詩集~遠花火~ -4ページ目

☆泣いて、泣いて ㊤

恋をして思い切り泣いたこと。

あたしもあります。

彼氏にフラられたあの日の夜。

彼の心変わりは薄々気付いてはいたけれど、終わってしまうのが怖くて、気付いていないフリをしていた――

それなのに!

突然に別れを告げられ、一方的に電話は切れた。


《こんなに好きなのに、もう2度と会えないなんて。もう2度と、声も聞けない。笑いかけてももらえない。こんなに大好きなのに…どうしてあたしじゃダメなんだろう。》

そんなことを考えて、一晩中声をあげて泣いた。
幸せだった頃の2人を思い出して、さらに泣いた。

次の日、当日学生だったあたしは学校を休み、部屋に閉じこもり泣き続けた。

あたしはこんなにツラいのに、当たり前に朝がやって来て、当たり前に世界が動いているのが憎いと感じた。

[泣きすぎると頭が痛くなる]
と知ったのはこの時です。






つづく→

No.12 ミシン



チクチク チクチク なにつくる?

今は チクチク 痛いけど

思い出すたび 痛いけど


心の中で 作れるよ


あなたに逢えて サヨナラしたこと

あたしをつくる 一欠片



きっと きっと つくれるよ

もっともっと 《強いあたし》を








柚月

No.11 真空パック



2人で居られるこの瞬間

まるごとパックに詰め込んで

持ち帰ること出来たらいいのになぁ…


もしも本当に
そうすることが出来たなら


さみしいとき

電話のない夜

会えない日にも


パックのフタを開けるだけで

あなたをそばに
感じられるでしょう?











柚月