かくして、占い師さんの予言どおりの展開でお付き合いが始まった。


おりしも年末年始。K君も私も9連休。

当初は、休日や年末年始は家族と過ごす時間だから、LINEはやめようと考えていたのに、K君から結構な頻度でLINEが送られてくる。

休日ののんびりした朝や夜に、リラックスしてLINEで会話を楽しむのは本当に楽しかった。

意外だったのは、K君の気持ちの表し方がめちゃめちゃストレートだったこと…。

30数年間の結界が破れたかのように、直球勝負の言葉がどんどん送られてきて、どう返したものか戸惑った。もちろん、嬉しくないわけはないけれど。


50代にもなると、誰かが自分を褒めてくれることや、愛情をストレートに注がれること、そもそも関心を寄せられることすらないのが日常だから。

おかげでK君への気持ちだけでなく、自分のなかのいろんな感情があふれきてビックリした。

たぶん、ずっと蓋をしてきた心の柔らかい部分を空気にさらしてしまった感じ。


たぶK君は私を女性として見てくれるのが半分で、残りの半分は人としての私を本当に好きでいてくれる気がする。

私がそれほどまで女性として魅力があるとは到底思えない。それなら若い時分にもう少しモテても良かったと思う。

ただ、K君とやり取りを重ねるたびに、私たちは本当に考え方や波長がよく似ているのだと感じる。

そこにいち早く気づいたK君が、人としての私を忘れらずにいてくれたのならば、なんとなく合点がいくような気がする。決して私が30年以上も忘れられないほどの女性や、人として魅力にあふれていたわけではなくて、きっとK君にとってそこがピタリとあてはまる人間だったのではないかしら。やっぱりソウルメイトとかというやつなのか…。それならば連日のK君のベタ褒めLINEもわからなくはない。ほかの多くの女性と比べてどうのではなく、K君と合うかどうかということ。

ただ、お互い異性なのでそこは惹かれ合うということになるのだけれど。

気がつけば自分でもどんどんK君に惹かれていって、あの日突然、恋に落ちた自分の第六感もたいしたものだと思っている。


今となっては思い出せないけれど、もしかして大学生の私もそれに気がついていたのか。

気がついていながら、自分の決めた枠「憧れの先輩こそ赤い糸の人」とか、「新潟に帰る」ことに自分を押し込めてしまっていたのか。

そうだとしたら、私はやっぱりもう一度、きちんとK君に向き合わなければならない。

まさかのやり残した宿題だったのか…。