ルネ.クレールの
『巴里の屋根の下』

こんばんは。
いつもご訪問頂きましてありがとうございます。

3度目のフランス映画特集の
最後は
ルネ.クレール監督の『巴里の屋根の下』で締めくくりましょう。

この映画も封切られる前に
シャンソンの名曲として
テーマ曲が
先にヒットしたと聞きました。

ルネ監督、トーキー第1作目です。
だから、画面にはサイレントの名残りがあります。
だからこそ、
斬新なトーキーならではの映像や
音声の使い方が光るんですね。



最初の方で、巴里の町のなんと
煙突が映り、ビルの屋上からだんだん下へ.カメラは移動します。

主題歌に合わせて四階、三階、二階、一階のカフェへと
カメラは動くのです.
この当時として、カメラワークは斬新な筈です。
これは画期的なことだったと思います。

常に歌かメロデイーが流れていて、セリフは最小限度ですね。
だから、サイレントの雰囲気もある。
トーキーになったのだから、音をふんだんに雑音や擬音も
フルに使いたいところを敢えて抑え、むしろそういう音は
控えているような気がする。
喧嘩の場面や、男女の会話の場面などもパントマイムかと
思えるほどただ、音楽のみ...

でもストーリーはそれでわかるんですよ。
ガラス戸越しに会話を消してみたり、
挌闘シーンの声が列車の音でかき消されたり、夫婦喧嘩は
外から窓の明かりを映すだけで喧嘩の声だけが続くシーン・
とっても新鮮ですよ。

だから、余計に画面に奥行きが出てくるような..。
1930年ですよ。つまり昭和7年です。
今ではこんな手法を当たり前に使っていますが.

もうこれはミュージカルですね。
これが巴里のまちの情緒を余計に引き立たせているように思いますね。

トーキー初期と言うことでこの作品を選びましたが、
『自由を我等に』、『巴里祭』もとっても良い。

この頃の巴里ってステキだねー




さて、簡単なストーリーに.
大道演歌師、つまり、今で言うストリートシンガーか?
町で毎日、楽譜を売りながら歌ってお金を貰い、帰りに
カフェで相棒のルイとふたりいっぱい引っ掛けて帰れば
それで幸せと言うアルベール.

仕事中にはいろいろとある。スリの仕事をさえぎったり、
田舎から出てきたばかりの娘を助けたり、
そして、その頃の町の生活も匂ってくる。
その田舎娘を助けたことでチンピラに盗品を預けられ、
アルベールは監獄へ...
数週間経って、出てきてみると、アルが惚れていた娘は相棒の
2枚目のルイに心変わりしていた.

生まれて初めて、恋をして人生の素晴らしさを知った彼にとって
それを失うことはいきる望みもなくなるほどの辛さであったが、
相手が親友のルイであれば
諦めるしかないと、
アルは今日も巴里の街角で、譜面を売りながら明るく唄うのであった。

♪なつかしのー  想い出にー  さしぐむ涙ー
 なつかしのー  想い出にー  溢るるーなみだー
 マロニエ  花は咲けどー  恋しのきみいづこ
 巴里の屋根の下に住みて楽しかりしむかし
 燃ゆる瞳  愛の言葉 優しかりし君よー
 鐘が鳴る 鐘が鳴る  マロニエの並木道
 巴里の空は青く晴れて 遠き夢をゆする♪

製作  仏 1931年度  
監督  ルネ.クレール
出演  アルベール.プレジャン
ポーラ.イルリ