こんにちは 今回はイランの革命防衛隊の司令官をアメリカが空爆して殺害したというニュースが入って来ましたね。あまり、日本にとって馴染みのない国であるイランがなぜアメリカと仲が悪いのか、そしてなぜ戦争に走っていっているのかということについて少し書いていきたいと思いますのでお付き合いください笑

 

 アメリカの傀儡政権で王国だったイランでしたが1978年、イラン革命が起こり、それまで世俗的だった王国からイスラム教シーア派の宗教国に生まれ変わりました。イスラム教の宗派には大きく分けてスンニ派とシーア派が有ります。サウジアラビアなどのイラン以外の多くの国はスンニ派でイランがシーア派の国として君臨したため、両者の対立し始めました。そこに石油の利権の奪い合いなどが重なり、スンニ派のフセインが治めていたイラクとイランイラク戦争が勃発します。そこにアメリカは介入し、サウジアラビアやイスラエルとの関係を重視していたため、イラクを支援しました。結局この戦争はこう着状態に終わるわけですが、その後もアメリカは事あるごとにサウジ、イスラエルの味方をするため、イランと対立してきたのでした。イラン革命時のアメリカ人の脱出を描いた映画、アルゴではいかにアメリカとイランが対立していたかがよくわかります。

 中東ではイスラエルが事実上、核を持っている上、サウジアラビアにはアメリカ軍基地があるという状況であり、イランも核開発を行うようになります。その結果、世界から非難され、経済制裁を受け、2015年には事実上核開発を停止するという合意をアメリカなどと取り付けます。しかし、秘密裏にイランは核開発を進めていました、それがCIAなどに把握され、トランプ大統領などから非難されることになります。また、イランは自分たちの宗派であるシーア派を支援するため、イエメンやイラクなどに軍隊を派遣したり、ホルムズ海峡付近での石油輸送タンカーに対し、妨害を加えるなどの行為を革命防衛隊というイラン系組織を使って行っていました。しかし、この組織は完全にイランの政府の組織として動いているわけではなく、独自の判断で動いている部分があるので例えばタンカーが撃沈されたりということが起きてしまうのです。また、スンニ派住民を虐殺するといった蛮行も各地で起こしていたので以前から問題となっていました。その革命防衛隊のトップが今回殺されたわけです

 

 ISの消えた今だから

以前の記事で書いた通り、イスラム国は事実上崩壊しました。特にシリアでは以前はアサド政権とISと反政府組織という三つ巴戦争が起こっていましたが今ではアサド政権と反政府組織の二つの戦争となってしまいました。ちなみにこのアサド政権というのはシーア派の流れを汲んでおり、イランが以前から支援していました。一方、反政府組織はスンニ派に属するため、サウジアラビアやアメリカが支援するといった流れができていました。ところがISが登場したことでISを倒すことばかりに世界が注目したため、一時的にアメリカなどの国もそちら躍起になっていました。ところが、ISがいなくなったために再び、この対立に注目が向くことになりました。

 

 新冷戦の時代へ

 

 今、アメリカは中国と貿易戦争、ロシアともロシア疑惑をめぐった対立など冷戦さながらの対立をしています。なので、アメリカのやることには反対なロシア、中国は当然イランをバックアップするわけです。なので今回、もしアメリカとイランが全面戦争に突入したらロシア、中国も黙ってはいない可能性があります。アメリカにとってはそういった意味では危険な賭けとも言えるかもしれません。

 

 アメリカの大統領選のために

 アメリカという国は軍事産業で成り立っている部分が大きいですので基本的に戦争を起こすと支持率がアップするという傾向があるのです。今年は大統領選の年なので当然トランプは再選のために戦争を仕掛けるといった見方もできます。今年は世界がアメリカの動向に振り回されるような年になるかもしれません。