かつての商取引はメーカーや流通が主導だったが、今やネットインフラを駆使する
顧客主導型の取引があちらこちらで見受けられるようになった。
商取引は、①製品志向型②流通志向型③顧客志向型で推移してきた。
製品志向の時代には、メーカーがマス広告を展開し、商品を流通チャネルにのせて
顧客に届けた。
一方、顧客と直に接する小売業の力が高まるにつれ、メーカーとの力関係が逆転、
顧客から集めた流通側の情報がメーカーのそれよりも勝っており、
その後インターネットの急激な発達とともに、情報を思いのままに駆使する
顧客の出現により、顧客主導型の商取引があちらこちらで見受けられるように
なった。まさに、商品主導型の時代からみると、逆向きの商取引が行われる
傾向が、リバース・マーケティングの由来である。
1.企業体質変化を迫るリバース・マーケティング
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逆向きの商取引は、この他にも多様な形態が見られる。
逆プロモーション、逆広告、逆プライシング、逆製品設計等がそれにあたる。
「製品」「価格」「流通チャネル」「プロモーション」という、伝統的に
企業側の守備範囲であったマーケティングの4Pに対して、顧客の影響力が
強まっている。
このような中で、企業はマーケティング機能の再設計を迫られている。
顧客との取引をコントロールするのではなく、取引が容易になる環境作りに
務めなければならない。
例えば商品のカスタマイゼーションは従来は企業主導で進められたが、
リバース・マーケティングにおいては、主導権は常に顧客側にあり、
顧客が快適なカスタマイゼーションを実施できるような環境を整備することから、
企業マーケティングが行われる。