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昭和50年代頃、私は父の経営する建設・不動産会社で
不動産広告や借家の管理や不動産の販売を手伝っていました。
借家人が退去する時は借家の傷み具合を借家人立会いのもと
どちらが治すのかを決めねばなりませんでした。
もともと借家は家賃を取るための物件ですから、
注文住宅よりも建売よりも低質な住宅でした。
入居者は新所帯の小さな子供のいる若い人たちが多かったです。
家を建てる程の金は借りられませんから、
とりあえず住む所を探しに来たという人たちです。
当地は冬は氷点下になりますから、
6畳間に家財道具を置いてヒーターを焚けば
北側の窓と壁は結露します。
この湿気が安い繊維壁に染みて春になると
カビてくるのです。
壁面・窓枠酷い時は押入れの布団がカビでダメになった時もありました。
壁から少し離して壁との間に隙間を設けて、
換気を頻繁に行って下さいというのですが、
部屋は狭いのだし赤ちゃんがいるのに
真冬に喚起などするはずがありません。
結局、壁の塗り替えや畳の入れ替えは
入居者負担が殆どでしたが、
今考えれば結露するような安普請な建物を建てるのも無責任ですし、
経済力の無い借家人にこそ、
簡単に痛まない賃貸物件を提供すべきなのではないでしょうか。
この国の人間主義ではなくして功利主義な姿勢が私は嫌いです。

