった。
 

女性だったら誰でもいいようないい加減な男に思えるのだが、
 

それがいい加減な男にも見えないトマシュという人物。
 

政治思想も持っているのだが強烈に云々てこともない。
 

だが、自分の信念を曲げてまで医者の地位に固執することも無く
 

パスポートも剥奪され国外へも出れない状況で、ペンキ塗りの仕事を選ぶ
 

というありのままをありのままに受け入れていくオトコ・・
 

そして最後に行き着いたのは結婚の仲人をしてくれた農家のおやじパベルの元で
 

畑を耕す生活だった。

なぜ、女性が惹かれて行くのか??
 

自然体のトマシュの生き方だろう。

男を知り尽くしているようなサビーナも懐の深いいい女だ。
 

かつて愛したトマシュもテレーザも包み込む。

そしてイノセントなテレーザ。入り口は田舎にいない粋な男に出会って惚れたが
 

疲れて、逃げても、逃げてもやっぱりトマシュを愛しているテレーザ。

この三角関係を無二の親友と言い切ったサビーナの言葉に
 

テーマがあったように思う。
 

観終わって、心にしみる様な見応え感がありました。

国民を押さえつけ重苦しい空気が流れていた1968年。
 

そのチェコスロバキア、プラハの春を背景に描いたこの作品が訴える・・・
 

   軽さ・・・とは、
 

自分自身が思うままありのままを生きるという生き方でしょうね。
 

こんな若い頃のダニエルも魅力的。
 

ピノシュはまだデビュー間もない頃で

 

イングリッシュ・ペイシェントもそうだったし、ボンヌフの恋人も
 

そうだったが、無垢で純粋で傷つきやすいが、内に秘めたポリシーというものを

やわらかく表現してくれる大好きな女優さんです。

 

   監督フイリップ・カウフマン 
 

   撮影監督スヴェン・ニクヴェスト
 

この人は、イングマール・ベルイマン監督の作品でたくさんのカメラを回している
 

だから映像がすばらしいんだ!
 

   音楽   レオシュ・ヤナーチェク
 

  全編にわたってヤナーチェクの心地よい音楽が使われている。
 

1988年度作品

 

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