お金には関わりたくないのです | きょうだい児で、毒親育ちで、バツイチです。

きょうだい児で、毒親育ちで、バツイチです。

柴田真帆と申します。
アンジェルマン症候群の兄様がいて、
過保護・過干渉の毒母を見送り、
モラハラ&パワハラ夫を捨てました。

 

一度、肉親の毒に侵されてしまうと

本当の「解毒」というのは

相当、難しい。

 

ということを、痛感している。

 

ちょっとした拍子に、すぐフラッシュバックする。

 

冷凍庫の職場の中で、ママさんたちが喋っているのが

イヤでも耳に入って来たりするが

「この人、もしかしたら毒母なんじゃ…」

と思うと

冷凍庫の中だから当たり前だが

凍り付きそうになる。

 

いや、カラダよりメンタルが。

 

こんなことでもフラッシュバックするのだから

元パートナーの父君の圧は半端なかった。

 

猫撫で声、というんだろうか。

甘えてくるわけだ。

 

「チョウナンのヨメなんだから、全部任せるから」

とか言って来るわけで。

 

裏を返せば、「俺の世話も頼むね」、みたいな。

 

いや、出来るよ。介護とか。

全然、フツーにやれるよ。

 

だが、ふとした時に言ったのだ。

 

財産分与の差配もやってね、的なことを。

 

元パートナーの性格は、わっちもよくわかっている。

面倒なことには関わりたくないタイプだ。

やらないで済むならやりたくないタイプである。

 

だからこそ、向こうの父君も、とにかくわっちに

「真帆さんが、引っ張れ」

と言った。

わっちがリードしろ、と言っていたわけだ。

 

無理やん。

 

向こうの母君があと数か月ってときになって

何年も付き合っていたのに突然、

引き合わされた程度のわっちが

出来るわけがない。

 

ジナンのヨメの立場はどうなる。

 

ポッと出のわっちがいきなり仕切り始めて

納得するヤツなんか、いるわけがない。

 

それ以前に、他人の金をどうこうするとか

絶対にイヤだ。

気味が悪い。

 

気味が悪いが、本当にやらされそうな気がした。

 

というのも、先方の母君が亡くなった時

わっちは受付にいて、弔問客の香典を受け取っていた。

責任を持ってお預かりし、

名簿と共に父君にお渡しして、

あぁ無事に引継をしたな、と思った数日後。

 

その御香典の金額と名簿を作って

合計金額を算出するという任務が与えられた。

 

カンベンしてくれ…

 

これはさすがに、元パートナーにも言った。

 

そういうのはイヤなんだ、と。

お金に関わることはしたくない、と。

 

元パートナーは愛想笑いで、「お願い」してきた。

 

なぁ、あんたの母親だろうが。

メソメソ泣いてたんだろうが。

なんで今、笑って、わっちに頼めるんだ。

 

苦手でも何でも、母親のためだと思ったら

やれるもんじゃないんか。

時間がかかっても、ちゃんとやってやろうとか

思わないんか。

 

こういう些細なことが、また、わっちを

泥の中に引き摺り込む。

とは言っても、向こうの父君が頼んでいると言われたら

やらざるを得ない。

 

この時点で、確かに多少の違和感は、あった。

 

あんたら、自分でやる気、ないよね?

 

わっちは、我が父が亡くなったとき

本当に、「悲しむ時間」がなかった。

 

次から次へとイヤミ・嫌がらせが相次ぎ、

その中で行政手続きは待ったなしの状況で

本当に辛くて苦しくて、記憶も朧気なほど苦労した。

 

そういうことがあったから、元パートナーには

きちんと母君を悼む時間を持って欲しかったんだが。

 

どうも何だか、わっちが思っていたのとは

違ったようだ。

 

自分らがやりたくないことを

体よくわっちに丸投げしてないか。

 

そういう姿を見たとき、わっちはまた

泥の中に引きずり込まれるのだ。

 

あれほど、すべてのことを

わっちひとりでやったというのに

毒母もモラハラ元夫も、

気分次第でわっちを責め立てた。

 

助けて、と思う暇もないほど

追い立てられていた。

 

はっきり覚えているのは、一番最後に

我が父の銀行口座の解約まで漕ぎ付けたとき

 

あぁ、お父さんの名前が

全部、無くなっちゃったんだな

 

と思った。

 

見上げた空が快晴で、

銀行を出て車に行くまでの間に

ぼろぼろと涙が溢れて来て

「どうしよう、お父さんの名前がない」

と、急に落ち着かなくなって来た。

 

まさに新盆の直前のこと、である。