15,6年ぶりだろうか、
『神様のボート』
を再び開いたのは。
20歳前後の頃
江國香織さんの小説を
よく読んでいた。
まだろくに恋愛もしたこと
なかったのに
ちょっと背伸びした物語が
好きだった。
若かっただけに
スポンジみたいな吸収力で
それらの文章は私の血肉となり
その後の経験に活かされてる。
と思っている。

江國さんも自らこれを
狂気の物語と表現するように
神様のボートは
少し間違えれば
というか同じ内容でも
たとえば週刊誌が書いたら
ゲスに感じるのに
(ごめんなさい)
どうしてこうも美しくなるんだ!

“あの人は今どこで何をしているだろう?”

神様のボートには
ずっとこの想いが
静かに流れている。
そして時は流れて…

“居場所なんて誰かの心の中にしかない”

これは別の物語での
登場人物のセリフだけれど
この物語にも繋がっている部分がある。
心に残る本の言葉たちは
何年たっても読者の私の心にも
刻まれているのだと再確認した。


知らない間に
NHKでドラマ化もされていたなんて。
宮沢りえさんが主演なら
ちょっと観てみたいな。



KANA