昨日の小説はある意味で自分への反省でもあります。


無意識のうちにヴァネスと比べてる自分に気がついた。

なのでああいう形になりますた。


音のみで勝負する孝天が好きだったんじゃん。ワシ。


あらためてそう思いますたよ。うん。




さて・・いよいよ明日は孝天のファーストコンサです。


正直最近は絶賛浮気中でして・・・(汗)


もちろん孝天が好きなんですけど。


歌の上手さに韓国の間男に浮気中(笑)


でもね・・・雄の要素がちと足らないの。この人。

ワシってば「ケモノ系」が好きでして。

あ、決して好きな間男は「ケモノ系」ではございませんから(笑)


目に力ある人つーか印象がある人が大好きでして。


正直孝天のコンサート間近の今でも孝天の歌声聞いてません(おいっ)

でも生歌聴いたらきっと・・・堕ちるでしょう・・・


ファンミの時のちょっとだけの歌声でも堕ちましたし。


正直アイドルとしてのF4にはもう興味ないんです。ワシ。


アーティストとしてのヴァネス・ウーのコンサートは良かった。


そして今回のアーティストとしての朱孝天はどうだろ?


本人がかなりその辺こだわってると思うので楽しみであります。



なのでしばし間男は忘れて・・孝天に全身全霊で挑みに行ってきます。



今日日本に入ったとか入らないとか・・・


孝天もリハーサル頑張るんでしょうか?

取材も大変多そうですねぇ・・・


また雑誌を買ってしまうんでしょうね~♪


さて、まだ実感が湧かないワシですが。

会場に入って初めて実感湧きそうです。うん。


妄想も最近はヴァネさんが盛り上がってきてます。

こちらでは爽やか路線なので書くのに結構悩んでるのが正直なところ(笑)


今回はコンサートも近いってことで・・・


また一味違った風味で行こうかなぁ・・・


では・・・どぞ。





「彼らしく」<孝天編>


「うーん・・実感湧かないよ・・・まだ全然。」

「何が?」

「ん?孝天のコンサートが日本でやることにさ。」

「おい・・・そりゃないだろ?」


孝天は酷いなとあたしに言いながらギターをいじっている。


だって・・・今目の前にいるんだし。


「情報も記者会見も無かったでしょ?」

「あぁ・・・まぁね。」

「ヴァネスの時はあったからさ・・・やるんだなって実感湧いたけどね」

「時間の調整もつかなかったし。俺らしくないかなって。」

「でもさ・・・記者会見したりすれば色んな人が見に来るかもしれないでしょ?」


孝天はギターを置いてコーヒーを入れにキッチンへ向かう。

「お前も飲むだろ?」

「あ・・貰う。ありがと」

「ほら・・・」

コーヒーを手渡してあたしの座っているソファーの下に腰を下ろす。


「まぁ・・・ヴァネスと俺とは音楽のスタイル違うしな・・・」

「うん。それは解ってるよ。でもさ・・・ゲストとか来るのかなとか・・・ファンとしては知りたいじゃない?」

「俺だけじゃ駄目か?」

「そんなことないけど・・・」

あたしはコーヒーを飲みながら孝天をじっと見る・・・


孝天はコーヒーを口にした後カップをテーブルに置いた。

そしてあたしの方へ身体を寄りかからせてあたしの顔を下から覗き込んだ・・・


「お前さ・・・ヴァネスと俺を比べてるだろ・・・何気なく・・・」

「・・・・あ・・・・」

孝天は笑いながらもため息をついた。

「あのなぁ・・・会場は確かにヴァネスと同じ箱だけどな・・・ヴァネスは追加も出たし。

 でも俺は俺だろ?別に追加出なくても出てもどうでも良いことじゃないか?」

「う・・・ん・・・確かに。」

「チケットがさばき切れなくても俺がやってて楽しいステージなら良いと思わないか?」

「思うよ。うん。」

「記者会見で俺が『バリバリ踊ります。頑張ります!』って言ったら客増えると思うか?」


そう言われてあたしは思わず孝天がヴァネス並みに肌を見せて踊る姿を想像して吹き出した。

「ある意味・・・増えそうな気もする・・・あははは・・・」

「馬鹿かよ・・・全く」

孝天も笑っている。

「ま、孝天らしくは無いよね・・・うん。」

「だろ?だから・・・比べる必要ないんだよ。俺は俺。そういうことだよ」

「そうだよね・・・うん。」

「ま、リハーサルは必死にやってるけどな。日本語も話せるように頑張ってるし」

「うん。それだけでちょっと楽しみなんだけど。」


「だろ~?」

そうニッコリ笑いながらあたしの首をグイっと無理やり自分に引き寄せる。

「強引だよね~。その強引さで客も引っ張るつもりでしょ~?」

「それを望んでるんだろ?お前もファンもさ・・・」

「・・・・うん。」


あたしがニッコリ笑うと『ホントかよ』と笑いながらあたしにキスをした・・・


そうだよね・・・孝天はヴァネスじゃないし旭兄さんでもない。

孝天は孝天なんだから。


あたしは孝天らしいステージが見れることにちょっとずつワクワクしていた。




本日はバイト先自体が店休でした。


なので久々に一人で映画へ・・レディースデイでしたし。


見たいと思っていた「墨攻」を見ました。


いやぁ・・・アン・ソンギがスゲェ。

アンディーラウと対等にスクリーンで張り合う姿。素晴しい。


このアン・ソンギはどんな役でもこなす名俳優ですな。

韓国の俳優さんていうと大抵イメージが固定してる印象が多いんですけどね。


アンディーラウが相手じゃなかったら・・・完全にアン・ソンギに相手は食われたでしょうねぇ・・


ストーリーはこれから見ようとしている方もいらっしゃるでしょうし。

言いませんが。


見て思ったこと・・・・


ハリウッドじゃ絶対作らないな・・・こういう作品は。


戦争を美化せずにどれだけむごいか・・・

上に立つ人間がどれだけ重要か・・・


今も昔も変わらない


上に立つものは無傷でいつも傷つくのは民衆達。


人を利用して上に立つ・・・何て愚かなことか。


しみじみ思いました。この映画見て。



でもね・・・この映画の売り「戦わずして勝利を得る」っていうのは

かなり違うと思うぞ・・・


香港映画というかアジア映画が多くの映画館で見れることは嬉しいことですな。


久々にのんびりした一日を過ごしました。


エネルギー充電完了~!!

今日仕事の納品帰りに寄ったTSUTAYAでCDを借りてきますた。

最近アジア圏のものが多かったんだけど。

ずっと聞きたかったCDを3枚ほど。

洋楽バリバリに聴いていた頃(しかもゴリゴリバキバキ物ね)でも好きだった

TLCの「Now&Forever」

何日か前にテレビでやっていたJAY-Zのライブで言ってたんだよね。

「レフトアイの事を俺たちは忘れない!」って。

他にも不幸にも先に逝った仲間の名前を叫んでたっけ。

なのでベスト盤を借りてきますた。

今ではデスチャが有名だけど昔はTLCだったんだよぉ。

それから

BEPの「エレファンク」



これは「モンキービジネス」の前の作品だったっけか。

前の作品も聞きたいと思って。

ワシの大好きなヴァネさんのコンサートでも少し歌われた

「Where Is The Love」が入っているので。

そして最後の一枚が

JETの「GET BORN」



これは元々好きな音楽のジャンルに近いと思う。

ギターサウンド大好きなんで。

あの声も好きだし。

ipodのCMで使われた曲も入ってるし

元々好きで気になってたし。

久々に英語の歌に浸りまくり。

英語だからなんとなく意味わかるしね。

英語くらいには北京語も韓国語もわかると楽しいだろうなと

音楽聞いてるとしみじみ思う。

でも習う時間もお金も無いしなぁ・・・



さてさて・・・来週の今頃は魂抜けてるんですかね?


孝天のコンサートまで1週間切ったわけですが。



実感が湧かないのですよ・・・



孝天の関係だとどうしたっていつもギリギリまでそうなんだなぁ・・・



やらなければならないことが結構あるのに・・・


まだ何にも手つけてません。



あうぅ・・・


昔っからギリギリにならないとエンジンかからないこの性格。


どうにかならないもんですかね・・・



孝天のライブに関しては


音を楽しんでくる この一つだけの目的なんで。


最悪身体一つでぶつかってまいりますが。



一番なのは孝天本人が楽しんでライブやってくれることが一番!





ヴァネさんの時のようにアルバムからの曲の

全く雰囲気が変わったヴァージョン違いとか聞けたなら・・・


・・・・幸せなこと間違いなし!


このお方の場合変な小細工やらお飾りなど一切いらないからっ!

(いや誰かが小細工してるとかお飾りバリバリしてるとか言ってるわけではないので。)


やってる本人が楽しければ見てる側も楽しい。

これがライブの基本なんで。


とりあえず今は自然に流れるままに・・・


実感湧かないままでいようっと。




土曜日です。ハイ。


孝天編をお休みさせていただいて妄想力も復活っ!

まぁ元々枯れるどころか・・・駄々モレなんですけどね(汗)


ヴァレンタイン妄想で久々にヴァネさんと汐音のカップルを書いたんですが

実は別館でリンクさせたいヴァネ話がありまして。


そちらと繋がる話を一つ・・・こちらで書こうかと。


せっかく新しいシリーズ書き始めたのに・・・・


ということでもう少しヴァネス&汐音のカップルにお付き合いくださいませ。


ま、来週は孝天のコンサなのでお休みいただきますが。



ということで・・・・どうぞ。



「You’re My Sunshine - いつか会いに行く為に -」




「ねぇ・・・汐音ってパスポート持ってるの?」


コーヒーを飲みながらソファーで休んでいたヴァネスが声をかける


「え?・・・海外どころか北海道や沖縄にさえ行ったことないよ

 パスポートなんて持ってるわけないじゃない。

 海外旅行なんて夢のまた夢だしね・・・・」

「国内も行かないのかぁ・・・俺の方が国内もあちこち行ってるかもな・・・

 大阪だろ・・北海道にも沖縄も行ったことあるよ。

 そういえば初めて仕事で行ったのも沖縄だったなぁ・・・・

 飛行機じゃなくて船だったけどね・・・」

「へぇ・・・そうなんだ?」


ヴァネスはそうあたしに言ってしばらく考え込んでいた。


「汐音。これから行こうか!」

「ん?何処に?」

「何処にって・・・パスポートの申請にだよ。」

「あたし海外行く予定ないよ?」

「・・・俺の家に遊びに来るためにだろ・・・」

「ヴァネスの家って・・・台湾ってこと?」

「当たり前だろ・・パスポート持ってればL.Aの俺の実家にも遊びに行けるしさ・・・」


「とりあえず必要なもの揃えないとね・・・。汐音!着替えて行く準備しよう!」


「本気で?ヴァネスってば朝から元気だね・・・」


あたしは呆れながらヴァネスにそう言ったけれど嬉しくて仕方がなかった。


あたし達は朝食も取らずに家を出て市役所に向かった。


「何かヴァネスと二人でこういう場所に来てるのが不思議・・・」

「へぇ・・・日本の役所ってこんななんだ・・・面白いな・・・」

ヴァネスは興味津々でまわりを見回しながらあたしの横に付き添っていた。


あたしはパスポート申請に必要な書類を発行するために申請した。


側にある席に座って待つ・・・

「平日なのに人が大勢いるね・・・」

「うん。平日しか開いてないしね・・・」


あたしの名前が呼ばれて無事書類を受け取った。


「次は・・・写真かぁ・・・」

「照明写真なら撮れる場所知ってるから大丈夫。そこで撮って行こうっと」」


移動の途中に見つけたスピード写真のブースであたしは写真を撮ることにした。

「へぇ・・・普通に街中にあるんだな・・・お店の前とかにさ・・・

 ガスステーションの中にとかしか無いんだよな・・・アメリカはさ。」

「そうなんだ・・撮ってくるから待ってて。」

あたしは鏡で髪型をチェックしてほんのちょっと微笑んで写真を撮った。

「お?出来たみたいだな・・・ふーん・・・汐音は実物のほうが可愛いかもなぁ」

ヴァネスは出来上がったあたしの写真を見て笑った。


「・・・それって写真写りが悪いって言いたいの?」

「ほら・・・顔が少し緊張してる・・・」

楽しそうにヴァネスはあたしに言った。


「・・・そうだ。せっかくだから二人で撮らない?」

ヴァネスがあたしの手を取って狭いブース内に誘う。

「プリクラじゃないよ・・」

「良いから。アメリカだと結構カップルとか友達とかと撮るんだ。」

小銭をあたしに渡してヘアースタイルを鏡でチェックしている・・

あたしは笑ってお金を入れた。


「汐音・・・ほら・・・Big Smile♪」

ヴァネスはそう言いながらあたしの顔に頬を寄せてニッコリ笑った。

あたしもつられて笑顔で写る。

シャッターが切られる度にヴァネスはあたしの頬にキスをしたり首筋にキスをした。

「もうこれがラスト?」

「うん。次が最後だよ・・・」

「汐音・・・こっち向いて」

「何?もうすぐ撮られるよ・・・」

あたしがそう言いながら彼のほうへ顔を向けるとヴァネスはあたしの唇にキスをした。

「ん。最高に良いショットが取れた」


ブースの外に出て出来上がった写真を見て満足気にヴァネスは笑った。

「後で半分ずつ分けようね。最後のはあたしが貰っても良いかな?」

「どうぞ。喜んで。」

あたしとヴァネスは手を繋いで駅へと向かった。


平日のためそれほど電車も込んでいなかったけれど目的の駅に近づくにつれて

車内も混雑していた。

背の高いヴァネスはつり革の手すりの吊られているバーに捕まってあたしはヴァネスに捕まっていた。

ただでさえ背が高いヴァネスは車内で目立っていたが本人はあまり気にしていない様子だった。

「さすがに日本の電車は混んでるよね・・・普段電車なんてあんまり乗らないから楽しいけどさ」

「楽しいって・・・毎日乗る人間としては羨ましい台詞だよ・・・」

揺れに耐えられずよろけるあたしの背中を手で押さえてヴァネスはニコニコしている。

こんな時さりげなく優しい気配りが出来る彼が凄いと思ってしまう。

「あ・・次で降りるよ・・ヴァネス」

「ん。解った。」

あたしとヴァネスは駅で降りた。


時計に目をやるとパスポートセンターがお昼休みになる時間に近かった。

「今行っても多分受付間に合わないかも・・・どっかで食事して行く?」

ヴァネスにそう声をかけた。

「朝食も食べてないしね・・・何食べようか?」

「カフェあたりで軽めにしておく?」

「お腹ペコペコなんだよね・・・」

あたしはヴァネスが食事できそうな場所を考えていた。

ファーストフード店はいたるところにあったけれど

ヴァネスには目の毒なものが多いだろう・・


あたしはこの近くにあるホテルのランチビュッフェのことを思い出した。

「そうだ・・この辺にランチビュッフェやってるホテルがあったはず・・・

 そこでならサラダもあるしフルーツもあると思うよ。」

「じゃぁそこにしようよ。」

「あ・・・でも平日でも結構混んでるかも・・・並ぶかもよ・・」

「ん?別に平気だよ。汐音と二人で待ってれば平気だし」

「うん。そうだね」

あたし達はさっそくそのホテルを目指して歩き出した。


目的地のホテルのレストランは平日なのに人が多かった。

主婦の人たちが来ているのだろう。

二人で並んで順番を待つ。

ヴァネスと並んでるのが何だか不思議で楽しい。

ヴァネスはランチビュッフェが紹介されているホテルのパンフレットを見ていた。

写真を見てなんとなくチェックしているだけだけど楽しそうにしていた。


「見て解る?」

「うーん・・なんとなくね・・何がお勧めなんだろね?」

あたしはパンフレットを覗き込む

「あ・・焼きたてローストビーフとイタリア料理って書いてあるね・・」

「ふーん・・ローストビーフがお勧めかぁ・・・・食べちゃおっかなぁ・・・」

あたし達の会話を聞いていた前の人達が話かけてくる

「お嬢さん方ここ初めてなの?」

ヴァネスはニコニコしながら話を聞いている。

「あ、ハイ。何が美味しいですか?」

「そうねぇ・・・やっぱりローストビーフとかステーキもあるわよ。

 あとはねぇ何だっけ?フォアグラとかもあったかしら?」

ヴァネスはステーキとかフォアグラとかの単語を耳にして

「ホント?」と嬉しそうに話しかけている。

「あらよその国の人だったんだ?そうよ!ホントよ~」

「食べちゃおっと。せっかくこの人達のお勧めだしね~」

ヴァネスはニコニコしながらあたしに英語で話しかける

「ん?お兄さん何だって?」

「あ、せっかく皆さんのお勧めだから食べようって言ってます。」

「そうよそうよ!是非沢山食べなさいよ!大きな体してるんだから。

 おかわり自由だしね。遠慮は駄目よ~」

あたしはヴァネスがあたしに何を言ってるか耳を寄せてきたので

簡単な英語でその人たちがヴァネスに何を言ったか説明した。

「ハイ。タクサンタベマス♪」

そうニッコリと笑いながらヴァネスはその人達に答えた。

「お兄さん笑顔が素敵ね~。お嬢さんの彼?」

「あ・・ハイ。」

あたしまで笑顔になって会話をする。

「良いわね~素敵な彼で。」

ヴァネスはニコニコしながらあたしを見ていた。


「あら、順番が来たわね。それじゃ沢山食べてね~」

あたし達も順番が来たのでその人達と笑顔で手を振って別れた。

テーブルに案内されて二人で大笑いしていた。

「面白かったな・・・あのおばさん達・・・」

「うん。まさに日本のおばちゃんって感じだね~」

あたしはそう答えながらヴァネスに尋ねた。

「でも本当に食べて良いの?身体絞ってるんでしょ?今も」

「うーん・・そうなんだけどね・・・やっぱりお勧めだし・・・

 あの人達も薦めてくれるからさぁ・・・」

「・・・知らないよぉ・・・」

「汐音が後で俺に協力してくれれば良いんだよ」

「協力って・・・」

ヴァネスは小声であたしに耳をかすように手をヒラヒラとさせた。

「・・・・汐音とのベッドでの運動に決まってるじゃん・・」

思わずあたしは固まってしまう・・・

「ね?だから少し食べちゃおうっと♪」

楽しそうにそう言ってヴァネスは料理を取りに行くために立ち上がった。

「・・・お好きにどうぞ。」

あたしも笑ってヴァネスと一緒に料理を取りに行った。


料理は大量のサラダとローストビーフを持ってきたヴァネスのと

あたしが色々と美味しそうなのを持ってきたのをお互い味見をしたりして

楽しいひと時だった。

あたし達が食事を終える頃には店内もそれほど混雑してはいなかったので

食後のコーヒーを飲みながらあたし達は残りの時間を過ごしていた。


「美味しかったね。」

「うん。しっかし・・・皆良く食べるな・・・」

ヴァネスは笑いながら周りを見渡して言った。

「まぁね・・ビュッフェだしね・・・」

「そういえば、さっき前に並んでいたおばさんに『これも美味しいわよ。食べなさい』って

 お皿に盛られたよ・・・思わず笑ってお礼言っちゃったよ」

「あはは。こういう食事も楽しいよね~」

「普段は食事を楽しむっていうか時間ゆっくり取れないからな・・」

「そっか・・・忙しいもんね・・・」

「うん。今日は汐音とこういう場所に来れて楽しかったな」

ニッコリ笑ってあたしに嬉しそうに言った。

「なら良かった。」

あたしも笑顔でヴァネスに答えた。


「さて・・・そろそろ受付時間再開するから行こうか・・・」

「早くパスポート申請して汐音の家でゆっくりしたいな・・・」

あたし達は会計を済ませてホテルを後にした。


パスポートセンターに到着すると平日なのに同じ目的の人が大勢待っていた。

「うわぁ・・凄いね。皆海外行くためにパスポート作る人だよね・・・」

あたしとヴァネスは書類の用意をして並んでいた。

「あ、時間かかるかもしれないかCDショップでも覗いてきたら?」

あたしはヴァネスに声をかけた。

「ん?平気だけど?一緒に待ってるのも楽しいって。」

「そう?なら良いけど・・・」

あたしは受付で書類を提出するための準備をした。


自分の名前が呼ばれるまでパスポートセンターの横の旅行グッズが売っている店内を見ていた。

ヴァネスは興味津々でグッズを手にしては見ていた。

そこには便利な旅行グッズや色々な国のガイドブックも並んでいた。

あたしは台湾のガイドブックを手にして中身を見ていた。


「な~にガイドブックなんて見てるんだよ・・・

 ここに歩く台湾ガイドブックがいるのにさぁ・・・」

ヴァネスがあたしの見ていたガイドブックを取り上げて中身をペラペラと覗いている

「歩くガイドブックって・・・あたし台湾がどんな場所かも全然知らないんだもん・・・」

あたしはヴァネスの手からガイドブックを取り返して中身を見た。

「別にこれ片手に観光しようとは思ってませんてば。」

あたしの頭の上からガイドブックを覗き込みながらヴァネスがあたしに尋ねる

「・・・どんなところが載ってる?」

「うーん・・・そうだねぇ・・・」

あたしはペラペラとめくって見せた。

「ふーん・・・やっぱり一般的な場所だけだな・・・ナイトクラビングの店は載ってないだろ?」

「うーん・・・あっても有名な場所だけって感じなのかな?ここ知ってる?」

あたしは載っていた店をヴァネスに尋ねる

「うへぇ・・・ここかぁ・・・地元の若い奴は行かないね・・・絶対に。」

「そうなの?ふーん・・・それじゃこういうお店はヴァネスにお任せってことだね」

「任せてよ!楽しい場所に一緒に行こう」

ヴァネスは得意げに笑ってあたしに答えた。


あたしの名前が呼ばれてあたしは無事パスポート申請を終えた。

実際に手元にパスポートがくるのは少し先だけれど楽しみだった。



あたしとヴァネスは帰宅する間ずっと手を繋いで話をしていた。

「早くパスポート出来ると良いな・・・・楽しみ。

 パスポートあれば色んな国にいけるんだよね~」

「うん。とりあえず最初は台湾だからな。」

「うん。絶対台湾に行くよ」

「まずは・・・俺の家に汐音を招待しないとな~」

夕暮れが近くなって少しずつ寒さが降り注いでくる中

ヴァネスは笑いながらあたしの肩に腕をまわして言った。


「今日は一日中外にいたからさ・・・これからの時間はのんびり

 汐音と家で過ごしたいな・・・食事も適当で良いからさ。」

「うん。疲れたね~でも楽しかったね。」

「急いで帰ろう!」

あたし達は駅へと二人で歩いた・・・


数週間後あたしの手元には真新しい紙の匂いがする

パスポートがあった。

あたしは嬉しくて意味もなく携帯で画像に納めてヴァネスにメールを送った。


《パスポートできたよ~!これでいつでも会いに行けるね~(^_^)v》


昨日はもうすぐ書きあがる!って時に2号に呼ばれて


寝るのに付き合ったんですけど・・・


力尽きて起きたのがAM2:30だった!


・・・既に終わってるし。ヴァレンタイン当日ってば。


結局書き上げて終わったのが4時過ぎでした。


まぁ今日バイト休みだったんで。良かったです。


前編のコメントへのお礼もまだっだったし、後編のコメントにもレスつけてないです。


レス入れても雨降るとどうもネットが繋がらなくなるんですよ。


ま、言い訳にしか聞こえませんが。


しかしながら皆様からの温かいコメントしっかり読ませていただいてます。

コメが無いときは「あぁ・・忙しいんだな・・・妄想駄々モレで」と思ってやっていただければ嬉しいです。


その分しっかり妄想小説に反映して行きますので。


とか言っておきながら本日はさすがに昨日、一昨日と書き上げましたので土曜日のヴァネさん編までお休み

させていただこうかと・・・


また土曜日にヴァネさん編で楽しんでいただけたら嬉しいです。


別館もネタがあっても時間が無しという状態で。

のんびりマイペースながら相手してやってくださいまし。




<お詫び>

スイマセン・・・小説書いてる途中に子供を寝かしつけてたら

寝こけてしまいますた・・・

なので文章が14日付けになってます・・・

おかしい部分もありますが・・気にしないで下さいね・・・



どうも。こんばんは。

ヴァレンタイン当日皆さんはどう過ごされてるのかな・・・・


大好きな人と過ごされてますかね?


我が家は何も変わりなく・・・です。



さて、昨日から続きます孝天編



皆さんに読まれて幸せものです。



では・・後編をどぞ。



「年下の後輩 -二人のこれから-」 <後編>



昨日どうやって家まで戻ってきたのか覚えていない・・・

アルコールも取っていないのに・・・


辛い身体を無理やり起こして鏡で自分の酷い表情に驚いていた・・・

泣きながら眠ったのか眼が酷く赤かった。


昨日の全てが夢だったら・・・

あたしはそう願ったけれどケンからの電話で本当だと知らされた。

『もしもし?祥子?』

「あ・・おはよう!早いね・・・どうしたの?朝から・・・」

『驚いたか?馬場部長がどうしたんだか今日一日休みくれたんだよ』

「・・・え?」

『祥子も休めるらしいぞ・・・海外部の部長にも許可貰ったって言ってたな』

「・・・そうなんだ・・・」

・・・馬場部長のせめてものあたしへの償いなのだろう・・・

『・・・嬉しくないのか?祥子は・・・』

「そんなことないよ!今日一日ずっとケンと過ごせるってことでしょ?」

あたしはわざと声を高めにはしゃいでみせる。

『あぁ・・ずっと一緒だよ・・・早く会いたいよ・・・』

「うん・・・あたしもだよ」

あたしは必死に鼻声になりそうなのを我慢した。

『迎えに行くから。用意しとけよ。』

「うん。待ってるね。」

あたしは電話を切ってため息をついた。

ケンはまだやっぱり知らないみたいだ・・・

・・・あたしから切り出さないと・・・


あたしはバスタブにお湯を張る間に着ていく服を選んだ。

最後のケンとのデート。

あたしを覚えておいてほしい・・・一番あたしらしい服装。

あたしは普段二人で出かける時の服装を選んだ


会社でのスーツ姿ではなくデニムとシンプルなシャツの自分を

最後にケンに覚えてもらおう・・・

あたしはそう思いながら服を用意した。

気を抜くと涙がポロポロと零れ落ちる。

「・・・最後までしっかりしなくちゃ・・・しっかりとね」

あたしは涙を拭いてバスルームへ向かった。


腫れぼったい目を詰めたい水で洗う。

バスルームから出たあたしは薄めのメイクをして準備をした。


あたしが準備し終わった後ケンが家にやってきた。

「お!すっかり準備できてたな・・・普段着じゃん・・・」

ケンは少しがっかりした顔であたしに言った。

「普段着じゃ駄目なわけ?」

「せっかくのヴァレンタインデーなのに・・・お洒落しなよ・・・」

「良いの。あたしらしいでしょ?スーツは会社だけで良いって。」

「ま・・・そうかもなぁ・・・それじゃ出かけるか・・・」

「どこ行くの?」

「ん?まずは腹ごしらえかな・・・行くぞ。」

ケンはあたしに笑いながらあたしの手を握った。


あたしは泣きそうになるのを我慢して笑った。


「昨日は悪かったな・・・参ったよ。相手先の社長がさ娘連れて来てたんだ・・・

 何だかなぁって感じだったな・・・何の為に呼ばれたんだか。」

「・・・・そうなんだ?まぁ相手先との付き合いも大事だからねぇ・・・」

「まぁね。昼飯何にするか・・・」

「そうだなぁ・・・ねぇ・・・せっかくだから外で食べない?」

「はぁ?外って・・・」

「うーん・・・公園とか・・・どう?」

「もっとロマンチックな場所にしないか?」

「・・・ロマンチックじゃない?仕事してる皆を見ながら二人で芝生でのんびり過ごすのってさ・・・」

「そうかな・・・ま、祥子が行きたいなら構わないけど」

「んじゃ決まりね。お弁当作ってくれば良かったね・・・」

あたしは笑ってケンに言った。


公園の噴水の近くのベンチに座ってあたし達はコンビニのおにぎりに齧りついていた。

「・・・なんか普段と変わらないな・・・全く。」

「良いじゃない・・・みんな仕事中にのんびりだよ?それだけで贅沢だって。」

あたしはコーヒーを口にしながらケンに答える

「まぁね・・・眠くなるな・・・天気良いとさ・・・」

そう言いながらあたしの足に頭を乗せて寝転んだ。

ケンはあたしを見上げながら目を瞑った。

「・・・確かに贅沢な時間だよな・・・」

「・・・うん。」

あたしはケンの伸びた髪にそっと触れた。

・・・・もうこんな穏やかなケンの顔も見ることが出来ない・・・・

あたしはそっとケンの頬に触れた・・・

ケンがあたしの首に手をまわしてあたしを自分に引き寄せた。

「祥子・・・お前がどうしようもなく好きだよ・・・オレ。」

「・・・・うん。あたしも・・・・大好きだよ・・・ケン」

あたし達はそのままキスをする・・・・

大好きだよ・・・・たまらないほどケンが・・・・

だけどね・・・あたし達はずっとこのままではいられない・・・・


「・・・どうした?祥子」

ケンがあたしの頬にそっと手を触れた。

「え?何?」

「・・・泣いてるのか?」

「・・・・え?」

あたしは慌てて頬に触れると涙がこぼれていた。

「・・・何で泣いてるのかな?・・・あんまり幸せすぎて知らないうちに涙出ちゃったみたい・・・」

あたしは笑ってケンに言った。

「・・・・何だよ・・・幸せすぎてって・・・・」

「だって・・・幸せなんだもん・・・あたし今今までで一番幸せだもん」

「何だよ・・・これからずっと二人一緒なんだからさ・・一々泣くなよ・・・」

「・・・・ウルサイよ。まったく・・・」

あたしはケンのほっぺたを引っ張った。


「ねぇ・・・そろそろ遊びに行こうか?」

「そうだな・・・何処行くか・・・・」

「うーん・・・何か思いっきり大声出したいな。」

「・・・遊園地か?」

「でも混んでるよね・・・今日なんて。」

「そうだなぁ・・・お!空いてるところ知ってるぞ」

「ホント?それじゃ行こうよ!」

あたし達は立ち上がって二人で手を繋いで歩き出した。



「・・・・確かに・・・空いてる・・・」

「・・・・だろ~?」

あたし達は浅草の花やしきの前にいた。

「・・・・貸切っぽい気分だね・・・」

「良いじゃん。とりあえず入るぞ。」


「あ、ジェットコースターがあるよ!乗ろうよ!」

「・・・・パス。オレ嫌いだもん・・・」

「・・・・これなら怖くないと思うけどな・・・」

「ほら・・・乗ろうよ~。」

あたしは無理やりケンを連れて乗った。

「あははは・・・・低い~。ゆっくりだよ~!」

あたしは大笑いしながら両手を挙げて大声を出した。

「・・・違う意味で怖いぞ・・・このジェットコースター・・・・」

ケンは引きつった顔であたしに答えた。


「ふぅ・・・面白かった~。あなどれないね~花やしき。」

あたしは大笑いしながらケンと歩いた。

「ねぇねぇ何か食べようよ!喉も渇いたし!」

「はいはい・・・随分今日は甘えるなぁ・・・」

「・・・何よ・・・甘えたらいけない?年上だから?」

「そんなこと言ってないだろ・・・・」

「今日は今まで甘えてなかったから一気に甘えるよ~!!」

「ん。良いよ。思いっきりオレに甘えろよ~」

うん・・・最後だもんね・・・こうやって甘えられるのもさ・・・


あたしは出来る限り自分のしてもらいたいことをケンにねだった。


ケンは苦笑いしながらもあたしに付き合ってくれた。


「プリクラ~!撮るよ~!ケン!」

「・・・これは勘弁だな・・・」

「何でよ・・・お願いだってば・・・撮ろうよ~!」

「いつでも一緒にいられるのに何で写真に残すんだよ・・・」

「良いじゃん・・・会社でさ・・・別部署だし。時間が空いたときあたしが眺めたいんだもん」

「帰りも一緒に帰るだろ?時間が合えばさ・・・」

「・・・・そうだけどさ・・・」

・・・・もうそんなこと出来ないんだよ・・・せめて手元に残させてよ・・・

あたしは下を向いて黙っていた。


ケンはクスっと笑ってあたしの頭をクシャっと撫でた。

「・・・解ったよ。一緒に撮ろう」

「うん。ありがと・・・ケン。」

あたしはケンと二人でプリクラを撮った。

「出来たか?見せてみろよ・・・」

あたしは出来上がったプリクラを見た。

少しケンより後で泣くのを堪えた自分の顔が写っていた。

「あたしの宝物だもんね~見せない!」

あたしは急いでバッグにしまった。

「何だよ・・・ったく。」

あたしの宝物・・・たった一つ二人が一緒に過ごした証拠だ・・・


「ねぇ・・・夕飯はさぁ・・・あの屋台行かない?」

あたしはケンにそう声をかけた。

「良いよ。行くか・・・」

あたし達は二人の思い出の場所のおでん屋の屋台へ向かった。

今までも色々なことを告白したあの場所であたしはケンに別れをつげる・・・



「久しぶりだね~。ここに来たのもさ。」

「そうだな・・・会社帰りじゃないのって初めてだよな・・・」

「そういえばそうだね。」

「ここでさ・・・色々言われたよな・・・付き合えないとかさ・・・」

「・・・・そうだね・・・」

「今日も何か話あるんだろ?祥子がここに来ようって言った時からそんな気がしたんだ」

「・・・・さすが・・・」

「・・・で?話って?」

あたしはケンのほうを見ないでまっすぐ前を向いたまま口を開いた。


「・・・・今日で終わりにしようよ・・・あたしたち・・・」

「・・・・何言ってんだ?いきなり・・・・」

ケンは笑っていた。

「・・・・冗談で言ってるんじゃないの・・・あたし本気なの。」

「・・・・・おい・・・いい加減にしろよ・・・」

「・・・・聞いて・・・あたし達がこのまま付き合ったらさ・・・会社が危ないの。」

あたしはケンの顔を見れないままでいた。

見なくてもケンが怒っているのがわかる・・・

「何言ってんだよ・・・会社が危ないって・・・・」

「・・・・あたし達がこのまま付き合ってたら・・・プロジェクトが中止になるの。」

「・・・・・意味わかんないよ・・・ちゃんと説明しろよ。オレの顔見て説明しろ。」

ケンの声が大きくなって語尾も荒くなっていた・・・


あたしはコップのお酒を飲んでケンの顔を見た。

「・・・・出資先の要望だよ・・・断れば出資が中止されるの。」

「・・・・何だよそれ・・・」

「・・・・相手先の社長のお嬢さんがね・・・昨日会った人だと思う。

 ケンがあたしと別れなければ出資を止めるってさ。

 馬場部長から聞いたの。だから・・・終わりにしようよ。」

「・・・・ふざけんな。何でそんなことで別れるんだよ。

 あの社長・・・何なんだよ。・・・くそっ・・・」

孝天は携帯電話をとりだしてどこかへ電話しようとした。

「何やってんのよ!」

「社長に伝えるんだよ!祥子と別れる気なんてないってな」

「やめてよ!そんなことしたらプロジェクト中止になるでしょ!」

「何で祥子にそこまでさせるんだよ!部長も部長だろ!」

「部長だってあたしに土下座までして頼んだんだよ!

 何でかわからない?

 プロジェクト中止になったら会社が大損害受けて

 リストラとか始まるんだよ?

 みんな家族を必死に養ってるんだよ!

 あたしの決断一つでみんなの家族が不幸になるんだよ!」

「だからって祥子の人生は良いのかよ!」

「・・・・みんなが助かるなら・・・・構わないよ・・・

 あたし・・・・あの会社好きだもん・・・馬場部長も大好きだもん」

「だからって・・・」

「・・・・ごめん。あたしが決断したの。

 もうこれは絶対に変わらないから。明日馬場部長に返事するの。」

「やめろよ・・・」

「ケン・・・あたしさ・・・言ったよね・・・前にも。

 仕事は人の為にするもんじゃないって。

 でもね・・・あたしは今回だけはケンのため会社のために決断するよ。」

「やめろって・・・祥子・・・」

「・・・あたしね・・・嬉しかったよ。甘えたあたしも受け入れてくれたし。

 あたしの我侭を聞いてくれたでしょ?

 今日一日部長があたし達の為に休みをくれたのに感謝してる。

 部長のこと恨んだりしないでね・・・

 いっぱいこれから先の分まで楽しい思い出できたから。」

あたしは泣きながら笑ってケンに言った。

「・・・やめろよ・・・頼むから・・・」

「ケン・・・あたしに気持ちを頂戴・・・たとえ離れたとしても気持ちだけを胸に生きていくからさ・・・

 あたしのケンへの思いをさ・・・全部ケンに預けるから・・・ね?」

「祥子・・・・」

あたし達はもうそれから何も話をしなかった。

ケンも解っているんだと思う。

これ以上何を言ってもあたしを説得するのは無理だということを。

そして会社のためにはこれしか方法がないということも。


あたし達はケンの家へ戻った。

「あたしのこと忘れないでね・・・ケン・・・」

あたし達はもう何も言わずに身体を重ねた・・・

ケンのぬくもりを忘れないように・・・

ケンがあたしのぬくもりを忘れないように・・・

自分の思いの丈をそのままケンに身体で伝えた・・・

あたしはケンの背中に爪を立て傷跡として残す・・・

ケンは唇であたしの身体のあらゆる場所にあたしを愛した証を残した・・・


眠らずに何度もあたし達は身体を重ねる・・・

何度目かであたし達は力尽きた・・・

「・・・・ありがとう・・・ケン・・・」

「祥子・・・もう言うな・・・ゴメンな・・・」

息を切らせながらケンがあたしを抱きしめた。

「謝らないでよ・・・ケンが悪いんじゃないよ・・・仕方ないだけ・・・

 誰が悪いわけでもないよ・・・きっと・・・」

ケンがあたしを抱きしめながらしゃくり上げていた・・・

「・・・泣かないでよ・・・ケン・・・」

あたしはケンをただ抱きしめていた・・・


泣きつかれたケンが眠っている間に

あたしはそっとベッドから抜け出て孝天の家から帰った。

あのまま朝を迎えるのはあたしには到底無理だ・・・


あたしはもう泣かないでいた。

きっと涙も枯れ果てたのだろう・・・

家へ戻って起きたら馬場部長にしっかりと返事をしよう。

そう決心して家へ戻った。


朝あたしは海外部へ顔を出した。

「おはよう!さくら!昨日は一人で休んじゃった。ゴメンね。」

「・・・・おはよう・・・祥子・・・・無理して明るくしないで良いよ。」

「あ・・・聞いてるんだ・・・もう。こっちでも知られてるってことね。」

「・・・・何て言ったらいいか・・・」

「何にも言わないでよ。もう決心したから。」

「・・・・落ち着いたら思いっきり二人で飲もうね。」

「ありがと。さくら・・・さくらがいて良かったよ。」

あたしはさくらと抱合った。


「部長・・・昨日は有給頂いてありがとうございました。」

「いや・・・馬場部長からな・・・大丈夫か?」

「ハイ。もう大丈夫です。今から開発部へ行ってきますね。」

「・・・すまない・・・お前を犠牲にしたんだよな・・・」

「何言ってるんですか?あたしここの会社の社員ですよ!

 会社の為なんですから! 行ってきますね。」

あたしは部長に頭を下げて開発部へ向かった。



海外部の長い廊下を歩いていく・・・

皆があたしを見ながら何かを言いたげだった。

「おはようございます。部長いらっしゃいますか?」

「あ・・・祥子さん・・・」

「あ、白井さん。おはよう。部長もう出社されてます?」

「あ・・・ハイ。今プロジェクトの相手先のお嬢さんが・・・」

「そうですか・・・丁度良かったです。」

あたしは部長の部屋をノックした。

「部長おはようございます。海外部の山崎です。」

「あ・・・ちょっと待ってくれ・・・」

「・・・入ってもらって・・・」

部屋の中から女性の声が聞こえる。

「失礼します・・・」

あたしはドアを開けて中へ入った。


「おはようございます。スイマセン。来客中に。」

「・・・構わないわよ。・・・・あなた?

 ケンの彼女って・・・へぇ・・・年上だったっていうのは本当だったんだ。

 ・・で?返事は?」

社長の娘らしいその女性はあたしにいきなりそう尋ねた。

「・・・部長・・・昨日のお話の件ですが・・・」

「山崎・・・」

「あたしケンと別れます。その代わりプロジェクトの出資に関しては

 必ず続けると確約をしてもらってください。」

「・・・・すまない・・・山崎・・・・」

「良いわよ・・・プロジェクトの出資はパパに続けてもらうわ。

 まぁ・・・パパは知らないけどね。このこと。」

「・・・・何言ってるんですか?社長がおっしゃったと・・・」

馬場部長が慌てていた。

「全てこのお嬢さんが言ったことですよ・・・そういうことですよね?」

「まぁね。」

「構わないですよ。それでも。プロジェクトがきちんとこれからも進むなら。」

あたしは彼女の目を見て言った。


「あなたに・・・ケンをお渡しします。

 でも覚えておいて。彼の心はあたしのもとにあるから。

 どんなにあなたが必死になったとしても

 ケンはあなたのことを絶対に好きにはならないわ。

 彼はあなたのやったことを許さないと思うから。」

「・・・・何が言いたいの?

 負け惜しみね・・・あたしに彼を奪われたから・・・・」

「・・・・奪われたんじゃないです。

 会社に勤めている人間としてあたしはケンと別れます。

 それでも彼の思いはあたしの中にあります・・・」


「部長・・・ありがとうございました。失礼します・・・」


あたしは部長に頭を下げて部屋を後にした。


廊下でケンがあたしを見つめていた。

あたしはただケンを見つめ返した・・・


・・・・あたし達はお互い何も言わずすれ違いあたしは海外部へ戻って行った。




海外部へ戻ったあたしはバッグから辞表を取り出した。

そのまま部長のもとへと向かった。


「開発部行ってきたのか?」

心配そうに部長が尋ねる。

「・・・・ハイ。ちゃんと返事してきました。

 もう問題は解決しましたから。ご心配おかけしました。」

「そっか・・・」

「それで・・・これ・・・」

あたしは辞表を部長に手渡した。


「・・・おい・・・これ・・・」

「・・・すいません・・・あたし・・・ここまでです。

 何もなかった顔をしてこのまま仕事できるほど人間できてません・・・

 空っぽなんです・・・しばらく何も手に付きそうもないです。

 情け無い部下ですいません・・・許してください・・・」

あたしは頭を下げながら部長に言った。


「・・・・スマン・・・山崎・・・・」

部長はそれ以上何も言わずあたしの辞表を受け取った。


「ありがとうございました。

 お世話になりました・・・これで失礼します・・・・」

あたしは部長にお礼を言って部屋を出た。



「祥子!」

「あ・・・さくら・・・ごめんね・・・あたしだけ先に辞めちゃって・・・」

「馬鹿たれ!何で相談しないのよ!」

「・・・ゴメンね・・・でももう無理だわ・・・空っぽなの・・・今は・・・」

「だからって辞表出さなくても・・・・」

「・・・ゴメン・・・でも落ち着いたらまた飲んでくれる?同期じゃなくなってもさ・・・」

「・・・同期じゃなくなる?飲まないわよ!あたしは親友と飲むんだから!」

「さくら・・・」

「あんたは・・・あたしの一番大切な親友よ。会社辞めようがそれは関係ないでしょ。」

「・・・ありがと。さくら。落ち着いたら連絡するね。」

「絶対だからね!良いわね!電話しなかったら許さないからね!」

あたし達は泣きながら抱合った。


あたしは海外部の皆に挨拶をして荷物をまとめて会社を出た。

辞表が受理されるのも時間の問題だ・・・

あたしは家へ戻った。


それからの2日間あたしはただひたすらに眠り続けた。

食事も最低限に取るだけでただ眠った。

あたしの心にはケンとの思い出だけが残っていた。

それ以外は何も無くなっていた・・・

3日目になりあたしはようやく起きることを決心した。

落ちるところまで落ちたあたしはもう何も考えることをしなくなった。

ただ外へ出て太陽を浴びて買物へ行こうとそれだけを考えた。


公園で子供達がはしゃいでいる中あたしは遅い昼食を取っていた。

子供の無邪気な笑顔が羨ましい・・・

そんなことを思いながら時間をすごしていると

あたしのポケットの携帯が震えた。

携帯を取り出してあたしは知らない番号を見た。

とりあえず出てみようと思った。

「・・・・もしもし?」

電話に出るとあの社長令嬢だった。

あたしは電話に出たことを後悔していた・・・

「・・・何の御用でしょうか・・・もう用件は全て終わったはずですよね。」

あたしは必死に平静を装って冷静に答えた。

きっとそれでもおかしかっただろう・・・

彼女はあたしに来るようにと一方的に告げて電話を切った。

「・・・・何なのよ・・・」

あたしはため息をつきながら独り事を言った。



静かなクラシックが流れるホテルのラウンジにあたしは思いっきり普段着で登場していた。

何も着飾る必要も無かったし彼女の為にそんなことする気もなかった。

彼女はあたしは見つけると手をあげた。

あたしは彼女の元へ近寄った。

「あの・・・何でしょうか?」

「・・・・座れば?暇でしょ?仕事辞めて別に用ないんでしょ?」

「用件のみ言ってください。暇でもあたしにもそれなりに感情があるんで」

「・・・・あなた・・・ケンになにをしたの?」

「はぁ?何を言ってるんですか?」

「・・・・ケンはすっかり腑抜けよ・・・仕事はともかく二人っきりの時なんて

 ただボーっとしてるだけ・・・あなた彼に約束させたわけ?」

「・・・約束?」

「そうよ。ケンがあたしに言ったのよ。

 『これから先も何があってもアンタを好きにはならない・・・

  オレの中身は全部祥子に預けたしな・・』
 あなた・・・ケンにそう言う様に強制したわけ?」

「・・・・強制ね・・・あなたじゃあるまいし・・・」

あたしは下を向いて苦笑した。

「あたしにどうしろと?まさか別れさせた元恋人に

 『ケン・・もうあたしのこと忘れて。彼女を愛して』って

 説得させる気ですか?・・・どこまで他人まかせ?」

あたしは呆れて彼女を馬鹿にした目線で見た。


「とにかくあたしはもう全く関係ないですから・・・失礼します。」

あたしは出されたコーヒーを一気に飲んで財布から1000円だして

テーブルの上へ置いた。

「・・・待ちなさい・・・まだ終わってないわ。」

「・・・終わってなかろうと関係ないです。じゃぁ・・・」

あたしが立ち上がって帰ろうとすると彼女はあたしの腕を乱暴に掴んだ。

「何するんですか・・・」

「・・・ケンにあたしのことを好きにさせるにはどうしたら良いわけ?」

「は?そんなこと知らないわよ・・・自分の頭で考えたら?

 権力まで使って手に入れたんでしょ?

 自分の欲しいものを。後は自分で何とかしたら?」

あたしは彼女の腕を振り解いた。

彼女の目を見ると哀れに思えた・・・

「ま、人の心を強引に自分に向けさせる方法しか知らないあなたにはきっとケンを一生変えられないだろうけどね」

あたしは彼女の目を見据えたまま言った。

「・・・・何ですって!」

その瞬間あたしは彼女に頬を叩かれていた・・・

頬に痛みが走った・・・彼女の無意味に大きい指輪で頬が切れたらしい・・・

あたしは何も言わずそのまま彼女を睨みつけていた。



「いい加減にしなさい!」

その時あたしの背後で怒鳴り声が聞こえた。

「・・・パパ・・・何でここに?」

彼女の顔色が変わった・・・・

あたしは驚いて振り返ると見知らぬ初老の男性が立っていた。

「・・・・大丈夫かね・・・君・・・」

そう言いながらあたしにハンカチを手渡した。

「あ・・・ハイ。あの・・・」

「娘が大変失礼なことをしたね・・・」

「あ・・・もしかして・・・社長ですか・・・」

あたしの質問に小さく頷いた。

「・・・・何をしてるんだ。大体話は馬場君から聞いたよ。

 お前はいつからプロジェクトの出資決定担当者になったんだ?」

「・・・パパ・・・だって・・・」

「お前は私の顔を潰したんだぞ!私だけじゃない!

 私の会社にもそして彼女やケン君の会社にも迷惑をかけたんだ!

 人の気持ちを権力で脅かして・・・何をしている!

 その上彼女に怪我までさせて・・・この馬鹿モンが!!」

静かなホテルのラウンジに大きな声が響く。


「・・・・だって・・・ケンが・・・あたしに振り向かないんだもの。

 あたしがどうやってもあたしのこと好きにならないのよ!

 この女がケンをそうさせてるとしか思えないじゃないっ!」

「・・・・お前にはケン君は無理だよ。

 ケン君はねこの山崎君が今でも好きなんだろう。

 お前は人の心を強引に自分に向けさせようとしてるが

 それはどんなに偉い人間でも不可能なことなんだよ。」

「・・・・パパ・・・・」

「とにかく、これ以上勝手はさせん。

 ケン君を彼女の元に返しなさい。いいね。

 これは命令だ。返事は!」

「・・・・解ったわ・・・パパ・・・・」

「帰りなさい。私は彼女と話がある・・・早く!」

彼女は下を向いたままラウンジから出て行った。



あたしは呆然としたまま頬をハンカチで押さえていた。

「頬・・・大丈夫かね?すまなかった・・・」

「あ・・・いえ・・・」

あたしはそう答えたがハンカチを見ると少し血がついていた。

「娘が君とケン君に酷いことをしたね・・・すまない。」

「・・・・いえ・・・」

「プロジェクトへの出資まで出して君たちを別れさせるとは・・・全く。

 ・・・・育て方を間違えたみたいだな・・・・私は。」

「あの・・・どうして・・・」

「あぁ・・・プロジェクトの打ち合わせでケン君と馬場部長に会ったんだがね・・・

 何か様子がおかしかったんだ・・・

 プロジェクトに問題があったのかと思って尋ねたんだよ。

 最初は何も無いって言ってたんだが・・・

 ケン君がプロジェクト担当を変更したほうが良いと思うと言い出したんだよ。」

「・・・・え?」

「私も驚いたよ・・・何も言わず頭を下げて謝るばかりでね・・・

 馬場部長もケン君の気持ちを尊重するって・・・

 それで様子がおかしすぎると思ったんだ。

 ケン君が席を外している間に馬場部長が全て教えてくれたんだ・・・」

「・・・・それで・・・プロジェクト担当者は?」

「うちではケン君が窓口でいて欲しいんだよ・・・君に一つ聞いても良いかね?」

「・・・はい。何でしょうか・・・」

「・・・・どうして辞表を出したのかね?」

「その件ですか・・・・。いくら会社の為とはいえあたしも人間ですから。

 無理に別れた相手が辛い顔をしながら他の相手と一緒にいる姿を

 仕事場で何の感情もなく見続けるなんて・・・。 

 それにもしそれが平然と出来るようだったらあたしはオシマイかなって・・・」

「なるほど・・・ケン君が言っていた通り君はしっかりした考えを持っている女性なんだね。」

「・・・そんなこと無いです。結局は仕事を投げ出して逃げたんですから・・・あたし。」

「・・・・うちの娘がどんなに頑張ったってケン君が娘を好きになるわけないな・・・確かに。」

社長は笑ってあたしに言った。

「君みたいな女性に惚れたケン君はやはりプロジェクトに必要な人間だな・・・」

「いえ・・・あたしはもう・・・」

「私と一緒に君の会社へ行こう・・・」

「は?あの・・・」

社長は立ち上がってそのままあたしを社長が待たせた迎えの車に一緒に乗せた。


「あの・・・あたしはもう辞表を提出してますから・・・会社とは関係ない人間です・・・」

「・・・・君の会社は辞表受理してないと思うよ・・・きっとね。

 してたとしても私が撤回させるさ・・・君が嫌がる権力を使ってでもね・・・」

そう笑ってあたしに答えた。

車が会社に到着してあたしは社長と一緒にアジア開発部へ連れてこられた・・・


開発部の廊下で懐かしい仲間が笑顔であたしを見つけては声をかける・・・

社長と共に馬場部長の部屋へ入った・・・

「馬場部長・・・すまなかったね・・・この会社の有能な社員を一人連れ戻しに行ってたんだ。」

「社長・・・お待ちしてました。山崎・・・お前休むなら休むって言えよ・・・心配してたぞ。」

「あの・・・馬場部長・・・あたし・・・辞表提出したんですけど・・・」

「オレは受け取ってないぞ?何か手紙は貰ったけどな・・・ラブレターじゃないから捨てちまったよ」

驚いて振り向くと葉山部長が笑いながらあたしの後ろに立っていた。

「有給扱いにしておいたよ・・・早く戻らないと仕事増えるぞ・・・さくらが待ってるぞ。おい。」

「あの・・・・」

あたしは何がなにやら解らない状態で頭が混乱していた。


「まぁ・・・辞表は受理されてないし・・・ケン君がプロジェクトを続けるためには君が必要ってことだ。」

社長はニッコリ笑ってあたしに言った。

「あの・・・・」

「そういうことだよ。戻って来い。山崎早く戻って開発部のヘルプ始めてくれよ。」

「何言ってるんですか!馬場先輩!海外部の仕事溜まってるんですよ。そっちが先ですよ」


「とりあえず君を彼にちゃんと返さないとな・・・」

馬場部長が笑いながらそう言った。


「・・・失礼します・・・」

「おう!入れ。」

ドアが開くとケンが入ってきた・・・・

「おう。社長がお前の大切なものをってさ・・・」

馬場部長が大笑いしながら言った。

「社長・・・ありがとうございます。助かります・・・・」

「とんでもないよ・・・すまなかったね・・・娘が馬鹿なことをやらかして。

 二度と娘には君達のことに関わらないようにきつく言っておくよ。

 山崎君・・・・本当に娘が酷いことをしたね・・・すまなかった・・・・」

驚いたあたしは慌てて社長に答えた。

「・・・いえ・・・とんでもない・・・」


「じゃ・・・私はこれで失礼するよ。またプロジェクトの打ち合わせで会おう。」

社長は笑って部長達に挨拶をした。

「少し残念だな・・・山崎君を私の会社に欲しかったのに・・・」

「社長。それは出来ませんよ。うちの社員ですからね。」

そういわれた社長は笑って部屋を出て行った・・・


「・・・・さてと・・・その格好だと仕事にそのまま出てもらうわけにはいかんな・・・山崎」

「・・・明日からバリバリまた仕事してもらうからな・・・今日は勘弁してやる。」

「おい!ケン。山崎を送ってやれ。お前そのまま直帰で構わないぞ。」

「はい・・・失礼します・・・」

ケンは部長達に頭を軽く下げあたしの手を掴んで部長の部屋から出た。

あたしはなんだか解らないままケンに連れられていた。

「・・・今荷物持ってくるから・・・絶対ここを動くなよ・・・良いな?」

「あ・・・うん・・・」

荷物を手にしたケンが皆に「お先に!」と声をかけた。

まわりからは口笛やら拍手やらが起こっていた。

「行くぞ・・・」

ケンはあたしの手を握ってエレベーターに乗り込んだ。

ケンは何も言わずに1階のボタンを押さずに資料室の階のボタンを押した。

そしてあたしを抱きしめた・・・

「・・・・おかえり・・・祥子・・・」

「・・・・うん・・・ただいま・・・ケン・・・・」

「どうしたんだよ・・・これ・・」

ケンがあたしの頬にそっと手を触れた・・・

「あ・・・ちょっとね・・・でも大丈夫だよ・・・」


資料室の階に到着するとエレベータの前に開発部の仲間が立っていた。

「おう!おかえり!山崎!なんだよケン・・・資料探しか?」

「岡本先輩お疲れっす。資料探したらオレ直帰なんで。」

ケンと岡本さんは笑ってそう言った。

「んじゃお疲れ。山崎またな~!今度飲みに行こうや!」

「オレも誘ってくださいよ!」

「うるせぇよ!それじゃな~」


「ほら・・・祥子・・・」

ケンは笑って資料室のいつもの部屋へあたしを連れていく・・・

「あの・・・ケン・・・家に戻るんじゃないの?」

部屋に入るとケンはいきなりあたしに激しくキスをした・・・

「ん・・・その前にオレに返してもらわないとね・・・」

あたしは彼の指先が背中に滑り込んで来たのに驚いて反応した・・・

「な、何を?」


ケンはあたしの首筋にキスをしながら囁いた・・・

「・・・・オレの気持ちを全部祥子に預けてあっただろ・・・

 オレが預かってる祥子の気持ちもさ・・・返さないとな・・・

 お互い空っぽのまんまじゃ仕事にならないだろ・・・」

あたしはそう言われて微笑んでケンに言った・・・


「そうだね・・・・とりあえず家に戻るまえにそれが先かもね・・・」


あたしはケンの首に腕をまわしてそのままキスをした・・・

さて、明日はヴァレンタインデー当日。


皆さんはチョコレートやらケーキやらを作って大好きなあの人やこの人にあげますかね?


我が家は昨日が旦那の誕生日だったし。


関係ないって感じです。うん。



さて、ヴァレンタイン当日は孝天編でアンケートで支持いただきました

「年下の後輩~」シリーズでお送りするんですが・・・

あまりにも妄想が過ぎまして・・・二日連チャンします。


この二人って確かにあの後どうなったのさぁ~!!と言う感じでしたね。


では・・どうぞ。



「年下の後輩 -二人のこれから-」



「おはよう祥子!」

「あ、さくら おはよう!」

あたしは海外部の廊下で同期のさくらと挨拶を交わす。

「今日はケンと夜どうせデートでしょ・・・羨ましいったらないわよ・・」

「まぁね・・・何てったってヴァレンタインデーだもん。」

「・・・まったく・・・あたしは今年もひとりで寂しく飲み明かすかな・・・」

「さくらだって選り好みしなければもてるのに・・・」

「・・・自分がケンみたいな男と付き合ってるからって偉そうに・・・このっ!」

さくらはあたしにふざけてパンチを繰り出した。

あたしは笑ってさくらにやられたフリで返した。


「ま、楽しんでね。祥子。」

「ん。ありがと。」

「そういえば・・用意した?部署に配るチョコ。」

「あ、うん。とりあえず皆から集めたので買っておいたよ。」

「OK.しっかし義理チョコって大変だよね・・・安すぎても高すぎてもねぇ・・・」

「まぁね。義理ってわかってても貰えると嬉しいみたいよ。男性社員はさ。」

「でもね・・3時に女子だけで食べる用にちょっと奮発して買っておいたんだ!

 あとで皆で食べようよ。はっきり言って配るのより美味しいと思うよ~」

「祥子・・・さすが抜け目ないわね~。楽しみにしてるね。」


あたしは自分のデスクに着いてとりあえずコーヒーを口にした。

パソコンを立ち上げ昨日の仕事をざっと振り返ってみる。

明日のためにかなり頑張って仕事を終わらせたつもりだ。

今日は絶対に定時でかえらないとならない。


「お。山崎来たか。おはよう!ちょっと来てくれるか?」

「あ・・はい。今行きます。」

「部長なんでしょうか?」

「山崎これをまとめてアジア開発部へ持って行ってくれ。」

「あ、ハイ。わかりました。」

「今日は定時上がりだろ?」

「あ・・出来れば。」

「まぁ明日はヴァレンタインデーだしなぁ・・・定時で上がれよ」

「ありがとうございます。部長」


あたしはデスクに戻って仕事にとりかかった。

「部長ってば気をきかせてあたしに開発部の仕事させたのかな・・」

あたしは思わず笑ってしまった。


「さてと・・行ってこようかな・・・」

終わらせた仕事を部長にチェックして貰いOKを貰って

あたしは開発部へ向かう準備をした。

デスクから小さい箱をメール用の封筒にこっそり忍び込ませた。

ケンに渡すチョコレートだ。


「アジア開発部に行ってきます・・・」

皆に伝えてあたしは海外部を後にした。

エレベーターに乗って隣のビルへと向かう。

エレベーターが途中で止まった。

同期入社の田伏君が乗ってきた。

「あ、田伏君お疲れ様です。」

「あ・・山崎お疲れ。久しぶりだな・・」

「そうだね・・元気?忙しそうだね・・そっちの部署も。」

「ん。まぁね。山崎はどこ行くんだ?」

「あ、あたしアジア開発部に書類届けに行くの。」

「あ・・山崎が付き合ってる相手の所か・・」

「あ・・まぁ。仕事でだけどね。」

「そっか・・上手くいってるんだ・・・年下のそいつと。」

「うん。まぁね。」

あたしは笑って彼に答えた。

「・・・何か笑顔で言われるのも面白くないな・・・」

「・・え?」

「オレは仕事忙しくて恋愛してる暇もないぞ・・羨ましいよ。」

「あ・・そっか。でも田伏君だって人気あるじゃない・・

 毎年ヴァレンタインデーなんてチョコレート沢山貰うんじゃないの?」

「・・・量貰ってもなぁ・・・量より質だろ・・義理でいくら貰ってもな・・」

「・・贅沢だねぇ・・あ・・着いたみたい。」

「ま、色々と言われるだろ?相手が年下だとさ・・・」

「え?まぁね。でももう構わないって思ってるんだ。」

「そっか・・・山崎も変わったな。ソイツのお陰だな・・・」

「どうかな?それじゃまた!」

「ん。今度ゆっくり話しよう。同期のヤツラと一緒に飲みに行こう。

 恋人も良いけど同期も良いもんだぞ。山崎」

「解ってるよ。じゃぁね。」


あたしは田伏君に手をふって開発部へのビルへ入って行った。


エレベーターでアジア開発部へ向かおうとロビーでエレベーターを待っていた。

「お疲れさまです・・・」

「あ・・お疲れさまです・・」

ケンがあたしの後ろに立って言った。

「・・・誰に手振ってた?笑顔でさ・・・」

「あ・・・見てたんだ?同期の子とエレベーターで会ってね。」

「ふーん・・・同期の奴かぁ・・・」

「・・・何?何か言いたそうだね・・・」

「別に・・・エレベーター来たよ・・・」

ケンはあたしをそっと押してエレベーターに乗り込んだ。


扉が閉まった瞬間ケンはあたしを壁に押しやった。

「・・・同期にだとあんな笑顔見せるんだ?祥子って・・・・」

「・・・だって・・・新人の頃から一緒に研修受けてたりしてたもん・・・」

「ふーん・・・何か面白くないな・・・オレ。」

「・・・面白く無いって・・・」

あたしがそう言って話を続けようとした瞬間ケンがあたしの唇を乱暴に奪った・・・

その後あたしの首筋に強く吸い付いた・・・

「ちょ、ちょっと・・・ケンってば・・・」

ふいに小さくエレベーターが振動した・・

ケンが何事もなかったように唇を離してあたしの服を調える

ドアが開いて人が入ってきた・・・

あたしは何とか平静を装ってエレベーターの階数を知らせる表示に目を向け続けた。

ケンが手を伸ばして開発部の資料室の階のボタンを押した・・・

エレベーターが止まって人が降りていく・・・

再びあたしとケンの二人きりになった・・・


開発部の階についてあたしが降りようとした瞬間ケンに腕を掴まれて引き止められた。

資料室の階へ着くとあたしの手を掴んで誰も入らない部屋にケンは入った。

「ねぇ・・・あたし資料届けないと・・・・」

「・・・面白くない・・・オレに見せる笑顔と違うよな・・・」

「・・・ヤキモチ妬いてるの?同期の田伏君にさ・・・」

「・・・田伏っていうんだ・・・ソイツ。」

そう言ったケンはあたしをデスクに押さえつけていきなりスカートの中へ手を差し入れた・・・

「ちょっと・・・やめてよ・・・」

「・・・祥子がいけないんだろ・・・あんな笑顔他の奴に見せるから・・・」

あたしは手で必死にケンの手を押さえた・・・

「明日ずっと夜一緒にいられるのに・・・そんな事言わないでよ・・・ケン・・・」

「オレって凄いヤキモチ妬きだったんだよ・・・祥子に惚れるまで気がつかなかったけどな・・・」

そう言いながらケンはあたしの服の胸元を乱暴に開いて強く胸元に吸い付いた・・・

思わずあたしは声を洩らした・・・

「・・・オレのモノだから・・・祥子の身体も笑顔もさ・・・」

ケンは意地悪な笑顔を見せてあたしの耳元に唇を寄せて囁いた・・・

そんな意地悪なケンにあたしは溺れている・・・


「失礼します・・・お久しぶりです。書類預かってきました。」

あたしは馬場部長に笑顔で挨拶をした。

「元気か?海外部は忙しいか?」

「そこそこ忙しいですね・・・でもココほどじゃないと思いますけど。」

「そっか・・・またヘルプ頼むかもしれないな・・・」

「そうなんですか?うちの葉山に伝えておいて下されば・・・」

「そうだな・・葉山君にまた頼んでみるか・・・」

「その時はよろしくお願いします。」


あたしは馬場部長に挨拶をして出口へ向かった。

「コーヒー飲んでいかない?」

ケンが廊下であたしを待っていた。

「あ・・・今何時だろ・・・」

「もうすぐ昼飯の時間。飯行く?」

「うーん・・海外部でさくらが待ってるだろうし。戻ってから食べるよ。」

「そっか・・・さくらさんにもヤキモチ妬きそうだな・・・オレ。」

「あのねぇ・・・全く。」

思わず笑ってケンを小突いた。

「ブラックだよな・・・」

「うん。」

ケンはコーヒーを買ってきてくれてあたしに手渡した。

「ありがと。いただきます・・・」

「あ・・・そうだ。これさっき渡すの忘れてた・・」

あたしは社内用のメール便封筒をケンに渡した。

「・・・何これ・・・」

そう言いながらケンは封筒を開けて中を覗いた。

「ま、一日早いけどね・・・ヴァレンタインのお約束の品。」

「・・・サンキュ。・・・本命だよな?」

「・・・義理だったりして・・・」

「あのなぁ・・・」

「さっきのおかえしだよ・・・一応本命ですから。」

「一応かよ・・・まったく。」

あたし達は笑ってタバコを吸いながらコーヒーを飲んだ。



あたしはケンとコーヒーを飲んだ後海外部へ戻った。

「お昼向こうで食べるもんだとばっかり思ってたけど?」

さくらが意地悪そうに笑ってあたしに言う。

「まさか・・・さくらと食べるつもりだったわよ。最初からね。」

「祥子ってそういうところは変わらないのよね・・・彼がいてもさ。」

「変える必要ないもん・・・まぁケンはさくらにもヤキモチ妬きそうだとか言ってたけどさ。」

「あの男・・・まったく・・・祥子をどこまで独り占めしたいわけ?」

さくらは笑いながら呆れて言った。

あたしはさくらと笑っていた。


あたしはその日孝天と過ごすヴァレンタインデーを待ちわびながら仕事に励んだ。

それなのにまさかたった数時間後にはあんな風になるなんて・・・




《悪い・・プロジェクトの共同出資者と会うことになった。

 今夜は会えそうもないな・・・でも明日は絶対二人っきりでいよう  KEN》

あたしはメールを見てため息をついた。


仕事だから仕方ない。

プロジェクトは大詰めを迎えていたし。

あたしには結局部長から開発部のヘルプの要請もきたし。

「この分だときっと明日も無理かもな・・・・ま、仕方ないか・・・仕事だし。」

そうは解っていたもやはりあたしだって残念だと思う。


「仕方ないから・・・仕事進めよっかな・・・」

あたしは海外部の残りの仕事をヘルプに行く前に仕上げることにした。

デスクで黙々と仕事を進める・・・

「・・・何か凄い負のオーラが沸き立ってない?祥子・・・」

さくらがコーヒーを片手にあたしに話しかけた。

「まぁね・・・今日孝天が急に客先と会うことになったんだ・・・だから会うの中止。」

「あちゃぁ・・・それは沸立つよね・・・確かに。」

「まぁ・・・仕事だし。」

「それで仕事に打ち込んでるわけか・・・ヘルプいつから?」

「うーん・・・明日か明後日かなぁ・・・まだ良く聞いてないけどさ。」

「せっかく同じ部署にいても気も使うしかえってこっちのほうが会えそうだよね。」

「まぁね・・・確かに気は使うけど。しばらくはすれ違いになるんじゃないかな?」

「そっか・・・良し!仕事早く終わらせて久々に飲もうよ。同期の連中も一緒にさ。どお?」

あたしは昼間の孝天を思い出していた・・・


「あぁ・・・一応遠慮しとこうかな・・・孝天から連絡あるかもしれないし。」

「はぁ?祥子・・・あんたいつからそんな奥ゆかしい女になったわけ?

 客先と会うんだったら戻る時間遅いでしょうに・・・飲んでも平気だよ。」

「そうなんだけどさ・・・昼間ね・・・」

あたしは昼間の同期の田伏君と会った後の話をさくらに話した。

「うへぇ~!若いねぇ・・・・あの子やっぱりさ・・・

 ヤキモチ妬きとはねぇ・・・可愛いちゃ可愛いけど。

 でも同期の男子と笑って話しただけでねぇ・・・

 ある意味メチャクチャあんたに惚れてるってことだけどねぇ・・・」

「まぁね・・・」

「ま、あたしも一緒だしさ。平気でしょ。」

「あ・・・さくらにもヤキモチ妬きそうだって言ってたってば!」

「・・・・まったく・・・」

さくらは呆れて大笑いしていた。



「おっ!山崎にさくら!こっちだ!久しぶり~!」

同期のみんなが手をあげた。

「久しぶりだね。みんな忙しいんじゃないの?

 しかもヴァレンタインデーの前日だっていうのにさ・・・なんか寂しくない?」

さくらは笑いながらみんなに言った。

「お前もだろが・・・山崎は良いのか?聞いてるぞ。アジア開発部の奴と上手くいってるんだろ?」

「祥子の彼今日仕事が急に入っちゃってね。」

「そっか。プロジェクト大詰めだしなぁ・・・ま、俺たちで我慢しろよ。」

「我慢って・・・まったく・・・久しぶりだね~。ホント。」

あたしはさくらの隣に座って飲み物を頼んだ。

同期の女子はみんなすぐに寿退社をしたために行き遅れたあたしとさくらだけが唯一残った女子だった。

「そういえば田伏は?」

「あ、連絡入れといたよ・・・絶対に後で来るってさ・・・」

「そっか・・・田伏も結構忙しいんだね・・・」

さくらは飲みながら皆と話をしていた。

あたし達は入社当時の失敗話や同期の今はいない女子の話をしていた。

「オレさ・・・結構アイツ好きだったんだよなぁ・・・あっという間に部署の先輩と結婚して退社しちまったけど」

「そうだったのかよ!まぁ新人だったしなぁ・・・今なら堂々と結婚しようとか言えるけどなぁ・・・新人じゃなぁ」

「そそ。ま、寿退社狙っての入社だと思ってその分仕事に頑張ったよ。あの頃ってさ」

「さくらはともかく山崎も結婚してやめると思ってたのにな・・・海外部に行ってからか?」

「え?寿退社狙ってたわけじゃないしさ・・・仕事面白いし。」

「あたしと祥子は運命共同隊よ。仕事が楽しいしね~。」


「悪い・・・遅くなった・・・」

その時田伏君が店に入ってきた。

「お疲れ~。案外早かったね。何飲む?」

「あ、ビールかなとりあえず。何の話してたんだ?皆盛り上がってさ・・・」

「あ?さくらと山崎は残ってるって話してたんだよ。」

「仕事できるからだろ・・・寿退社狙ってたほかの奴とは違うしな仕事に対する考え方がさ。」

田伏君の前にビールが運ばれてきた。

「おしっ!これで同期全員揃ったな。乾杯しよう!」

「これからもオレ達男は仕事に!さくらと祥子は寿退社せずに!乾杯!」

「乾杯~!」

あたしとさくらは笑いながら皆と乾杯した。

「山崎もいるとは驚いたよ。デートじゃないのか?」

「祥子はドタキャンになったからあたしが連れてきたのだよ。田伏」

「仕事か?彼は・・」

「ん。プロジェクトの相手先とね・・・ま、こうやって同期と飲めてラッキーだったけど」

あたしは笑いながら田伏君に言った。

「そっか・・・オレもラッキーだったな・・・山崎と飲めるなんてさ」

「またまた~・・・言うじゃない」


あたし達は楽しい時間を過ごした・・・

やっぱり同期の仲間は同じスタートラインだったせいか

久しぶりに会ってもすぐに新人の頃に戻れる。

あたしはとても楽しかった。


ふいにあたしの携帯が震えた。

「あ・・・孝天かな・・・」

携帯の画面を見ると会社からだった。・・・・開発部?

あたしは少し静かな場所に移動して電話に出た。


『もしもし・・・山崎か?』

馬場部長からだった。

「あ、どうしたんですか?馬場部長から電話なんて・・・

 良く解りましたね・・・あたしの携帯番号・・・」

『葉山君から聞いた。山崎・・会社戻れるか?』

「あ、今同期の皆で側で飲んでたんですけど。

 仕事ですか?お急ぎですか?」

『あぁ・・・悪いけど急な用件でな・・・』

「解りました・・・今から戻ります。開発部で良いですか?」

『こっちに来てくれ。・・・すまないな・・・』

いつもと違う雰囲気の馬場部長の声にあたしは少し不安を覚えた。


部長との電話を切ってあたしは皆に事情を説明した。

「ごめんね・・・あたし開発部で呼ばれたから。」

「そっか・・・大変だな・・・良いよ。また今度飲もうぜ。」

「祥子無理しないでよ・・・気をつけてね・・・」

「うん。またね。それじゃ皆はごゆっくり。」

あたしはさくらにいくらか渡して店を後にした。


開発部で呼ばれるなんて・・・英語の議事録かな・・・

徹夜仕事なのかな・・・

あたしは考えながら会社へ戻る道を早足で歩いた。

「山崎!」

振り返ると田伏君が走ってきていた。

「あれ?どうしたの?」

「オレも会社に戻るんだ・・・一緒に行こう。」

「え?田伏君も仕事残ってるとか?」

「あ・・・書類今日の仕上げたいし。」

「そっか・・・それじゃ行こうか。」

あたしは田伏君と歩き出した。


「開発部からか?」

「うん。部長からね・・・なんだろ・・・急ぎの仕事だと思うけど。」

「そっか・・・大変だな・・・」

「まぁ・・仕事だからね・・・」

「もし早く終わったらみんなの所へ戻るか?」

「あ~・・・どうだろ?一応さくらに連絡してみてからかな・・・」

「そっか・・・もしそうだったら連絡しろよな。」

「・・・え?連絡先知らないし。」

「部署の電話で構わないよ。携帯を知りたいけどさ。彼がいる山崎に聞くわけにはいかないだろ」

「あはは・・・わかった。携帯番号別に構わないけど・・・そっか。

 気使ってくれてありがとね。部署に連絡入れるね。」

あたしは田伏君にそう言って開発部のビルへ急いだ。

「山崎!無理すんなよ~!!」

「ありがと!田伏君もね!それじゃ!」


あたしは静まり返った開発部のビルへと入って行った。

エレベーターが静かに開いて乗り込む。

暗い廊下を進んで開発部の部長の部屋をノックした。

「遅くなりました・・・山崎です。」

「あ・・・入って。」

やっぱりいつもと少し違う馬場部長の声を聞いて緊張した。

「失礼します・・・」

あたしはドアをあけて部長の前へ進んだ。

「遅くなってすいません。何でしょうか?」

「・・・急に呼び出して悪かったな・・・まぁそっちで話しよう。」

「はぁ・・・話ですか?仕事で何か?」

「仕事でもあるな・・・まぁ座れや。」

「ハイ・・・」

あたしは応接セットのソファーに座った。

「コーヒー飲むか?」

「いえ・・・結構です・・・」

「何か飲みながら話したほうが良いと思うぞ・・・」

「はぁ・・それじゃ頂きます。」

部長はコーヒーを入れてあたしの前へ差し出した。

「山崎・・・話っていうのはな・・・」

「ハイ・・・」

「すまん・・・何と言っていいか解らん・・・単刀直入に切り出す。

 ・・・・ケンと別れてくれないか・・・」

馬場部長は頭をさげながらいきなりあたしに言った・・・・


あたしは一瞬言われている意味が理解できなかった。

「・・・・あの・・・別れてくれって・・・どういう・・・意味ですか・・・」

「・・・・今度のプロジェクトの共同出資会社の社長のお嬢さんが・・・・

 ケンを気にいったらしいんだ・・・ケンはもちろん相手にしてないんだ。

 それでも諦めきれないその娘さんがな・・・・

 ケンから彼女がいるって聞いて・・・・解れないと出資を中止するって・・・・

 無茶苦茶なのは解ってる!オレも頭に来るんだ。

 でもこのプロジェクト・・・今から中止になったら・・・

 ・・・・山崎にこんなこと頼める立場でもない・・・本当にすまない・・・」

馬場部長は頭を床につけてあたしに謝っている。


「・・・・部長・・・やめてください・・・顔上げてください!」

あたしは部長の手を引っ張って立たせた。

「・・・・あたしの方こそすいません・・・・部長にこんなことまでさせて・・・

 ・・・・今はすぐには回答できないです・・・それでも・・・

 いきなりで頭真っ白で・・・

 1日待ってもらえますか?

 せめて14日が終わるまで・・・駄目でしょうか・・・」

「・・・・もちろん構わないよ・・・オレは最低の上司だな・・・山崎・・・すまない」

「やめてください・・・ケンはこのこと・・・・」

「・・・まだ知らないだろうな・・・アイツに言っても無理だと思う・・・」

「・・・わかりました。あたしが決定します。必ず明後日には返事出しますから。」


あたしはコーヒーを飲もうとした・・・

知らないうちに手が震えていた・・・

それでも必死に堪えてコーヒーを流しこんで部長に挨拶をして会社を出た。


馬場部長は普段の姿では考えられないくらい小さく見えた・・・

あたしのせいで部長がこんな姿を見せるなんて・・・

あたしは悲しくなった・・・




あたしは会社を出て駅へ向かいながら一人頭の中で自問自答していた・・・

もうさくら達のもとへ戻ることなんて考えられない・・・

ただこのまま家で眠りたかった・・・


・・・・・あたしとケンがこのまま付き合い続けたら・・・プロジェクトが中止になる・・・


・・・どうして・・・あたしが?


あたしの我侭でプロジェクトが中止になったら会社の損害は莫大な金額だ・・・・


だからと言ってあたしの人生をそこまで会社の犠牲にするの?

会社の損害が大きければ社員が残れないかもしれない・・・・

馬場部長だって責任取らされて辞表は必至だ・・・


だからって・・・ケンともう付き合えないなんて・・・・


あたしは頭の中でグルグルと色々なことが混乱していた・・・

思わずその場にしゃがみ込む・・・


ケンに連絡・・・・それは出来ない・・・

彼が知ったら間違いなく怒るだろう・・・

そうなったらプロジェクトが中止に間違いなくなる・・・


「・・・・もう・・・・答えは最初から出てるってことだよね・・・」

あたしは涙をこぼしながら自分に言い聞かせた・・・


明後日には馬場部長に返事をする・・・


「最初で最後のヴァレンタインデーか・・・ケンと過ごす・・・・」

あたしは空を見上げて呟いた・・・・

いやぁ・・・世間様はヴァレンタイン一色ですね~。


バイト先の特設コーナーもかなり商品減ってまいりますた。


100円で色々と用意できるものってあるんだなぁと今回知りました。


可愛いラッピング用品やらチョコレートの型とか。


ま、ワシは手作りはしないので関係ありませんでしたが。


今日が最後の一勝負になりそうです。

完売は無理だけど一つでも多く売れると良いな・・・



さて、本日我が家は


旦那の誕生日です。


ま、南原清隆とかヒロミもそうだったな・・・確か。




ところで・・・普段ワシは孝天を決して「ケン」とは呼びません。


何故って・・・


我が家の旦那を普段「ケンちゃん」と呼んでいるから・・・(爆)


どうもね・・・孝天を「ケン」と呼ぶと旦那の顔浮かぶ・・・(哀)


なので、孝天と。


あまりにも違いがありすぎだし・・・同じケンでもさ・・・(あふぅ)



旦那にはとりあえずケーキ買っておいたし。


本人が一番最後に食べそうだけどな。


仕事忙しくって早く帰ってこれないし子供が待てるか・・・うーむ。


でもワシらが祝ってやらないと誰も祝ってくれんのよね・・・


実の親である婆ちゃんなんて「・・・忘れてた」だもんなぁ・・・毎年。


何かね・・・一番働いてるのにねぇ・・・


なので、とりあえず子供達からの「おめっと~!(2号Ver.)」を

本人に聞かせてあげれたら良いな。



そして・・・明日予定だった孝天編ヴァレンタイン妄想ですが・・・


話の中身が13日からになってるので・・・せっかくだから二日続けての

オンタイムアップにしたいと思います・・・(呆)


なのでお付き合いくださいませ・・・