3連休の2日目。引き続き福岡にて。

 今日、明日の2日間はフォトリーディングセミナーの再受講。

 なぜ、フォトリーディングにこだわわるのか。それは、ぜひとも日本の公教育でフォトリーディングやマインドマップを活用できる子ども、すなわちメンタルリテラシーを身につけた子どもを育てたいという思いがあるから。


 メンタルリテラシーとは、英国の教育学者であるトニー・ブザン氏が提唱する概念で、簡単に言えば頭の使い方・学び方に関する能力である。氏は脳の働きに即した学び方をまず習得し、その上で自ら知識を積み上げていくことが、答えのない時代をよりよく生きていくための重要なポイントだと指摘するが、日本の教育ではそこはまだ十分ではなかろう。これからの知識社会を生きていく子ども達のメンタルリテラシーを高めるためには、近年の脳研究の知見を教育に積極的に取り入れていくことを真剣に考えなければならない。その参考となる究極の二冊を改めてここで紹介する。


 「ザ・マインドマップ」は、ブザン氏が開発したマインドマップという思考ツールについて記した一冊である。

ザ・マインドマップ/ダイヤモンド社
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OECDの国際学力テストで読解力が日本より上位のフィンランドでは、国語で「カルタ」と呼ばれるフィンランド式のマインドマップを使って小学校三年生から徹底的に学ばせ、発想力や物語の分析力を鍛えている。ブザン氏は「つまらないノートは世界共通」と述べ、日本の国語教育現場で支配的な直線的な形式のノートは「大脳皮質の能力の半分も使わずにノート作り」をしていると批判する。その上で、脳の持つ強力な学習機能を解放する「放射思考」を外面化したノート法=マインドマップを奨励する。マインドマップは、言葉だけでなくイメージ(絵)、色、リズム、空間把握(次元性)といった脳のスキルを一度に活用することによって、脳の創造性や記憶といった学習機能を最大限引き出す。またブザンは、学習障害児にもマインドマップが有効だと述べ、事例を紹介した上で、マインドマップが脳を「学習障害」や「失読症」といわれる障害から解き放つツールであるとも主張する。近年日本の国語教育現場でもマインドマップを活用した事例が報告され始めたが、私自身の実践の経験からも、マインドマップは、読む、書く、話す等様々な場面での活用方法があり、子ども達のメンタルリテラシーを高めるのに非常に有効なツールになると確信する。



 二冊目に紹介するのは、「あなたもいままでの10倍速く本が読める」という一冊である。


[新版]あなたもいままでの10倍速く本が読める/フォレスト出版
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著者のポール・シーリィ氏はこの本の中でフォトリーディングという新しい読書法を紹介している。氏は小学校で教わる読書の問題点を「明確な目的意識を持たない」「全て同じ速度で読んでしまう」「完璧に理解しなければならないという強迫観念がある」と指摘する。ここで紹介されるフォトリーディングは、「これまでの読書では使ってこなかった脳の領域(潜在意識)を使う読書(=脳全体を使って読む読書法)」である。全部で5つのステップからなる読書法であるが、決して特殊な訓練や能力を要するものではなく、小中学生でも十分に使えるスキルである。


(実際に「考える力がつくフォトリーディング」〈山口佐貴子・照井留美子著〉という子ども向けの本も出版されている。)


考える力がつくフォトリーディング/PHP研究所
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潜在意識という言葉を聞くと俄には信じがたくなるかもしれないが、私自身このスキルを学んだ結果、読書に対するパラダイムの転換が起こった。読書量が劇的に増加したのである。改めて本書を読むと、フォトリーディングは近年の脳科学の知見が見事に詰まった素晴らしいスキルであることが分かる。開発者のポールは、フォトリーディングは単なる読書法に留まらず、活用し続けることで自らの可能性を広げるスキルだと述べている。子ども達の将来の知的生活に、望ましい読書態度を身につけることは必須条件である。国語教師が旧来の指導方法に固執することなく、自身のメンタルリテラシーを高めつつ新しい取り組みをしていくことが、知識社会を生きる子ども達の可能性を拓いていくことになろう。