うちの街には全国に誇る花火大会がある。

毎年8月に2日間かけて行われる花火大会は、一年で一番のイベントで、皆の誇りで、多くの市民の最優先事項である。


昔、友人の家族が海外旅行に行こうとした時に、当時、小学生だった息子さんが「花火が見たいから行かない」と泣いた事件があったっけ。

旅行マニアの私でさえも、基本的に花火大会には旅程を組まない😅。


長男は中学生の時から、毎年、徒党を組んで部活の仲間たちと花火大会に出かけた。場所取り、買い出し、花火後に近所のスーパー休憩コーナーでの打ち上げといった一連の流れ全てが、最大のお楽しみだと目をキラキラさせて語っていた。

地方都市のティーンエイジャーに許された、数少ない健全な夜遊び😁。


高校を卒業する時、ずっと一緒に部活を頑張ってきた仲間と「花火大会に集まろうな」と約束して別れた。この街の若者は皆、盆も正月も帰省しなくても、花火には帰る!それくらいの重要事項なのだ。


けれど、大学に進学した去年、まさかのコロナ禍で県をまたぐ移動は許されないムードになった。

そして、戦後初めての花火大会中止。

全国的にもたくさんの有名なお祭りが中止されていたから、致し方ないとは思いつつ、この時のショックは凄かった😭。

中止が発表された時、

「苦渋の決断。来年は必ず花火を上げます」とされていたのに…


世界は未だ、先の見えないトンネルの中にいる。

今日の感染者数もまた過去最大人数を更新したとか、しないとか。

オリンピックだけはどういう事情か😅、決行されたが、今年も花火大会は出来なかった。


長男は今年も花火に帰ってくることは出来なかった。せっかく中学生になり、普通なら友達との花火大会デビューが出来たであろう次男は、中3なのに、親としか花火を見たことがない。

去年も今年も花火大会は中止になったから。


それでも昨夜、花火大会本来の復興と、コロナ禍終息を願い静かに数発の花火が打ち上げられた。


今年もダメだったけど、来年こそはきっと!

私たちはちゃんと希望を持ち続けている。

私たちが出来ることは、このコロナ禍で起きた全てを誰かや何かのせいにして、傷つけ合うことをやめること。

明るい未来を忘れないこと。