いよいよ年末です。
この週末は仕事はなかったものの、年賀状を用意したり、お歳暮を送ったり。なんやかやと忙しく年の瀬を感じています😌。
ここのところ、コロナも落ち着いているので、様々なイベントが2年ぶりに開かれています。
私の担当業務はこうした文化活動の支援なので、昨年見れなかった分、関係団体が開催するイベントは出来るだけ顔を出そうと、今日も、午前に洋画展、午後は地元のアマチュア交響楽団の定期演奏会に足を運んできました。
コロナ禍になって、いろんなものが非対面であることを求められ、新しい手法としてデジタルが推奨されてきたけれど、ようやく通常のイベントが再開されて感じているのは、
デジタルでないものの、なんと贅沢なことか!
昨年春に今の部署に配属された時、美術やクラッシック音楽などの関係者が、一様に高齢化していて、若い層がいないことに驚いた😳。
それまで、若い人たちを相手にイベントをする部署にいたので、若者の組織に対する考え方や、楽しいという気持ちを優先する傾向を考えると、こうした旧来の活動はもう長くは続かないのではないかと懸念していました。
けれど、コロナ禍の落ち着きが見えて、ワクチンなどの効果もあり、実際の活動をこの目で見る機会が増えたおかげで、最近は少し違う気持ちを抱いています。
インターネットやデジタルを使った娯楽がなかった時代から長い時間をかけて育まれた芸術文化。美術も音楽も本当に膨大な時間をかけて作りあげられたものです。これをリアルで楽しむことのなんと素晴らしく贅沢なことか。
スピードや効率が重視されることで生まれた、デジタルが介在するものと違い、人が大切な自分の時間を注ぎ、生の身体で紡ぐ作品は、ひとつとして同じものはない。音楽の生演奏であれば、デジタル化された音源が世界中の何処でいつ再生しても全く同じであるのに対し、生演奏はその場でそれを聴く人たちの心と共鳴して、そこでしか聞くことのできない唯一無二の音を奏でます。
今日の演奏会は50年以上も地元で活動しているアマチュア交響楽団の演奏会でした。
地元の企業が協賛しチケットを販売して毎年行われているものです。
プロではなくとも音楽を愛し、地域で活動を続ける団員たちと、それを応援しホールに駆けつけた1000人近くの観客たち。
アンコールでは、ホルストのジュピターが演奏されました。この曲は何度も災禍に襲われたこの街に住む市民なら、少なからず特別な想いを抱いている曲です。今日も演奏会に来ていた多くの方や演奏していた団員の皆さんが、そんな気持ちでジュピターを聴いたのではないかと感じています。
私の席からは指揮者の方がアンコールで舞台の袖に下がるたび、舞台の袖裏で見守る団長さんの姿が見えました。その姿からは歴史ある演奏会を途絶えさせることなく再び開催できた喜びが伝わってきました。
デジタルを否定するつもりはなく、間違いなく世界を良くできる手法のひとつと思っています。
だけど、出来れば音楽は生演奏で聴きたいし、絵画も印刷されたレプリカや、画面を通して見るのではなく、本物で筆使いを感じたい。
どんなに効率が悪くても、伝える先が限られても
こうしたものの価値はこれからも失われないし、むしろ贅沢さを増していくのではないかな。
きっとこうした良さは、これまでとは違う形になるかもしれないけれど、次の世代に引き継がれていくはずと期待しています。
市庁舎に恒例のクリスマスツリーが設置されました。今年もあとわずか。悔いなく過ごしたい。
