投資のいろは(タイミングが難しい)
昨日から続落の展開です。
しかも下がり切った印象でもありません。金融株は下がりながらも底堅いのは日銀の利上げを見ているからでしょうか。ただ、そうなると中々買いを入れにくいところです。本当に難しいところです。
日本時間一昨日のNY時間でのSOXが7%以上下落したのには驚きました。以前にも書いたと思いますがSOXが7%も下落することは数年に一度の出来事で、そういう時には日経平均は1日急落する程度では済まず基本的には数日にわたって下落することが多いのです。今回も2日目までは窓を開けての下落をしています。
こちらは日経平均日足の3ヶ月チャートに移動平均線とMACDを重ねたものです。これを見ると難しいと思います。MACDがデッドクロスしているのですが、その場所はプラス圏というよりもゼロ近傍です。
MACDはマイナス圏でゴールデンクロスする時に強い上昇を示唆し、プラス圏でデッドクロスをすると強い下落を示唆します。それを考えると、このテクニカルからは急落を想定するのが難しいところです。
為替が円高に動いていることも気がかりです。これを書いているのはアメリカで指標が出る直前の日本時間午後9時15分頃ですが、ドル円が143円09銭あたりです。これで指標が出て、その雇用関係の数字が想定外に悪化して、それにつられて為替が142円に突入し、同時に先物が急落するなんて可能性はあると思います。
一応、私はこのタイミングでプット側のオプションでバックスプレッドを取りました。その上で明日も日経平均が続落するようなら、3回程度に分けたうちの最初の1回の買いを金融機関の株に入れていこうと思います。
投資のいろは(レイバーデイが終わり・・・)
みなさん、お久しぶりです。
以前のエントリーで行ったアンケートで現物を買うのなら9月になってからだというのが多数でした。そして昨日アメリカがレイバーデイで休場。本日から外資系証券の人たちも夏休みが終わって本格的に市場に戻ってきます。
こちらは日経平均日足の3ヶ月チャートに出来高を重ねたものです。先週末の市場の動きを見ていると個別銘柄にそこそこ強い買いが入っていて、出来高もやや増加に転じていました。今週ここまで出来高は減少しましたが、これを見ていると下値を切り上げているようにも見えます。
しかし本日の市場が引けてから植田日銀総裁がタカ派的発言をしたことでナイトセッションでは日経平均先物が下落しています。しかしそんなに下がっていない印象です。いずれにせよ、これを見て現物の買いを入れていく機会だと思います。
まずは金融機関を狙っていきたいと思います。
私は口座を持っている関係上りそなHD(8308)を買っていこうと思います。本日既に急騰していますが、日銀が利上げを進める方向性が明白になっているので金融機関株は短期でも中期でも長期でも買いだと思います。
狙いは第二地銀のようなところだろうと思います。テクニカル的に見ると7月下旬の植田日銀ショックの時の株価まで戻っていないこのセクターの銘柄は多く、例えば武蔵野銀行(8336)なども狙い目かもしれません。
こちらは武蔵野銀行の日足の3ヶ月チャートに移動平均線とMACDを重ねたものです。本日ゴールデンクロスをして、MACDも良いところでヒストグラムがもう一度上に伸びそうな気配です。最小単元で30万円ですが、明日あたり200株程度を買っていこうと思います。
金融機関の株は、例えばそこに口座を持っていると諸々の優待があったりするので、1ヶ月前の急落時の価格まで戻していない銘柄を探して、その中に自分が口座を持っているのを探して買っていくのが良いと思います。
諸々の情勢を勘案すると日銀は年内中にもう一度25BPの利上げをしてくるような気がします。それはかなり景気を減速させるので止めた方が良いように思いますが、日銀がどちらの方向を見ているのかが少しわかってきました。
日銀の利上げに前のめりな姿勢を見ると、現物を買っていく時に金融機関株を入れることで口座全体をヘッジできるようにもなります。基本的に利上げは金融機関の業績にはプラスに働きますので。
その上で金融機関以外の銘柄も狙っていこうと思います。
雑感(閉会中審査)
書くほどの事でも無いのですが・・・
黒海の閉会中審査の質疑応答を見ています。与党の委員からの政府側への質問はやや鋭さに欠けますが、それでも議論にはなっています。自民党の委員の方が最初15分間質問をしていましたが、まぁ、植田総裁の8月の市場の混乱の分析についてアメリカ経済の先行きの見通しの事しか述べなかったことに対して、自分自身の発言についてどう思うのかと聞き返さなかったのは鋭さに欠けたと言えると思う。
それは確か公明党の委員が述べていましたけど。
問題はこの時間の立憲民主党のおふたりの委員の質問です。ちょっとこの質問の質が酷過ぎます。政権批判とかそういうのはこの閉会中審査の質疑の中でやることでもないでしょう。
私は日本の政治関係のことも基本的に海外のメディアから拾って読むか、時々こうして議会の各種委員会を見ることがありますけれど、他の委員会だと野党の委員の質問も結構鋭いんですけれどね。特に共産党の委員の質問はかなり鋭い質問が多く、時々政府側の回答が滞ることすらあるのですが。
投資のいろは(明日に注目)
本日はあまり動かず明日に備えましょう。
明日に備えると言ってもなるべくポジションを落として現金を多く持ち、明日の動きに乗るのが上策ということです。日本時間の午前中に植田日銀総裁の衆議院での閉会中審査での質疑応答があり、午後から参議院に場を移しての質疑応答があります。さらに夜、と言っても日本時間だと明後日未明になりますがジャクソンホールでのパウエルFRB議長の発言があります。
かなり荒い値動きも考えられるので事態が収束するまでは買いも売りも控えておくのが良いように思えます。
ところで日銀の植田総裁については流石に明日失言をするようなことは無いだろうと思います。今回はかなり慎重に臨まれると思います。
ただ少し日銀の展望を考えてみると内田副総裁が市場が混乱しているうちには利上げを行わないと述べたわけです。すると例えば現時点で混乱は見られないとも言えます。ボラティリティはまだ幾分高いですが収まりつつあります。そして株価の絶対的な水準についても日銀の金融政策決定会合のところまで戻ってきました。
もしかしたらPKOのようなことをして価格を維持したのかもしれませんけど。
いずれにせよ、混乱は収まったとも言えなくもありません。そうすると年内にもう一段の利上げを行う可能性がある、と言うかもしれません。もちろんそこまで直截的に述べなくともそういうフリーハンドを持っているよ、と。
何で日銀がこれほど利上げを急ぐのかと言えば明日発表される日本のCPIもそうですが、今の物価上昇率が来年度も続く可能性が低いからに尽きます。
円安を是正するために利上げを行うわけですが(日銀はそう言ってませんが、はっきり言えばそういうことです)、これをすると円安が少なくとも穏やかになり、円高方向に動くこともあり得ます。それだけで物価上昇を抑えられるとは言えませんが少なくとも、日銀の言葉で言えば『第一の力』の勢いが無くなるため今のような物価上昇の水準は維持できなくなります。
例えばそれが2%を下回ってくると当然利上げをする根拠が失われます。もしかしたら前回植田総裁が会見で述べた実質金利の話などはその時のための下準備と思うこともできます。
だから日銀としては利上げを年内にどうしても後1回行いたいんじゃないかと思います。そうすると残る会合は9月、10月、12月で9月だと自民党の総裁選挙や、そこそこの確率で衆議院議員選挙まであるとなると出来ない。つまり10月か12月が有力になるわけで、その場合に明日の議会での質疑応答で年内の利上げをしないという言質を取られるようなことはしないと思います。
少し市場が動きそうな予感がします。
来週月曜日にアメリカでもジャクソンホールでのパウエル議長の発言を受けて日経平均が大きく動いて始まります。そこで初めて買いを入れていくのが良いのかなと思います。このブログで先日アンケートを取った結果でも9月に入ってからという意見が多数でした。おそらくそれが正しくて来週後半に相場が落ち着いてからじっくりと買を入れていくというのが良いのかと思います。
最後に私の見解を少し。
私は日本の中立金利は2%よりもはるかに低く、おそらく0.5%であるとか0.75%がせいぜいだと思います。労働力人口が日本の人口減少の割合よりも大きく減少しており、生産性も他国に劣後しています。起死回生の何かがあるという可能性はゼロ。これはこのブログでも何度か述べています。
これに関して昨年3月のエントリーを引用しつつ話をしたいと思います。
アメリカでは今、中立金利が本当に2%なのかの議論がなされています。経済が非常に好調であり、移民の購買力が旺盛であること、AIによる更なる生産性の向上が見込まれることなどから、金利をその水準まで下げると経済が過熱しすぎるという議論です。上でリンクを貼ったエントリーでもそのことを書いています。
それでは日本はどうでしょうか。
日本で中立金利を2%と仮定して政策決定を行うと、これはアメリカと真逆で過剰に景気を抑制する方向に働くと思います。私は先程も述べた通り日本での中立金利は0.5%か0.75%がせいぜいだと思っています。つまり日銀が後1回利上げをするということは、私の見方だと日本経済はかなり過熱しているという情勢判断が無い限りするべきではないということです。
ましてやここから50BPの利上げを行うとなれば、それは誰の目に見ても明らかなほど景気が過熱しており、既に疑いの余地なくバブルが発生していると大半の人が理解している情勢でない限りするべきでは無いと思います。
もしこの見方が正しいとすると次の利上げをすることで日本経済は緩やかな後退局面に入っていくように思います。来年の春闘では特に中小企業を中心に賃上げが今年ほどには奮わなくなるでしょう。上場企業の大半は新しい為替レートでの事業計画を立てますが、今のようなバラ色の業績予想は取り消しです。
これが今までこのブログで日本の現状を1950年からのアルゼンチンの経済に比定していた一番大きな部分です。つまり過去の栄光に浸って日本経済と通貨円を過大評価した政策が行われてしまうことです。
アルゼンチン経済に不可逆的な打撃を与えたのが正にこうしたアルゼンチンペソの過大評価と、それを維持したままでの市場開放で自国産業が崩壊したプロセスで、それと今の日本とで条件の一致していない部分も数多くあるにせよ、自国経済と自国通貨を過大評価して、実体と合わない政策を行うことで産業が崩壊するというのはかなり高い確率でこの両国で平仄が合うと思います。
投資のいろは(戻ってきました)
更新が遅れました。
前回のエントリー以降更新が滞ったのは、あれ以降更に辺鄙なところに行っていて、もはやネットカフェなどすらなかったので更新が億劫になってしまった次第です。
さて日経平均は38000円を挟んで揉み合っていますが、まずは今月上旬の立ち回りを少し詳しく説明しておこうと思います。
まずは日銀が利上げを実施する前にオプションで上と下とにクレジットスプレッドを組んでいました。これは損失も利益も限定できるポジションなので基本的に放置しておいても良いものでした。結果としてはそれを組み替えつつ損益をトントンにできたわけです。その前に、今月1日に普段はあまりやらないのですがプットを買いのみで持ちました。それを8月5日のエントリーにアップした画像のように決済したわけです。
この時のオプションというのはSQ間際でタイムディケイが非常に大きいので買いのみで持つのはそれなりに自信が無いと出来ない事でしたが、日銀の暴挙で市場が崩壊するのは容易に分かっていたのでこういう手法を実行した次第です。
同時に、オプションの性質上最初の動きの時に利益を最大化できるということもこの時に証明されていると思います。5日に急落した翌日に日経平均は大きく戻していましたが、私は5日の急落で持っていたプットの買いをすべて決済したわけではありませんでした。それはあの後のナイトセッションで急いで決済しましたが、その時には既に日経VIが勢いを失っておりオプションの価格は急落してしまっていました。
結果としてコールのクレジットスプレッドで9000円の利益を出せ、そしてプット側のクレジットスプレッドでプットの売りを決済してこれをバックスプレッドの形にして、尚且つ現物株の口座の方からその損失部分を埋めるべく資金を移動させてプットを大きく買い増したわけです。それをすべて計算すると38万円の利益となりました。
つまり既にリンクを貼っている5日の利益の前にプットの売りを決済した分の損失があり、それとあの画像の決済の後まで持っていたプットの買いの決済と合算するとそれだけの利益が残ったというわけです。
そして現物については元々あの日銀の暴挙があろうがなかろうが下落基調だったのは想定していたので保有銘柄が少なかったのも良かったです。
さて、それでは本日までの成績です。
現物株
クイック(4318)
600株×2178円
-84600円
パーク24(4666)
400株×1607円
+18400円
ジーエス・ユアサ・コーポレーション(6674)
200株×2650円
+14900円
共英製鋼(5440)
200株×1990円
-28000円(確定)
小計
-79300円
オプション
7月限月のプットバックスプレッド
-14000円(確定)
7月限月のP39000円売り
+9300円(確定)
7月限月のコールクレジットスプレッド
+6600円×3(確定)
8月限月コールのクレジットスプレッド
C42500円買@290円×1
C43000円売@170円×1
+12000円(確定)
C43000円買@170円×2
C43500円売@100円×2
+14000円(確定)
8月限月プットのバックスプレッド
P39000円売@370円×1
P38500円買@270円×3
8月限月プットのクレジットスプレッド
P39000円売@425円×2
P38500円買@290円×2
8月限月プットの買い
P34625円買@538円×3
この上記3つのポジションについては途中で組み換えを行っているので合算での数値を出すことにします。
+384000円
小計
+425100円
6月までの成績
現物
+669900円
オプション
+37000円
合計
+706900円
現物の含み損をオプションがうまい具合にカバーしてくれています。ただ、これも最も市場が混乱していた時にはもう少し含み損が膨らんでおり、オプションの利益と同じくらいの水準だったと思います。
こうした場合のパニック売りでは諸々のことが背景で起こっているわけです。そこでパニックが落ち着けば見直し買いが入りやすいのです。なのでこうした時には機械的なロスカットをするべきでは無いと思います。
実際、値を戻していますし。
先日のアンケートであったように今月は現物の売買を手控えた方が良いと思います。今週末にも日米の中央銀行関係者の発言があったり指標が出て来たりでまだ二番底の可能性もあると見ています。
そういうことを考えるとしばらくは買わない方が良いと思います。買うとしたら金融機関の株だろうと思いますが短期で抜けられるように備えを万全にしておくと良いと思います。ちなみに私はこのブログで紹介しているスウィングトレード用ではなく自分の口座を開いている金融機関(りそな)の株を買い増ししました。4000株以上保有すると毎月のポイントが最大値まで加算されるという仕組みで、しかもこれで引き出し手数料などで大きな優遇を得られます。
例えばこれを読んでいるみなさんも自分の口座を持っている金融機関の株を買っていくと良いのかもしれません。こちらはスウィングでも取れると思いますが長期で見ても今の水準から3,4倍になるのは過去の似たような利上げ局面での金融機関の株価の推移から容易に想定されます。