30 色の三原色について | クリーニング業者や主婦が「洗ったら思わぬ結果になった」あらゆる衣類を復元!

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さて、コートとジャケットの変色を色掛けで直す工程をご紹介している今回の記事ですが、ここで色掛けの基本である、「色の三原色」についてご説明したいと思います。 ちなみにこのブログでも過去に詳しくご説明している記事がありましたが、なにしろ10年以上続けているこのブログ・・・ 探しましたがどこにあるやら、さっぱり見つからないため、再度掲載することにいたしました(笑)。

 

色掛けという脱色、変色した衣類を直す方法において、「色の三原色」の理解無くしては、絶対出来ないと言って過言ではありません。  読者様も幼少期に絵の具などで、「青と黄色を混ぜると緑色になる」という知識をお持ちかと思います。 色の三原色の原理を知れば、これも当然のことと理解できるはずです。

 

まず、光の色ではなく、絵の具や塗料などの色のついたものを混ぜ合わせる場合に、「色の三原色」なるものがあり、それが下のイラストの

青(正確にはシアン)、赤(正確にはマゼンタ)、黄色(これはそのまんま)であり、一般的にこれを円にして描画します。

 

 

さらに、これら3つの色を混ぜ合わせた色を、その中間に描画します。

 

 

この時、ある法則が成り立ちます。 それは、「赤に同量の黄色を混ぜると、赤が黄色寄りに一つ移動して、オレンジ色になる」というものです。 出来上がったオレンジ色にさらに同量の緑色を混ぜると一つ緑寄りに移動して黄色になります。

 

もう一つの法則が、下のイラストのように、対角線上にあるもの同士を「反対色」と言います。

 

 

この反対色同志を混ぜると、結果、「黒」になります。 ちなみに、黄色い衣類に黄色い染料を乗せることを「同系色の色を色掛けする」と言います。反対色の反対語が同系色、ということです。

 

 

正確には、キレイに真っ黒になるのではなく、混ぜ合わせた色に応じて「くすんだ黒」になります。 そこで、色掛けにおいて「黒」を乗せたい場合は、反対色同志を混ぜるのではなく、「真っ黒の染料」を乗せます。 そうでないと、キレイに真っ黒にならないからです。

 

ここまでが、色掛けにおける「色の三原色」の説明です。 ここまでの知識を利用して、昨日のブログの青いコートの黄色く変色した部分を色掛けて目立たなくする手順としては、まず黄色の反対色である紫色の染料を変色部分に乗せて、黒ずんだ状態にし(実際にはグレー色になる)、その後、同系色として青色を乗せると、グレー色が目立たなくなって、結果、青色に見える、というわけです。 最初から同系色の青色を乗せても、青+黄色=緑色になってしまい、いつまでたっても周りと同じ青色には出来ないわけです。

 

ちなみに、黒について補足しますと、販売されている黒の衣類は、実際には黒い染料以外に赤や青の染料を混ぜて染めているのが一般的です。 なぜかと言うと、真っ黒の染料だけで染めてしまうと、「ススのような黒色」になってしまい、味気ない雰囲気になってしまうので、赤や青の染料を混ぜることで「深みのある黒」にするのが普通です。 で、その黒い衣類にうっかりハイターの液を飛ばしてしまって脱色してしまった!? という経験のある方もいらっしゃるかと思いますが、ハイターの液が付いて脱色するなら、そこは「白く」ならないと変なハズですが、実際は「赤く」なったり「青く」なったりすることがほとんどです。 これはハイターのせいで黒い染料が取れてしまい、残った赤や青の染料の色がみえるようになった・・・・ということが原因です。

 

さらに色かけする上で、色の調合以外にも強く留意することがあります。 それは「繊維の状態」です。 前述のようにハイターで脱色した、とか塀に服を擦ってしまって白っぽく毛羽立った、という場合、その色が取れた部分は周りの部分と繊維の状態が変わってしまっています。 ハイターであれば強いアルカリ性によって繊維表面が溶けていたり、擦った場合は繊維表面が毛羽立ちます。 その状態で回りと同じ色に調合した戦勝を色掛けしても、光の反射状態が変わるので同じ色には見えない、という現象が起こるので、こういった場合、完全に同じ色にすることは出来ません。

 

これらのことを理解していただいた上で、明日のジャケットの変色直しについての説明をお読みいただけたら、より理解が深まって面白く感じていただけるかと存じます。

 

と、いう訳で、明日は残るジャケットの方の変色お直し結果をご覧に入れましょう。

 

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