食べ物をあまり口にしなくなった特別養護老人ホーム入居中の実母。


特に疾患があるわけではないものの、このまま脱水予防の点滴のみだと静かに、潮が引くように弱っていき、やがて生を閉じることになると。


この期間は人による。1カ月でいってしまう人もいれば、半年ほど生き長らえた人もいる。


本人の希望もあるし(とはいえ、まだ文字もしっかり書ける元気だった頃の手紙にそう書いてあっただけだけど、恐らく今も変わらないだろう)ただ、生かしておくためだけに栄養を入れる措置は望まないと思う。私だったらそうしてほしいし、兄も「人としてそうだよな」というスタンスです。


あまり残された日々は長くはなさそう。


他県で働く下娘はともかく、県内在住の上娘には会わせておきたい。何しろ上娘の名前を出したら分からないなりに反応してたからね。


それから、実母の姉妹にもそれとなく話しといた方がいいかもね。


実母は4姉妹の2番目です。長姉は同じ町内に在住で、足がちょっと悪いけどまだまだ自力であちこち行けるし頭もしっかりしている。

すぐ下の妹は大阪在住で、数年前倒れて入院中とのことなので、直接伝えないことにする。

一番下の妹は東京在住。

実はこのおばに一番お世話になっています。おばの夫も同郷で同じ町ということから、時々帰省してくるのですが、なぜだか夫の実家にはちらっと顔を出すだけで、滞在するのは長姉の家(ここが実家になる)か我が家。


特に実母が倒れて入院したすぐの頃は、長期間我が家に滞在してくれて、お見舞いに行って話し相手になったり(変なこということもあったけどまだかろうじてコミュニケーションが取れていた)洗濯物届けたり…滞在中の我が家の断捨離も大分してくれました。


せめて東京のおばには現状は伝えておいた方がいいよね。急にどうこうということはないけど突然知らされるよりは少しは心の準備ができるというもんだからね。


しかし。


上娘を伴って面会しようと思った矢先、施設にコロナの感染者が出て、面会は全面禁止に。

職員なのか利用者なのか分かりませんが、とにかく面会は不可。救いは本人は陰性だったとのこと。


しかし、これでは遠方のおばに知らせても恐らく会わせてもらえないよねえ。


ということで、お知らせするタイミングを逸してしまいました。


会えないので今日は食べられたかな~とか、元気にしてるかな~など慮ることしかできない日々が続いていましたが、そうしたある日の朝。


私は早めに出勤し(と言うかいつも始業時間の1時間ほど前には出社しているのですが)メールチェックとか細々した雑用をこなしていたのですが、そんなときに着信。


施設からだ。

どうした?


普段の連絡は兄に行きますがこの日は私に。

実母にコロナの陽性反応がでたと。

幸いこれといった症状はないとのことで、そこはよかったのですが、何しろ高齢者。何しろものを十分に食べられない。ただでさえハイリスクの高齢者なので、病院に移すかここでこのまま療養するか決めてと。


兄に最初に連絡したけれど繋がらなかったそうで、だから私のとこにきたのでした。


こんなこと私の判断でいいのかな⁉️


と思いつつも、これといった症状はないそうなのであっちに移動、こっちに移動も大変なので、そのまま療養をお願いする。この場合、肺炎にならない薬を処方したいが、これが承認されて間もない新薬だそうで、同意書みたいな書類がいると。


施設で陽性になった入所者は何人か新薬を処方してもらったそうで、それならばとお願いする。書類は後でもいいけど、家族の判断は仰がないといけないからということでした。


のちほど兄とも連絡がとれ、同意書その他の手続きは兄がしてくれることに。


ワクチン5回目も受けているし、それほど大変なことになることはないと思うけど、心配です。


それにしても。

ほとんど外部の人と接することのないエリアに24時間体制で見守ってもらっているはずなのに、感染するときはするんだね。


私なんか、手指消毒、手洗いうがいは励行しているものの、仕事ではバンバン外に出るし、人と会ってしゃべったりというのも多々あるのに。


だからコロナは油断できないし怖いんだろうなあ。


もう、いつどこで誰がかかるか分からないからね。