安倍晋太郎元外相に仕え、派閥内で力をつけた森氏は1998年から2006年まで、首相在任の1年間を除いて、清和会の会長をつとめた。その集金活動の前に立ちはだかったのは、政治家個人や資金管理団体への企業団体献金をいっさい禁止した1999年の法改正だった。

各派閥はそれ以降、政治資金パーティーの開催による資金調達に血道をあげる。企業がパーティー券を買っても献金(寄附)とみなされないという法の抜け穴を利用するためだ。

なかでも、2000年代以降に勢力を拡大した清和会の政治資金パーティー活動は派手だったが、そこにパーティー券売り上げのノルマ超過分を裏金として各議員にキックバックする仕組みが隠されていた。

その起源は森氏が会長だった時代にさかのぼるとみられていたが、このほど自民党が議員ら計91人に実施した聞き取り調査の結果でも、20年以上前からその悪しき慣行が続いてきたことが裏づけされた。

清和会の事務総長経験者たちが東京地検特捜部の事情聴取を受けながら、無罪放免になったのは、全員が「還流は会長案件であり、自分たちはあずかり知らない」と口をそろえたからだが、それが事実だとすると、森氏が最初に指示し、歴代会長に引き継がれてきたという疑いが俄然、濃くなってくる。


 

森氏聴取、必要なしと判断 岸田首相、「国民の厳しい目」認識―衆院予算委

 
 
 
 岸田文雄首相は26日の衆院予算委員会で、自民党安倍派などの政治資金パーティー裏金事件に関し、自民による聞き取り調査で同派会長を務めた森喜朗元首相を対象としなかった理由を問われ「森氏の具体的関与を指摘する発言はなかったことから、追加聴取は必要ないと判断したと受け止めている」と述べた。立憲民主党の奥野総一郎氏への答弁。
 
 奥野氏は自民の二階俊博元幹事長、下村博文元政調会長、萩生田光一前政調会長の3人の参考人招致を要求し、応じない限り2024年度予算案の衆院通過は「困難」との認識を示した。首相は「国会で判断いただくことだ」と指摘するにとどめた。

 首相は裏金事件に関し「国民の厳しい目を強く感じている。信頼回復に向けて、強い覚悟を持って臨まなければならない」と強調。SNSで「#確定申告ボイコット」とのハッシュタグを付けた投稿が広がっていることに関し「承知している」と述べた。立民の城井崇氏への答弁。

 共産党の赤嶺政賢氏は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、沖縄戦の激戦地となった県南部の土砂を埋め立て用として調達しないよう訴えた。首相は「今もなお戦没者の遺骨収集が進められている。こうした事情も十分踏まえ、調達先を適切に判断していく」と語った。
 
 

森喜朗元首相への聞き取り「不要」岸田首相が表明「具体的な関与指摘の発言なかった」衆院予算委

 
 
岸田文雄首相は26日の衆院予算委員会で、自民党派パーティー裏金事件をめぐり、野党から参考人招致を求める声が出ている森喜朗元首相について、今後さらなる聞き取り調査は不要との認識を示した。これまでの聞き取り調査で「森氏の具体的な関与を指摘する発言はなかった」と述べた。

立憲民主党の奥野総一郎衆院議員の質問に答えた。 森氏はかつて、裏金事件の舞台となった安倍派の流れをくむ森派の会長を務めていた。今月15日に自民党が公表した、派閥や収支報告書への不記載が確認された安倍派と二階派の議員ら計91人に対する聞き取り調査の中では、キックバックが始まった時期について「場合によっては20年以上前から行われていたことも窺われる」と記載。森氏は1998年12月~2000年4月と、2001年5月~2006年10月に派閥会長を務めており、森氏の会長時代に重なる可能性が指摘されていた。

野党はこれまでも、派閥パーティー券収入のノルマ超過分を所属議員にキックバックするシステムについて把握していたかどうか、森氏に話を聞くよう岸田首相に再三求めている。
 
 

首相、改めて納税呼びかける 裏金事件陳謝し「分かちあうもの」

 
何が分かち合うだ。
政倫審すら非公開ではぐらかす気満々のくせに。

行動を伴わない謝罪ごっこは陳謝って言わないんだ。覚えておくといいよ。
 
 

 
 26日の衆院予算委員会で、岸田文雄首相が改めて国民に納税を呼びかける場面があった。首相は、政治とカネの問題が国民の不信や懸念を招いているとして陳謝した上で「税は社会を支える公的なサービスを皆で分かちあうものだ」などと理解を求めた。
 
 立憲民主党の城井崇氏の質問の冒頭で「納税者の皆さんに一言」と求められた首相は、自民党の裏金事件を念頭に「納税の時期を迎えて国民に強い懸念、不信を引き起こしていることについて自民党として強い危機感を感じ、心からおわびを申し上げる」と謝罪。続けて国民の納税への協力を呼びかけた。

 また、城井氏から「確定申告ボイコット」のハッシュタグがついた投稿がネット上で飛び交っているとの指摘を受けると、「SNS(ネット交流サービス)で投稿が多く見られることは私も承知している」と言及。その上で「改めて国民の厳しい目を強く感じている。国民の信頼回復に向けて強い覚悟を持って臨まなければならない」と語った。【川口峻】