- インターネットのカタチ―もろさが織り成す粘り強い世界―/あきみち
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1.4 インターネットの強さの秘密
さまざまな「壊れた」が発生するインターネットですが、「ではインターネットは弱くて使い物にならないのか?」というと、そうではありません。インターネットは世界中に普及していますし、いまだに拡大し続けています。
むしろ、多くの「壊れた」事例が表面化していることは、インターネットの強さの裏返しともいえます。
筆者は、インターネットの強さは以下の四つの項目によって実現していると考えています。
・「ゆるさ」による粘り強さ
・原因を調査できること
・オープンな精神
・仕様の柔軟性
これらは、壊れることを許容すること、壊れたことを知ることができること、壊れたことを共有すること、直す方法を皆で考えて良くしていくこと、と読みかえることもできます。
1.4.1 「ゆるさ」による粘り強さ
インターネットには、その設計が持つ「ゆるさ」が実現している粘り強さがあります。
絶対に壊れないシステムを目指して、細かい部分的な障害や不具合を許容しないシステムを設計してしまうと、部分的には壊れなくても、障害のレベルがある一定の閾値を超えた時点で全体として動作不能になる可能性があります。
できるだけ耐えるけど、耐えきれなくなったら全部一気に崩壊するというモデルです。
一方、細かい部分的な障害を許容することによって、可能な範囲内で代替の手法で通信を維持するという設計があります。この方式では、障害が発生すると一時的に通信が停止する場合があり、いとも簡単に部分的な不具合が表面化します。
しかし、障害が発生した部位を認知した次の瞬間に代替の手段で通信を行うこともできますし、不具合が表面化することで障害の発見や対策が行われやすくなります。インターネットの設計方針はこちらです。
障害発生箇所を切り捨てて代替手段を探るという思想にこそ、インターネットの粘り強さがあります。
「多少は壊れてもいいや」という「ゆるさ」は、ある意味、障害に対する「ゆとり」とも表現できます。
インターネットの設計思想には、常に障害発生に対処できるように「ゆとり」を持ち続けて、可能な限り柔軟に対処するという精神があります。
「ゆとりがある」というのは、「ところどころ壊れる」という意味でもあります。
インターネットの問題に対する関心は、壊れることそのものよりも、壊れてから迅速に代替の手法へと移行できるかどうかにあります。
(以上、P5、6より引用)
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☆知り合いの知り合いが出版された本ということで、早速読んでみました。難しい技術的なところは飛ばしても、読み物としてとっても面白かったです。
物理的なケーブルが盗まれてしまって大規模な障害がおこる話とか、南アフリカで通信状態のあまりの悪さに怒ったユーザが、伝書鳩の足にメモリカードをくくりつけて飛ばして、ハトのほうがインターネットより速いじゃないか、とアピールした話とか。私にもわかる小話に色々笑ってしまいました。その他いろいろ、勉強になります。
特に、上記引用の設計思想の話は、なるほど、と思いました。”ゆるさによる粘り強さ”、って、いいなあ。
壊れやすい自分の体を抱えて、月曜の朝から体調不良でぐったりしている現在(うーん、いかんよ、やらんといけん仕事ができん、気力体力不足・・・ そして仕事しているフリして、こんなブログを書いております)、何だか、とっても励まされました(笑)。 お、ちょっと元気がでてきたかも。