チーム医療の問題点と改善のためのポイント | 仲間は協力しあってこそ

仲間は協力しあってこそ

チーム医療という大切な要素

様々な専門職が協働することで患者により良い医療を提供するチーム医療には、役割を分担して医療従事者の負担を軽減させるという役割もある。しかし、実際には一部の医療従事者の負担が大きくなるなど、名前だけのチーム医療が横行しているという問題がある。
この問題の原因として、チーム医療という概念を正確に把握している医療従事者がまだ少ないということが考えられる。潤滑なチーム医療の為には、専門職同士がお互いの仕事の役割を理解することが重要である。そして、役割分担が可能な部分についてはどんどん分担し、一つの職種に負担が大きくならないようにしなければならない。
具体的には、生活習慣病の食事管理に関して医師が単独で行っていたものを、看護師が医師から指示を受けて患者に直接指導したり、管理栄養士がメニューの提案をしたり等が挙げられるだろう。これにより、医師の負担を大きく減らし、看護師や管理栄養士はその専門性を高めることができる。しかし、中には看護師や管理栄養士がこのようなスキルを持っていることを知らず、医師に大きな負担をかけている病院も少なくない。
この問題の改善案として、看護大学など教育機関での事前教育の充実が挙げられる。現場に出る前にチーム医療の意義や目的、具体的な方法などを学ぶことで、実際の現場に出た時にとまどうことなく連携ができるだろう。学生の時から他職種との交流や、具体的なケースについてのチームアプローチをディスカッションさせるなど実践的な教育が求められる。