元禄赤穂事件で非業の死を遂げた吉良上野介義央に代表される吉良氏の知識を問う「吉良氏検定」が12月12日、西尾市文化会館で開かれ、10代から80代まで76人が挑みました。吉良氏に関連する歴史が鎌倉時代から江戸時代まで幅広く出題されました。その結果、66人が合格しました。満点は３人でした。

吉良氏検定の合格証

吉良氏の歴史について広く関心を持ってもらうため、鎌倉時代の発祥から戦国時代の没落を経て、江戸時代に高家として再興し、元禄赤穂事件で滅亡するまでを、４択のクイズ形式で解答する「吉良氏検定」を、吉良氏８００年祭実行委員会（斎藤吾朗会長）が企画しました。

問題は中学校の副読本に吉良氏の歴史を追加した『歴史教本西尾』、西尾市出身の漫画家・すずき孔さんが描いた漫画『マンガで行く吉良氏８００年の旅』から出題され、４者択一の50問で、40問以上の正答で合格になります。事前学習会が11月27日にあり、受検を申し込んだ63人が参加。テキストの内容を齋藤俊幸文化財課長が解説しました。

事前学習会

当日はエントリーした88人のうち、最年少で16歳の高校生、最高齢で84歳の76人が受検。遠くは名古屋市や豊橋市からの参加もあり、学習の成果を発揮しようと、真剣な表情で取り組んでいました。

吉良氏検定に挑む受検者の皆さん

問題を見ると、鎌倉時代では承久の乱が起きた年、御剱八幡宮に納められた名刀、足利長氏が造営した天満宮、寺津八幡社を創建した一族などを答える問題など▼南北朝時代では吉良氏が分裂するきっかけになった内乱、南朝方に付いた吉良満貞に与えられた官職、満貞が実相寺に安置した仏像、康全寺の前身の名前を答える問題など▼室町時代では吉良氏が吉良荘以外に持っていた静岡県の領地、その領地に吉良義尚が建立した神社、足利御三家の組み合わせ、華蔵寺で亡くなった実相寺４代住職を答える問題など▼戦国時代では吉良義安が幽閉された静岡県の市、今川義元の首塚があるとされる寺、東条城で松平元康と吉良氏が戦った１５６１年の戦い、八ツ面小学校のあたりにあった城の城主を答える問題など▼江戸時代では吉良氏の役職、義央が開いた新田、吉良家と上杉家の三重の縁、義周の配流先を答える問題などがありました。

吉良氏検定の問題

報道によると、最年少で参加した市内の女子高校生は「もともと歴史が好きで勉強していた。２０１８年の西尾歴史マイスター認定試験も受け、西尾の歴史について知識を深めた。吉良氏というと吉良義央しか知らなかったので、新しい知識を得ようと検定に挑戦した。歴史の流れを把握するのに漫画がとても役に立った。吉良氏が足利将軍家の兄の家系であることや、教科書に載っている歴史の場面に影響していることを知り、驚いた。吉良氏一族が西尾を拠点に、誇りを持って生きていたことが分かり、西尾に住む自分も誇らしくなった」と話していたそうです。

【吉良氏検定】４択50問に76人挑む