アレルギーって⑩
観察室というところに行ったゆりと、おじいちゃんと、私。
看護師さんが、言った。
「じゃあ、まず、うどんを10グラム、食べさせてみてください」
え・・・?10グラムって言っても量りがここに無いからどうやって分けたらいいの?
「あのー、10グラムってどうやって計るんでしょうか?」
「・・・じゃあ、コレだけ食べさせてください」
と言って、看護師さんが目分量でささっと分けられた。
なんだ、そんな大雑把でいいのね・・・。家で、すごく神経質に50グラム、50グラムって量りとにらめっこして図って持ってきたんだけど
そして、ゆりに10グラム食べさせ、20分間様子を見るとの事だった。
・・・・・・・・・そして、20分後。
タイマーが鳴って、看護師さんが部屋に戻ってこられた。
「どうですか?」
「はい、特に変わりありませんが・・・」
「じゃあ、残りの40グラムを食べさせてください」
「はい、わかりました」
と言って、残り40グラム(?たぶん)をゆりに食べさせた。
それから、40分間様子を見るとの事。
・・・・・・・・・そして、40分後。
看護師さんが、
「どうですか?」
「はい・・・、特には・・・」
「そうですか、では、院長の診察がありますのでね、待合室で少々お待ちください」
そして、待っていると、診察室へと呼ばれた。
先生が、
「病院内で、1時間見ましたが、なんとも無いようですので、今日はこれで帰ってください。
やはり、思ったとおり、何にも出ないようですね。
先に言いましたが、普通に食べさせていいですからね。
ですが、あと2日間は自宅で同じように負荷試験をして下さい。
でも、ブツブツが出たくらいで飛んで来る人もいますが、そんな必要はないですよ。
遅れて出るのは、危ないものではないですからね。
お母さん、勉強会に出て勉強しましたね。
即時型、アナフィラキシーは2時間以内。だから、今回出なかったので、
もう、普通でいいですからね、まあ、もともと、血液検査でRAST1でしたからね。
出ないでしょうね、一致しない事、よくありますから」
「あの・・、先生。今日帰ってから何らか症状が出ても、明日、あさってと、食べさせないといけないのでしょうか?」
「もちろんです。出ても遅発型、あるいは、遅延型ですからね」
「じゃあ、3日終わってから、先生にまとめてご報告差し上げたらよろしいのでしょうか?」
「いえ、その必要はありません」
「え・・・?」
「もう、病院で出なかったので、普通に食べさせていいので、その必要はありません」
「そう、ですか・・・」
その後、看護師さんからも説明があった。
「もし、万が一のことがあったら、近くの救急で見てもらってください。
別にブツブツが出たくらいで、来られる必要はありません」
先生はやたら、「普通に」を強調されていた。
前に書いた事と繰り返しになるけど、私は、アレルギーがすごく嫌だった。
だから一歳過ぎてからしか、まりとゆりには、小麦は食べさせていない。
お醤油も一歳過ぎてから使った。
アレルゲンになりやすいモノ(卵・牛乳・大豆・小麦)を勝手に食べさせずにいた。
(小児科の医者に怒られそう)
9ヶ月には小麦はRASTで(-)だったのに、一歳過ぎて小麦(醤油、パン、麩など)を食べさせて、いきなり(-)が(+)に転じるっていうのが、どうしてなの?
しかも、量はそんなに多くは無かった。むしろ普通の食事って言えば、それより少ないほうだと思う。
それで、いきなり陰性が陽性になるっていうのが、私には解せなかった。
じゃあ、今後、普通ってどれくらいの頻度でどの程度だったらいいの?
なにが普通なの?
わからない・・・
と、病院から帰りの車の中で自問自答していた。
先生にそれを聞こうとして、キレられた から、もう聞けないし・・・
でも、と考えを切り替えた。
専門医の先生があれ程大丈夫って言われるんだから、
素人の私が心配するまでも無いんだ、きっと。
うん、その方がいいし、私も。
まあ、症状が出なかったんだから、とりあえずはよかった。
明日、あさってがまだあるんだけど・・・。
なんとも無いといいけど・・・。
そして、AM11:30。
自宅へ帰り、まりとゆりにお昼ごはんを食べさせ、お昼寝をさせた。
PM2:00。
突然、寝ていたゆりが、
ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ
と、妙な咳き込みを始めた。
そして、目を覚まして、
うわ~~~~んっっっ。・°°・(((p(≧□≦)q)))・°°・。ウワーン!!
と、大泣き。
「どうしたの、どうしたの!? ゆりちゃん・・・」
と、ただ、暴れるゆりを抱えておろおろする私。
そして、変な咳き込みと突然鼻水までも出始めた。
PM3:30。
おじいちゃんがやってきた。
あ~ちゃんを保育園に迎えに行く間、まりとゆりをみてもらっていた。
私が育児休暇中で自宅にいたので、保育園のお迎え時間は早かった。
来たおじいちゃんも、余りに尋常じゃないゆりの様子に、
「どうしたんだ・・。なんか普通じゃない咳だな・・・。」
と言っていた。
どうしよう・・・。これは、負荷試験のせいなの?
でも、あれ程、大丈夫って先生が言ったし、ブツブツじゃないし・・・。
でも、でも、こんなに苦しがって・・・どうしよう。
病院に連れて行ったほうが・・。
ああ、どうしよう・・・・・・・・・・・・。
わからない、どうしたら・・・。
私の頭の中では、「来られなくていいです」と言った、先生と看護師さんの言葉が渦巻いていた
そして、旦那さんが帰ってくるまでその日は心配したおじいちゃんがいてくれた。
PM6:30。
旦那さん、帰宅。
超・不機嫌なゆりは夕食も余り食べずだったので、旦那さんと相談して、
今日は早くお風呂に入れてしまおうということになった。
ただ、あの咳き込みと、鼻水はその時点ではフシギなくらいおさまっていた。
だから、やっぱり、先生の言うとおり、様子を見ようということになった。
そして、お風呂に入れようとして、旦那さんがゆりの服を脱がせたとたん、
旦那さんが、
「あっっっ!!! 」
と、叫んだ。
思わず驚いてみた私も、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
凍り付いてしまった。
ゆりの首から下に、
2~3センチの大小さまざまな茶色いあざのような発疹と、
その隙間を埋めるような小さな発疹がびっしりと体中に出ていた。
そして、ひざ下の足には、みみず腫れのような、
まるで血管が浮き出たような線状の浮腫(地震のひび割れみたいな)が、
何本も・・・。
・・・旦那さんも私もしばらく言葉が出なかった。
もう、病院は、やっていない時間。
ブツブツが出たくらいで来る必要は無い・・・・。
これも、行かなくてもいい、の・・・・?
旦那さんと散々悩んだ挙句、あれ程に先生が大丈夫、来る必要は無いって言われたし、
ゆりは今、さっきほどに苦しんではいない様子だから、
・・・取りあえず、様子を見ようということになった・・・。
でも、私は何か釈然としなかった・・・。
長くなりました。では、この続きはアレルギー⑪にて