来日してるとか関係なく・・・・
相変わらずのんびりでマイペースなワシです。
久々にシリーズ「No Mark」を続けます。
では・・・どぞ
「No Mark」 その4
「お疲れ。昼飯行かない?」
「・・・行かない・・・仕事残ってるし」
いつものように孝天があたしの頭をポンっと叩きながらランチへ誘う。
あたしはいつものように丁重にお断りをする。
そんな相変わらずのあたし達。
それでも周りの風当たりも多少は和らいできた気もする・・・
「じゃぁ・・・夜飯は一緒にな・・・」
「了解!」
だからこそ今は社内ではきちんとしておかないと・・
そんなあたしの態度に孝天はちょっと不満みたいだけど。
「おう!孝天!また振られたのか?」
「うるせぇよ・・飯行こう」
「俺とで残念だけど我慢しとけ・・」
孝天は片桐君と二人でふざけあいながらランチへ出かけていった。
振り返ってあたしに手をあげた孝天を見ていると本当に普段はヤンチャな男の子みたいだと思う・・・
あたしと二人っきりになると全くあたしのほうが立場は逆だけど。
年齢はあたしのほうが上だけど絶対に精神年齢は孝天のほうが上だ。
「まぁなぁ・・人より色々な経験してるしね・・」
孝天は前にそう言ってたことがあったけど。
どんな経験をしたらあれだけ大人でいられるんだろ・・
一方あたしは全くその逆で。
仕事場ではそれなりの立場もあって後輩も多い。
なのでどうしても頼られている立場。
でも本当は人一倍甘ったれだったりする。
最近のあたしは孝天のお陰で普段のあたしはすっかり甘ったれになった。
正反対の二人だから上手くいってるのかもしれない。
そんな風に考えていたあたしに後輩が声をかけた。
「先輩!今日合コンなんですけど・・・孝天先輩がいるのに誘うの悪いんですけど・・」
「ん?頭数そんなに足らないの?あたしを誘うなんてさ・・賑やかし要員が必要なの?」
「ハイ・・・なので出来たら・・」
「他の子誘えば良いのに・・・」
「それが・・・皆彼氏に止められてるらしくって・・・」
「なるほどね・・・で?あたしはきっと孝天に止められてないだろうと?」
「あ・・やぱり止められてます?」
「どうだろなぁ・・・」
そう後輩に答えてとりあえずあたしはメールで今日孝天が残業か聞いてみることにした。
『今日残業?』
『そう。遅くなるかも』
『あのさ・・合コン出ても良いかな?』
『はぁ?』
『頭数あわせの賑やかし要員らしいよ・・』
『(笑)良いんじゃない?』
『・・・反対しないの?』
『何で?人数合わせだろ』
『そうだけど』
『なら良いんじゃないかな』
『解った。thnx』
『一応終わったらTelしろ』
『了解!』
「あっさりOK貰ったよ」
「本当ですか?・・・さすが・・・」
後輩がそうあたしに答える。
「さすが? なんでさすがなの?」
「何か・・・孝天先輩って余裕感じますよね・・」
「余裕ねぇ・・」
「えぇ。先輩に愛されてるっていう余裕を・・・」
「あははは・・・確かに孝天に惚れてますけどね・・・」
「・・・ごちそうさまです・・・」
後輩は笑いながらあたしに言った。
そういえば孝天ってヤキモチとか妬かないな・・
まぁあたしも妬かせるようなことをしたことないけれど
それって周りからすると不思議な関係なのかもしれない・・
「とりあえず先輩も参加お願いしますね」
「了解。」
後輩と約束をした。
「とりあえず・・あたしはその場にいれば良いんだよね?」
「はい。よろしくお願いします。」
「で?あたしはどうすれば?」
「えと・・・今回は外資系企業の人達なんで。その辺の話でも・・」
「ん。解った。」
あたしはとりあえず今日の合コン相手の情報だけ教えてもらって
皆の後をついて行く。
後輩達はかなり気合が入っているようだった。
この位仕事にも気合入れてくれればと思う・・
そんなことを考えながらあたしは席に着いた。
皆が順番に自己紹介を始める。
相手は外資系のいわゆるエリートなのかな・・・
あたしの番が周ってくる。
「あ・・初めまして。彼女達の同じ部署で先輩です。
今日はすいません・・オジャマしちゃって。
よろしくお願いします・・・」
無難であたしは問題外でしょ・・とそれとなく・・。
とりあえず皆で乾杯をして・・・それぞれが話を始める。
あたしもとりあえず話を始めた。
「杏里さんは・・・彼女達の上司なの?」
「上司じゃないですよ。先輩なだけですけどね・・・まぁ一応は取りまとめてるって感じで」
「へぇ・・・・凄いね・・・」
無難な話をダラダラと進める・・・
あたしは話をしながら後輩の姿を横目にチェックする。
それぞれが上手く相手と楽しんでいるようだ。
とりあえずお役に立てたかな・・・
まぁあたしの相手しているこの人には悪いけど。
「俺・・・杏里さんみたいな人タイプなんだけど」
「は?そりゃどうも。」
「茶化してる?」
「いや・・・茶化してはないけど。」
「結構真剣にアプローチしてるんだけど・・・」
「あたしみたいな人って?」
「頼りがいがあって・・・しっかりした人」
「あははは。それはあたしじゃ無理だと思いますけど」
「何で?」
「実際のあたしはその逆だし。全然頼りにならないですよ。しっかりしてるどころか・・」
「へぇ・・・そうなんだ?」
「うん。そうですね。」
「ちょっと益々興味あるんだけど・・・」
「あはは。実を言うとねにぎやかし要員で来たし。今日あたしは」
「俺もそうなんだけど。単に人数足らないからって」
「あ、そうだったんだ?お互いご苦労様でしたね」
「ま、まわりも上手くいきそうだし。俺も来て良かったし」
「ん?」
「杏里さんみたいな人と出会えたしね。ラッキーだったな」
「そりゃどうも。」
あたし達は同じ目的で参加した同志乾杯をした。
「それじゃあたし帰るね~また明日会社で」
それぞれ後輩達は相手と飲みなおすらしい。
あたしは手を振って店を後にした。
あたしは歩きながら携帯を手に孝天へ連絡を入れる
『ハイ。あ・・杏里?』
「うん。今終わった~。まだ仕事?」
『もう家に戻って来てるよ。案外早かったな・・』
「うん。賑やかし要員だからね~後輩達は飲みなおしに出かけた」
『そっか・・今どこ?』
「ん?会社の側だけど・・」
『迎えにいくよ』
「あ、良いよそんなに飲んでないしね。そっちに行くから」
『のんびり歩いてうちに向かっててよ。車で行くから』
「うん・・わかった」
あたしは電話を切って孝天の家に向かって歩くことにした。
「杏里さん!」
ふいに声をかけられてあたしは振り向いた。
合コンで一緒に話をした人だった。
「あ・・・ども。」
「家こっち?俺もこっちなんだ。途中まで一緒に行こう」
「はぁ・・・」
二人で並んで歩きだした。
「皆と飲みなおさなかったんですか?」
「賑やかし要員でしかも他は上手くくっ付いたからねぇ・・・」
「あ・・・オジャマかぁ・・」
「ん。そゆことだね」
「あたしの相手してたらあぶれちゃいましたね・・・すいませんです。」
「あはは・・・杏里さんは付き合ってる人いるの?」
「え?ハイ。いますよ。今から彼の家に向かうんです」
「なるほど・・・参ったな・・・そこまで正直に言われると」
「人数あわせだったし・・・スイマセン。」
「彼はよく合コン参加するのOKしたね」
「まぁ・・・人数合わせなの伝えたし・・・」
「それでも・・・普通は嫌がらない?」
「あ~・・やっぱり嫌なもんですか?」
「そうだなぁ・・・いい気はしないね・・・」
「そっかぁ・・・」
「でも杏里さんのこと信頼してるってことじゃないかな・・・」
「はぁ・・信頼ねぇ・・・」
そんな話をしながら歩いているとクラクションが突然鳴った。
孝天の車が路肩にハザードを付けて停まった。
「ん?杏里さんの彼?」
「あ・・そうです。」
孝天が車から降りてあたし達の元へやってきた。
「おう!お疲れ。あ・・・どうも。」
「どうも。初めまして。合コンでお互い賑やかし要員だった阿部です。」
「あ・・・Kenです。初めまして。」
「帰りの方向が一緒なんだってさ」
「そっか・・・ありがとうございました。乗って行きます?送りますけど・・」
「いえいえ。とんでもない。俺はこれで。」
「そうですか・・・じゃぁ・・失礼します。杏里行こうか・・」
「あ・・・どうも。今日はオツカレさまでした。じゃぁ・・・」
あたしは阿部さんに頭を下げて孝天の車に乗り込んだ。
車内では孝天は黙りこくっていた・・・
・・・・怒ってる?
あたしはその場の空気に耐えられなくなって口を開いた。
「あのさ・・・怒ってる?・・・よね・・・」
「・・・・別に・・・」
「名前もさっき知ったんだよ・・・単に話してただけだし・・・」
「・・・・ふ~ん・・・・」
「怒ってるよねぇ・・・」
「・・・・怒ってねぇよ・・・・別に。」
・・・・その言い方が怒ってるじゃん・・・
あたしはそれ以上何も言わずにため息をついた。
孝天の部屋に戻って来ても孝天は機嫌が悪そうだった。
「・・・・コーヒー入れようか?」
「・・・・いらねぇ。」
「あたしは飲みたいから・・・・入れよっと。」
仕方なくあたしは一人でキッチンに立ってコーヒーを入れ始めた。
咥えタバコの孝天がキッチンの入り口であたしの様子をじっと黙って見ている。
あたしはそんな孝天に気付かないフリをしてコーヒーを入れた。
「はぁ・・・俺って駄目だよな・・・」
突然孝天がため息まじりに呟いた。
「ん?何が駄目なの?」
あたしはコーヒーを口にしながら孝天に尋ねた。
リビングに戻って二人でソファーに腰掛ける。
孝天があたしにいきなり抱きついて話しを始める・・・
「俺さ・・・杏里とあの人が一緒に歩いていたところ見て・・・嫉妬したんだ。
杏里は別に合コンで男と出会おうととか思ってないの知ってるのにさ・・・
何かみっともないよな・・・俺。」
「・・・・別にみっともなくないよ・・・嫉妬してたの?孝天ってば。
ゴメン・・・あたし気が効かなかったよね・・・迎えに来るのに男の人と歩いたりしてて・・・」
「俺・・・杏里のこと疑ったりしてないんだ・・・でもさ・・・やっぱり面白くなかったんだよ・・・」
「うん・・・ゴメンね・・・孝天。
普段あたし甘えてばっかりだったから・・・孝天が嫉妬してるなんて気がつかないで」
「杏里に甘えろって言ってるのは俺だからさ・・・・良いんだ。」
あたしは孝天をぎゅっと抱きしめた。
「ねぇ・・・孝天・・・たまにはあたしにも甘えてよ・・・そりゃあたしのほうが甘ったれだけど。
面白くないって思ったことや辛いこととかあるときはあたしにも言って欲しいよ・・・・」
「でもそうすると・・・杏里辛くないか?甘えられるとさ・・・」
「ん?そんなことないよぉ・・・」
「そっか・・・ならさ・・・合コンはやめてくれよ・・・俺嫉妬しちゃうから・・・」
「・・・うん。わかった・・・もう行かないよ。」
「それからさ・・・俺さ・・・今結構辛いんだ・・・仕事で。」
「うん・・・・言ってみて・・・」
あたしは孝天の肩に顎を乗せて孝天の背中に腕をまわしながら彼の話を黙って聞いた。
今まで見たことのない孝天があたしに抱きしめられてゆっくりと話を始める・・・
あたしはアドバイスはしないけれどただ孝天の話しを聞いている・・・
「俺・・情け無いな・・・杏里に甘えてさ・・・」
「そんなことないよ・・・嬉しいもん。あたし。
あたしのほうがいつも甘えてるけど孝天がこうやってあたしに甘えてくれるのも嬉しいんだ・・・」
あたしは孝天の目をじっと見た・・・
「ねぇ・・・孝天・・・どうして欲しい?」
あたしは普段自分が言われているように孝天に尋ねた・・・
「・・・そうだなぁ・・・思いっきり甘いキスしてくれよ・・・」
孝天はあたしに少し意地悪な笑顔で答えた。
「・・・・うん・・・解った・・・」
あたしはそう答えてからそっと孝天の唇にキスをした・・・
「・・・・それじゃちっとも足らないって・・・」
そうあたしに答えた孝天の顔はいつもの自身満々な顔に戻っていた。
「・・・え?だって・・・甘いキスでしょ・・・」
あたしは笑って孝天に言い返す・・・・
「甘いキスってのはさ・・・こうやるんだよ・・・」
そう言いながら孝天はあたしの頭を抱えていきなり強引にキスをした・・・・
「それは強引なキスでしょ~!もう!」
あたしは笑いながら孝天に文句を言う。
「杏里は強引なキスが好きだろが。それともこういうのが好きか?」
そう言いながらいきなり座っていたあたしをそのまま押し倒して首筋に吸い付いた・・・
「・・・・っもう!孝天ってば!」
あたしと孝天は笑いながらお互いにあちこちにキスをし合った。
年下の孝天は大人だと思う・・・それでもやはり無理をしていた・・・
そうさせていたのはあたしが甘ったれだったから・・・
でも甘ったれのあたしでも孝天が辛いときには
あたしに甘えて欲しい・・・
孝天がたまに甘えてくれたなら・・・あたしはもっと孝天が大切に思えるから・・・