胸がドキドキして目が覚める。
こんな気持ちは何十年ぶりだろう…。
果たしてこれは、恋なのか?
結婚して28年。
この気持ちをどうしたものか。
自分を受け止められず、もしやこれは更年期の動悸とかじゃなかろうか?とまで考えてしまう54歳。
週末に30年ぶりに大学時代のサークル仲間5人で東京に集まって飲みました。
今年で年賀状を辞めることにして、LINEのQRコードを送ったところ、仲間の何人かから連絡をいただきました。
キラキラしていた東京での大学時代。卒業する時はいつでも会いにいけると思っていたのに、仕事や家庭に追われ、気がつけば疎遠になった仲間たち。
連絡をくれた一人は、仲の良かった後輩のK君。
大学時代、東京と新潟で、今の夫と遠距離恋愛をしていた私。当時、それについては直接、K君に話したことはないけれど、おそらく仲間うちから、その話は聞いていたのだと思う。
それだからなのか、どうなのか…。
K君から告白されたことは一度もない。
だけど、夏休みに帰省していた私の実家に誕生日プレゼントのお花を送ってくれたり、何度か二人で出かけたりもした。
結構な頻度で4時間とかの長電話をしたりして(かけてくるのはいつもK君)、付き合ってもいないのに、仲は良かった。
なんとなくK君の気持ちには気づいていたけれど、彼がはっきりと言わないことをよいことに、私は仲間のふりをしてずっと離れずにいた。
地元の恋人(今の旦那)とは遠距離恋愛で、それも淡いお付き合いだった。大学に進学する時から「卒業したら新潟に帰ろう。」と思っていたし、当時は高校の憧れの先輩だった夫とようやく付き合いはじめた頃で、K君のことは仲の良い後輩としか思っていなかった。それでも、K君の好意に気づいてはいたし、意識しないわけはなく、何より気が合って一緒にいるととても楽しかった。K君にはっきりと告白されたり、彼氏のことを聞かれたら何かが変わっていたのかもしれないけれど。
結局、K君も私もお互い核心には一切触れず、卒業後も私が結婚するくらいまでは電話したりしていたのではないかと思う。
その後、私は新潟、K君は東北に帰って就職し、お互い結婚して、20年以上、年賀状だけのやりとりを続けていた。
そして、今年、何十年ぶりにK君からLINEをもらい当時の仲間と集まろうということになりました。
夏くらいからLINEグループを作って久しぶりに仲間たちとやり取りをして、ついにこの週末!
東京で、仲間の5人と集まることができました。
楽しかった😆❗️
50代のオジサンとオバサンなのだけれど、しかもほぼ30年ぶりなのだけども、会ったら皆、すぐに当時に戻って、3時間の昼飲み会もあっという間に過ぎるほど盛り上がった。
当初、なかなかLINEグループの反応が悪くて、
「やっぱり無理があるのかしら…。」と悩んだ時に相談したのもK君。元々、二人で始めた話だったし。大学の頃もそうだったけど、K君は相変わらず優しく、「皆、集まらなかったら、二人で飲んでくれますか?」とか言う😅。
イヤイヤ、そんなこと言われたら、オバサン、ドキドキしちゃうじゃないの。
だけど、昔からそう言うことをよく言う人だったし、昔の関係もあったからドキドキしちゃうのよねー。会ったらとんでもないオジサンになってるかもと自分に言い聞かせて迎えた当日。
飲み会前に大学の校舎を見に行くと言ったら、K君とMちゃんが付き合ってくれました。
校舎はだいぶ建て替えで変わってはいたものの、懐かしい大学の正門で待ち合わせし、一番最初に到着したのは私。
そのすぐ後にK君が到着。
時空が歪んだかと思いましたよ。
大学時代の面影そのままだったK君を見た時、
「タイムワープしてきたの?」と大笑いしてしまうほどだった。
たぶん、その時、恋に落ちたのだと思う。
じきにMちゃんも来て、その後は仲間5人でずっといたから、お互いに「誰も集まらなかったら二人で飲もうね」と言いながら、二人きりになる時間は大学でのほんの一瞬だけでした。
仲間と再会して、まるで大学時代に戻ったかのような不思議で楽しい時間はあっという間に過ぎて、私は新潟、K君は東北に帰っていきました。
また会おうねと約束をして。
ずっと楽しみにしていた仲間との飲み会が終わり、これでもうK君と連絡をとる理由もないのだなと考えつつ、帰りの新幹線に乗った頃から、なんだか急に胸がドキドキし始めて、K君からLINEが来るたび、「どう返したものか…」と胸が熱くなる。
これって恋では⁉️
再会、学生時代の思い出、変わらないK君…と、胸をときめかせる仕掛けは充分だったし、そこは冷静に分析もしていたはずなのに、50代の乾いた心はあっけなく陥落。
学生時代はK君の片思いだっただろうけれど、今回はすっかり私が心をもっていかれた。
お互い家庭があるし、もう50代で、それを壊すような恋愛は全然望んでいない。そもそも新潟と東北では言い訳をつくって会いにいける距離でもない。
出口のない気持ち…。
K君からは、その後もポツポツ、なんてことはないLINEがくるし、私も悟られないように、くだらないLINEを送る。まるで大学生の頃のよう…。
ただ違うのは、私がそのたび切ないだけ。
昔のことを思い返しているうちに、大学時代にK君から「聞いてみて」と言われていた歌を思い出してYouTubeで聞いてみた。あの頃はネットがなかったから、レンタルでもしなきゃ聞けない時代で、当時は聞いていなかった。
斎藤由貴の「axiaかなしいことり」
30年たってやっと聞いて、ボディブローをくらった気持ち。K君、やっぱりわかってたんだ…。
私の完璧な負けです。
30年かかって、やっと恋に落ちました…。
だけどK君には言わない。昔、K君が私にそうしてくれたように、今度は私が口をつむぐ番。
お互い家族は守らなきゃいけないものね。
