香港アクションでも活躍した全米女子空手チャンピオン出身、シンシア・ラスロック主演のアクション作品。

空手チャンピオンのスーザンは5回目となる防衛戦をラスベガスで行い苦戦しながらも愛する夫ソニーの前で見事に勝利を飾った。
その頃試合が行われていた同じビルでは数百万ドルにのぼるダイヤの闇取引が行われていたが、敵組織への寝返りを画策したディエゴ率いる一団がその場を強襲し、関係者を皆殺しにするとダイヤを強奪する。

しかし組織の追っ手の追撃がせまり、ディエゴたちは証拠をかくし逃げるため、強奪したダイヤをとある荷物の中に隠して逃亡する。
その荷物はスーザンたちの荷物であった。

故郷のインドネシアへと帰ったスーザンは世界的サッカー選手であるソニーの試合を応援し、
勝利を治めた彼と家路へとつく。
だがそんな彼らのもつ強奪したダイヤを狙い、ディエゴたちが様子を伺っていた。

深夜。
武装したディエゴたちは寝静まっているソニーたちを強襲する。
メイドのサリを動けなくし、寝室へと向かったディエゴたちは寝ていた彼らを叩き起こしダイヤの在処を問い詰める。
しかし何のことか分からない二人はダイヤは知らないと答える他なかった。

怒り心頭のディエゴは反撃してきたスーザンを捕まえてベッドに拘束し、暴行する。
そしてソニーは報復として命ともいえる脚をズタズタに切り裂かれ重傷を負う。
サリが散弾銃を取り出し、警察に通報したことで最悪の事態は免れた二人であったが、ソニーは命は取り留めたものの脚は二度と立てないほどに傷つけられていた。
そして暴行されたスーザンは心に深いトラウマを抱え込むのだが、犯人たちへの復讐を持ち出す。

意気消沈するソニーを励まそうとするスーザンであったが、実は知らないはずのダイヤはソニーが黙って自分のものにしていた。
頑としてダイヤを返さないと主張するソニーにショックを受けたスーザンはサリと共に出かけてしまう。

妨害によって逃げたディエゴ達だったが、まだダイヤを諦めてはいなかった。
独りとなりうたた寝していたソニーを強襲し、ダイヤの在処を聞き出そうと彼の栄光の証であるトロフィーや家のものを手当たり次第破壊し、痛めつけるディエゴ達であったが、それでも口を割らないソニーに業を煮やしたディエゴは再度スーザンへの暴行を予告し、ソニーを殺害する。

帰りついたスーザンはソニーの変わり果てた姿に慟哭し、彼の亡骸を彼の両親達が生活する貧しい村へと埋葬する。
そのなかでスーザンはディエゴたちへの復讐を決意するのだった。

警察が被害者保護として警備につく隙を狙い、スーザンはまずディエゴら三人組の一人を娼婦に扮して誘惑し誘い出す。
狭いエレベーターの室内を利用し苦戦しながらも相手を蹴り殺したスーザンは復讐の第一段階を済ませて勝利を味わうが、ディエゴはそんな彼女にソニーの死体を掘り出してスーザンを心理的に追い詰める他、メイドのサリを暴行して暴力で彼女を服従させる。

血で血を争う報復戦はさらにエスカレートし、スーザンはもうひとりの仲間であったジョニーを決闘の末に殺害。
追い詰められたディエゴはサリを使って彼女を呼び出す卑劣な作戦を実行する。

誘拐されたサリを助けだそうとダイヤを手に指定された場所へと急ぐスーザン。
だが、彼に従属させられたサリはスーザンを裏切りディエゴの作戦に加担して彼女に銃口を向けるのだった。

だがディエゴはそんなサリすらも無惨に殺害する。
夫と友人のサリの犠牲に報いるため、スーザンは逃亡するディエゴを一人追いかけていく、心理的に身体的に追い詰めてくる狂気のディエゴを相手にスーザンは最後の戦いを挑むのだが…


サスペンスフルな味付けもされた女ドラゴン、シンシア・ラスロックのバイオレンスアクション作品。

香港アクションでたぐいまれな活躍をしたシンシアが、ハリウッドに凱旋してきてからの作品のひとつ。
本作では香港時代では見ることができなかった女性らしさ、セクシーさもみせることでただ強くてタフな女だった香港時代との違いをみせようとしている。

下着姿でうろうろしたり、露出度の高い服で戦ったり、ネグリジェ姿を披露するなど、おおよそ香港アクションでの彼女とは想像もつかないところで、夫のうじの沸いた死体を対峙させられたときの金切り声の悲鳴とかはそれこそハリウッドにもどってきてからでしか見ることのできなかったシーンである。

そのためか今までの彼女が演じた女ドラゴンぶりとは違ってイマイチ強さやタフさが感じにくくなっている。

そんなちょっと弱さのみえるシンシアをあろうことか暴行して、卑猥な言葉で凌辱する仇敵を演じたのがB級アクションの悪役ならお馴染みの俳優、ビリー・ドラゴ。
今回もかなり狂気じみた役づくりで爛々と輝く獣のような目と長髪をなびかせてキレたら何するか分からないアブナイ悪役を熱演している。

彼の部下にサム・ジョーンズらアクション俳優たちが出演し脇を固めているのだが、いかんせんその肝心なアクションが中途半端な仕上がり。

先述したが、本作のシンシアは女子空手チャンピオンではあるものの雑魚相手にも苦戦するくらい強さが薄め。
何より女の手口で罠にはめてから襲うのがどうにもシンシアらしくない。
娼婦にしては筋肉質すぎるシンシアのセクシー演技は何となくムリを感じるのは自分だけだろうか(^^;

そして復讐として一応格闘戦はみせるもののこのシーンもキレがあまりなく、シンシアの良さが十分出きっていない。
それどころかラスボスであるビリー・ドラゴとの一騎討ちは鮮やかな回し蹴りもみせることなく、変態じみたビリーに最後まで劣勢を強いられ、単なる掴みあいに終始しているのが残念。

アクション的に最大の見せ場となるのはビリーとの一騎討ち前の敵組織の部下三人とのバトル。
ここでは刀、棒、ヌンチャクを振り回す敵と戦うのだがこのシーンだけは彼女らしい迫力ある回し蹴りが炸裂し、見せ場をつくっている。
まぁそれでもせっかく奪い取ったヌンチャクや棒を使わずあくまで素手で戦うのはちょっと残念ではあるのだが…

本作がどうにも歯切れが悪いのはアクションだけでなくストーリーにおいても雑なとこが多く、結局のところは夫が悪いやつから盗んだダイヤをそのままネコババしたから報復された話で、シンシアにとってはやぶ蛇なのだが、いつの間にか物語が進むにつれてシンシア自体もダイヤに固執してしまい本末転倒の様子。

そして最大のいらない設定はメイドのサリ。
本作のスパイスとしての設定なのだろうが、敵とエッチして主人公を流れるまま裏切ったり、主人の元恋人だったとうそぶいたりと完全なるトラブルメーカーでただでさえ分かりにくい物語をさらにカオス化させている。

サスペンス風の展開とシンシア自体のセクシー演技というチャレンジ精神は買うが本来の彼女の魅力が出ているとは言い難い作品。
筋肉格闘女子のセクシーシーンなどシンシアの違う魅力をみたいならばおさえておいてもいい作品かもしれない。


評価…★★★
(インパクトはあるけど動かないビリーに女の武器を使う格闘女優の戦いは賛否分かれるかな)

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