目くそ鼻くそを笑う
自分の欠点には気付かないで、
他人の欠点を嘲笑うことの譬え。
あざ笑うものも、笑われる者も
大した違いは無いということ。
ある日、目くそ君が通りを歩いていると、
向こうから鼻くそ君が歩いてきて、
すれ違いざまに言いました。
「おい目くそ君、顔に目くそがついているぞ。」
目くそ君は侮辱されたと思ったので、
鼻くそ君の顔をじっと見つめました。
すると鼻くそ君の顔に、鼻くそが付いているのを
発見しました。
そこで目くそ君は得意そうに鼻くそ君に言いました。
「お前こそ顔に鼻くそがついているぞ。」
たとえそれが嘘であったとしても、
二人のプライドは傷つきました。
二人は激しく言い合い、なじり合いました。
その争いを電柱の上から見ていたカラスは
思いました。
「人間というヤツは取るに足りない小さなことで、
恥を掻いたり、言い争って喧嘩をする
目くそも鼻くそも生きてる人間なら
誰にでもあることだ、
要はcareの問題だけだ。
俺たちなんか顔を洗ったことも無けりゃ
鼻くそを拭ったことも無い、
余計な厄介をしょい込まなかった
俺たちは幸せ者カァー」
