もうほんっっっとうに大好きで、最終回が一番悲しかったアニメです。
当時は話が難しくて、トレーズ様やリリーナ様の演説はさっぱりわからず、ただただヒイロ見たさに見てました。
初めて見たのが確か23話だったかな。デュオが主役の話で、全然ガンダムが出てこなくて不思議でした。
大人になって、ようやくストーリーに着いて行くことができるようになりました。すごい群像劇です。様々な人間が関わり合い、組織や立場が次々と変化し、翻弄されながらも戦い続ける戦士たち。
登場人物や場面がすごく多いので、セリフの意図を読み取るのが大変です。
ケレン味のあるインパクトの強いセリフでネタにされがちですが、その前後か省略されているだけで、言った人、聞いた人の中で話は通じてて、見ているうちにハッと分かる瞬間があるんです。
だから何回見ても発見があるし、見るほどに考えさせられるアニメです。美少年キャラとかネタっぽいセリフで話題ですけど、中身は実に硬派で真面目な作品です。
少なくとも、私は子どもの頃みて、わかんないなりに、平和、戦争、幸せとか、それってなんなんだろう、って考えたし、大人になってみるとこのアニメに出会えてよかったなぁー‼︎と思うのです。
まだ子どもなのに、人々の命運を握って戦う姿は悲しいです。しかも、故郷に裏切られ、帰る場所を失い、戦う理由も失い、守るべきものを無くし、それでも戦う。それはなぜなのか、考えると辛い。
シルビア・ノベンタとの話と、リリーナとの再会、サンクキングダム崩壊が好きな話です。
ヒイロがシルビア・ノベンタに、「俺にはこの生き方しかできない。」って言うんですよね。なんか、そうだよなぁ、だからヒイロはヒイロなんだなぁ、って思います。
そんな、損な生き方やめなよ。自分を大事にしなよ。そう言いたいけど、ヒイロはできない。
何考えてるのか分かりにくいですけど、自分を偽らず生きる。それが彼の生き方なんですね。
「感情のままに行動することは、正しい人間の生き方だ。」
えっ、戦闘マシーンみたいで、ロボットみたいなヒイロがこんなこと言うの?って最初はびっくりしましたけど、
そういえば、第1話からヒイロはずっとそうしてきたよな、と思いました。
一番人間らしいのは、実はヒイロなんです。
リリーナ様大好きなんですが、
運命に翻弄されつつ、信念と願いを持って生きた彼女も、まだ15歳の女の子なんですよね。
中盤以降、少し大人しくなって表情も固かったリリーナ様ですが、ヒイロと再会した時の小生意気な表情がもう可愛くて可愛くて!
リリーナ様はヒイロが大好きなんだなぁー‼︎とほっこりする場面で好きなんです。
で、サンクキングダム崩壊では、
小さい頃はわからなかった演説に、大人になってから号泣でした。
なんて誇り高い人なんだろう。
リリーナ様は、きっとヒイロが普通の男の子として暮らせる世界を作りたかったんだと思います。
ヒイロと出会って、死と隣り合わせの男の子がいるってこと。
他人を殺さなければ生きられない子どもがいるってこと。
名前を持たない子どもがいるってこと。
学校に行ったり、誕生日を迎える日常がないってこと。
そういうことをまざまざと実感して、彼女の理想は形作られていったと思うのです。
だから、サンクキングダムでヒイロに、「あなたもここでは、ただの男子生徒です。」って言ったの、
いいなぁ、って思います。
最終回の後、彼らの人生はどうなっていくのか分かりませんが、
ヒイロにとってリリーナ様はきっと平和の象徴。
リリーナ様にとってヒイロは希望の象徴。
ずっとずっと大切な人でいるんだと思います。