ー第38回ー 『ゴジラ』昭和シリーズ初期 (紹介) | 3110 - 映画研究会

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 というわけで、『ゴジラ』シリーズ、今回は昭和初期の作品を紹介していきたいと思います。

 

   ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ

 

   『ゴジラ』 

  

   1954年 97分 監督:本多猪四郎

 
 記念すべき1作目。モンスターマスター・本多猪四郎,特撮の神様・円谷英二,ミスターゴジラ・中島春雄など、伝説のメンバーが集合して製作された映画です。単作でも後々しっかり紹介するつもりです。
 「白黒だしなぁ……」とか思っているそこのあなたは、騙されたと思って観てみましょう。
 日本船が立て続けに沈没する事件が発生。発生現場近くの島では、嵐に紛れて巨大な何かが上陸していた。その何かこそ事件の原因であり、その正体はジュラ紀に生息していた生物の生き残りが、水爆の影響で進化したものであると発覚する。
 日本ではシリーズが30個製作されましたが、“ゴジラ”の存在が一般に認知されていない世界観が描かれているのは、『シン・ゴジラ』と本作だけです。そして怪獣がゴジラしか登場しない作品も、本作を含めて3作しかありません。
 物語は、ゴジラを巡る登場人物たちの心情を中心に展開します。
 ゴジラを倒すべきだと主張する尾形,それに対し否定的な意見を持つ山根博士,自分の研究を兵器として使いたくない芹沢……。
 核の化身として描かれるゴジラ。火の海と化す東京は、いずれ核の炎がもたらすであろう悲劇を表しています。
 シリーズの他の作品とは比べ物にならないほどハードな作風となっていますが、日本人であれば一度は観ておきたい作品です。
 歴代トップクラスのミニチュアや、伊福部昭の音楽にも注目してみましょう。
 
 
 
   『ゴジラの逆襲』 
  
   1955年 82分 監督:小田基義
 
 3ヶ月ほどで撮影された続編です。その割にはミニチュアや特撮のクオリティはなかなか。
 本作で初めて怪獣同士と対決が描かれます。しかし、後に一般的となる怪獣プロレスよりも、野獣同士の殺し合いって感じ。私はこちらの方が好きですが。
 前作では硬派な人間ドラマが展開されましたが、本作はそうでもなく、尺も短いので比較的観やすいかと思われます。
 硬派ではないと言っても、あくまで前作と比べてってことで、世界観的にはシリーズの他の作品よりリアルなので、硬派な作品が好きな人でも全然楽しめるはず。
 オキシジェン=デストロイヤーがない今、どうやってゴジラを倒せばよいのか。その方法はシリーズでも随一のリアルさ。
 
 
 
  『キングコング対ゴジラ』 
  
   1962年 97分 監督:本多猪四郎
 
 シリーズ最高の1255万人という観客動員数を記録した作品。
 こっからカラーになります。前作までの重々しさを取っ払い、娯楽色が強くなりました。
 復活したゴジラと、ファロ島に伝わる伝説の巨大なる魔神・キングコングの対決が描かれます。日米を代表怪獣の夢の共演です(アメリカでの評判は最悪だったらしいけど)。元祖怪獣プロレスですね。
 本作は脚本がかなりきれいにまとまっていると思います。ゴジラパート,コングパート,そして人間パート,3つがそれぞれ進行し、くっついたり離れたりしながら、最後はひとつにまとまります。
 本作のゴジラの造形(通称キンゴジ)は、シリーズで1,2を争う人気。
 
 
 
   『モスラ対ゴジラ』
  
   1964年 89分 監督:本多猪四郎
 
 東宝の人気怪獣2匹の共演。一応『モスラ』の続編という立ち位置ですが、観ていなくてもまったく問題ありません。
 2014年の『ゴジラ総選挙』では4位。『ゴジラ総選挙2017』では2位。同じく『ゴジラ総選挙2017』の人気怪獣投票では、本作に登場するモスラが1位となりました。ヤバいね。
 物語は、嵐で浜に流されてしまったモスラの卵を巡る人間同士の争いを中心に描かれてます。そこへゴジラが絡み、卵を守るため、また、ゴジラを倒すために人間の信頼が試されることになります。
 これほど深いドラマパートは初代以来でしょうか。なかなか強烈な風刺映画ですが、初めてのゴジラ映画におすすめの一本。
 ちなみに、本作のゴジラの造形(通称モスゴジ)も、シリーズで1,2を争う人気。
 
 
 
 『三大怪獣 地球最大の決戦』 
  
   1964年 93分 監督:本多猪四郎
 
 『モスラ対ゴジラ』の続編にして、昭和初期と中期の境に位置する作品です。作風も、初期と中期を足して2で割った感じ。
 東宝三大怪獣のゴジラ,ラドン,モスラが共演し、人気怪獣キングギドラが初登場した豪華な映画です。タイトルの『三大怪獣』は前述した東宝三大怪獣のことなのですが、ラドンの枠がキングギドラになっていることが多いのが悲しい。
 あらすじは割と複雑なので端折ります。怪獣パートを簡単に説明すると、いがみ合っていた連中が共通の敵を倒すために協力するって感じ。まぁ観ろ。観りゃわかる。
 本作から怪獣が本格的に人間くさくなりました。そういうのが苦手な人は注意。でもみんなかわいい笑。
 個人的に、空飛ぶラドンをゴジラが見上げるシーンが超好きです。
 
   ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ
 
 昭和シリーズ初期の特徴として、大人向けの脚本と精巧なミニチュアがあります。
 硬派な作品が好きな人や、ミニチュア,特撮オタクの人におすすめ。
 詳しくは第21回をどうぞ。
 
 
続く……I love アンギラス