その土曜日、7時58分 (2007) | KITの海外版映画DVD+Blu-ray

KITの海外版映画DVD+Blu-ray

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[見所]

シドニー・ルメット監督の遺作。

金に困った兄弟が考えついたのは、両親が経営する小さな宝石店強盗。目の悪い店番の老女を脅して現金と宝石を奪う計画で、強盗は簡単で、被害は保険からおり、両親にも迷惑を掛けない完璧な計画のはずだった。

しかし実行役の弟が怖じ気づき、兄に内緒でチンピラを仲間に引き入れたことから、計画は破綻してしまう。実行役の男はこっそり拳銃を持込み、強盗は成功しかけるが、店番の女が拳銃で反撃、男は射殺、店番の女性も死んでしまう。しかもその日店番をしていたのは、兄弟の母親だった。

 

原題:Before the Devil Knows You're Dead (2007) 日本版Blu-ray

アメリカ映画 117分(アメリカ劇場公開:2007.10.26)

邦題:その土曜日、7時58分(日本劇場公開:2008.10.11)

ジャンル:犯罪、ドラマ、サスペンス

 

監督:シドニー・ルメット

脚本:ケリー・マスターソン

製作:マイケル・セレンジー、ウィリアム・S・ギルモア、ブライアン・リンス、ポール・パーマー

製作総指揮:ベル・アヴェリー、ジェーン・バークレイ、デヴィッド・バーグスタイン、J・J・ホフマン、エリ・クライン、ハンナ・リーダー、ジェフリー・メルニック、サム・ザハリス

音楽:カーター・バーウェル

撮影:ロン・フォーチュナト

編集:トム・スウォートウート

 

[出演]

アンディ・ハンソン(フィリップ・シーモア・ホフマン、不動産会社財務担当重役)

イーサン・ホーク(ハンク・ハンソン、アンディの弟)

マリサ・トメイ(ジーナ・ハンソン、アンディの妻)

アルバート・フィニー(チャールズ・ハンソン、アンディとハンクの父親)

ブライアン・F・オバーン(ボビー、チンピラ、ハンクが強盗実行犯として雇う)

ローズマリー・ハリス(ナネット・ハンソン、アンディとハンクの母親、チャールズの妻)

マイケル・シャノン(ボビーのガールフレンド、クリスの兄)

エイミー・ライアン(マーサ・ハンソン、ハンクの離婚した妻)

サラ・リヴィングストン(ダニエル・ハンソン、ハンクとマーサの娘)

 

[ストーリー]

ニューヨークに住むアンディ・ハンソン(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、大手不動産会社の財務担当重役をしていたが、彼は麻薬中毒で、会社の金に手を出していた。アンディには美人の妻ジーナ(マリサ・トメイ)がいたが、長い間暮らす内にに不仲になっていた。

アンディはジーナとリオ・デ・ジャネイロで休暇を過ごし、二人は久しぶりに熱愛をかわす。アンディは大金を手に入れて、リオで二人で暮らす夢を見る。

 

アンディの弟ハンク(イーサン・ホーク)は、妻マーサ(エイミー・ライアン)と離婚、アンディは娘ダニエルの養育費と教育費を払うことになっていたが、養育費は既に3ヶ月滞納、ダニエルの通う私立学校への支払いにも苦労していた。

 

アンディの会社に国税局の調査が入ることになり、アンディの横領がばれるのはまず間違いない。アンディはリオに高飛びす金が欲しい。アンディは金に困っているハンクに安全な儲け話があると持ちかける。最初はそんなうまい話があるわけは無いと断ったハンクだったが、娘の一泊での課外活動費を払うためにアンディの話に乗ることにする。

 

アンディの妙案とは何と自分達の両親チャールズ(アルバート・フィニー)とナネット(ローズマリー・ハリス)が郊外の町のモールで経営している小さな宝石店を襲うことだった。母親のナネットは店番はしておらず、代わりに目の悪い老齢の女性ドーリスが店番をしているはずで、強盗は簡単なはずで、店は保険に入っており、両親にも実質的被害はない。

 

アンディは最近そのモールで不動産買収に関する仕事をしており、顔が割れていた。その為ハンクが強盗の実行役となるが、怖じ気づいたハンクは、知り合いの犯罪常習者ボビー(ブライアン・F・オバーン)を仲間に引き入れる。オバーンは強盗に乗り気で、アンディが止めたにも関わらず、本物の拳銃を持ち、朝早く開店したばかりの店に強盗に入る。その日はドーリスは用事があり、午前中はナネットが店番を引き受けていた。

 

ボビーはナネットがハンクの母親とも知らず、銃を突きつけて、現金と宝石類を手早く鞄に入れる。しかし、ナネットはスキを見て、引き出しの中の銃を引き出し、ボビーを撃つ。ボビーは重傷を負うが、拳銃でナネットを撃ち返す。ナネットも重傷を負うが、最後力を振り絞ってボビーをもう一度撃つ。ボビーは入り口のガラス窓を突き破り通りに飛び出して仰向けに倒れ死んでしまう。

 

ハンクは運転手役で、偽の運転免許証で借りたレンタカーに乗って、店の前で待っていたが、ボビーが死ぬのを見たハンクは大急ぎで車を発進させる。

 

[感想]

映画では時間通りに話が進むわけでは無く、行ったりきたりする。また、ハンク、アンディ、アルバート視線で、同じ場面を別角度で見ることになる。あるシーンでは謎だったことが、続く別視点のシーンではその謎解きになっている。

 

主役はアンディで、彼が欲を出したため、身内の人々が不幸のどん底に墜ちていくとい話なのだが、「レザボア・ドッグス (1992)」を思わせる編集で、ミステリー・サスペンスとしても面白い。

 

フィリップ・シーモア・ホフマン、イーサン・ホーク、アルバート・フィニー、マリサ・トメイという豪華な顔ぶれで、演技も非常にうまい。

 

美人のマリサ・トメイだが、全裸での絡みも多く、体当たり演技を見せている。

 

[補足]

20011年4月9に亡くなったシドニー・ルメット監督の遺作。

 

原題の"Befoe the Devil Knows You're Dead"はアイルランドの乾杯の言葉、"May you have food and raiment, a soft pillow for your head; may you be 40 years in heaven, before the devil knows you're dead." から取られている。

 

原題は謎のようなタイトルで、翻訳しても全く意味をなさない。邦題を考えた人は悩みに悩んだだろうが、出来は悪くないと思う。

 

[お勧め]

アクションシーンなどはないが、ドラマ好きなら楽しめる。

マリサ・トメイのファンなら必見。

 

英語版予告編: BEFORE THE DEVIL KNOWS YOU'RE DEAD Theatrical Trailer

 

[ソフト]

日本版Blu-ray

英語音声、日本語字幕

画質・音質とも良い