真・プロレスラーは観客に何を見せているのか | 土曜の夜ならいいですよ∞本と映画と戯言と(終活日記)

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日々思うこと、昔話、いろいろ綴ります。


ようやく読めた。
TAJIRIさんの本。
今まで何冊もTAJIRIさんの本は読んでるが、これは総合的なもの。
50代になり、九州プロレスへ移籍した今のTAJIRIさんの思うところ、そして、今まで思っていたことがまとめられている。
自分自身もプロレスファンになり40年以上過ぎるが、最近のプロレスは面白くない。メジャーとされる新日本プロレスはほとんど興味が失せた。それは、単なる昭和のプロレスファンの意固地な偏見思想だと若いファンに思わるだけかもしれない。
しかし、TAJIRIさんが示すようにマニアックすぎる。それに個人的にはチャンピオンベルトが多すぎる。
もっと基本に、もっと単純に、もっと分かりやすく、子供から大人までが熱狂できるプロレスがみたい。
それは、大技連発やマニアックな技を連発することではない。
プロレスラーが登場したときからの雰囲気、そして、決して派手派手ではないが分かりやすく熱狂でき、プロレスラーが控室に戻るまでの世界観。ひとつの異次元のパッケージでみたい。
なんでも商売に代えてみる思想をうまく利用できなかった全日本プロレス。TAJIRIさんの洗脳・TAJIRI体制の噂もアングルにすればよかったのにと思う。プロレス界でそれを実践し続けるのは大仁田さん。なんでも世間の注目=観客に持ち込もうとする姿勢がある。個人的に昭和のプロレスファンが面白いと思うのは大仁田さんだと思う。それに、猪木さん的な怒りのあるプロレス。猪木さんの試合は決してマニアックでも分かりにくいものでもなかった。
この本には、ジムと道場の違い、練習と稽古の違い、リング上での米方向への試合の作り方など、プロレスラーとしての在り方もしめされている。なるほど!とうなずける。
九州プロレスはユーチューブなどで見たことがある。子供が沢山見に来ている会場。それが理想だ。
また、以前の著書にあったアジアンスポーツプロモーションの田舎町での興行も、理想的なプロレスだと思う。
私の見たいプロレスがこの本にあった。